(み)生活

ネットで調べてもいまいち自分にフィットしないあんなこと、こんなこと
浅く広く掘っていったらいろいろ出てきました

【あらすじ・感想】文庫版・『ガラスの仮面』第03巻【ネタバレばれ】

2014-09-21 02:56:20 | ガラスの・・・あらすじ
※※『ガラスの仮面』文庫版読み返してます。あらすじと感想まとめてます。※※
※※内容ネタバレ、感想主観です。※※


仮面年表は こちら
紫のバラ心情移り変わりは こちら

49巻以降の話、想像してみた(FICTION)*INDEX*はこちら

--------------------------------------------------
『ガラスの仮面』文庫版第03巻 ※第3章(途中から)※第4章 ※第5章(途中まで)

第3章 風の中を行く

しんと静まり返った公会堂ロビー。
物音ひとつ聞こえない劇場内。
いいようのない焦りをおぼえた亜弓は勢いよく会場への扉を開けた。
その目の前には・・・。

自分が演じたのとは幕まったく異なる美登利がそこにいた。
ーーー姐御肌で美しくも凛々しく光り輝く少女、美登利。
つい数十分前までそこにいた自分の美登利の匂いを全く消し去るように
舞台上で跳ね、動き回るどこまでも元気な美登利。
誰もがあまりにイメージの異なるマヤの美登利に呆れながらも、
目は釘付けになっていた。
そして美登利の小さな初恋が踏みにじられるそのシーン、
亜弓が泣きわめいたそのシーンで、マヤはにっこり微笑んだ。
亜弓がくやしさを表現したシーンで、マヤは哀しみを表現した。
最後まで亜弓の美登利とは全く異なる美登利がそこにいて、そして
観客を魅了した。

劇団つきかげの上演が終わった。
下馬評を覆す喝采に、マヤ達は沸き立ち、亜弓達は驚愕した。
そして結果発表ーーー。
第3位 劇団ポー『バラの一族』
第2位 劇団市季『ジーザス・クライスト・ウルトラスター』
第1位・・・・
劇団オンディーヌ『たけくらべ』
そして
劇団つきかげ『たけくらべ』

異例の2劇団同時入賞で、マヤ達は劇団存続の可能性をつなげた。
北島マヤという存在が、もはや目を背けることなどできないほど側にいることを確信した亜弓、
更なるライバル心を燃やす。
そして妨害工作にも関わらず同時入賞させてしまった小野寺も、
本選ではどんな手を使ってでもつきかげを潰しにいくことを誓う。
速水真澄は、率直にマヤの演技を評価していた。
「きみの美登利はよかったよ 実によかった」
思わず顔を赤らめるマヤに真澄は茶化しながらあんなおてんばみたことない、
とマヤをからかいながら大笑いした。
マヤも必死に言い返してはみるものの反対に「がんばりたまえ おチビちゃん」
と軽くあしらわれてしまう。
そんな中マヤのもとにまた、紫のバラが届けられた。


第4章 春の嵐
本戦出場を果たした劇団つきかげ、次の演目は『ジーナと5つの青いつぼ』
そして主役ジーナはやはりマヤだった。
配役に納得するメンバーが大半である一方、ここへきて
露骨にマヤびいきの演目が続くことに不満を感じる団員も出てきていた。
劇団内にすこしずつひびが入りつつあるなか、稽古は続き、いよいよ
全国大会まであと5日、開催地名古屋入りとなった。
滞在先の古びた旅館につくと、なにやら賑やかな一行を目撃した。
新幹線でも一緒だったその一行、実は同じく演劇コンクールに出場する
北海道代表、劇団一角獣、優勝候補との呼び声高い劇団である。

会場となるフジホールで、上演順が発表された。
劇団一角獣は初日、劇団オンディーヌは4日目、そして劇団つきかげは
6日目となった。
舞台稽古を終え、優しく亜弓を支える桜小路を見たマヤは、
もやもやした気持ちを抱いていた。
そして桜小路にそのことを尋ねると、桜小路は
ずっと以前からきみが好きだよ、とマヤに微笑んだ。
その言葉はマヤの心を温かくみなぎらせるのだった。
そしていよいよコンクール開催。
やつれるほど稽古にこもりきりの亜弓擁するオンディーヌ、
いったいどんな演出なのか、全く予想もつかない一角獣、
そしてこれに敗れれば存続はないつきかげ、
戦いはスタートした。

**

コンクール初日、前評判通り劇団一角獣の演技は圧倒的で、
強烈な印象は他の舞台を完全にかすませた。
しかし真の敵は劇団つきかげであると確信するオンディーヌの小野寺は、
ひそかに工作を進めた。
つきかげ内に潜む不協和音を利用し、言葉巧みに仲間に引き込んだ。

劇団オンディーヌ、亜弓の舞台はやはり圧巻で、
敵でありながらマヤは亜弓の演技にどんどん魅了されていった。
そしてその舞台を見るため、速水真澄も会場に駆けつけていた。
そこで真澄は小野寺の「手はうってある」という言葉を耳にする。
いよいよ劇団つきかげの出る6日目の朝、事件は起きた。

劇団つきかげの舞台セット、大道具小道具そして衣裳、なにもかもが
ばらばらに破壊され、使い物にならなくなっていた。
かろうじてマヤの衣裳だけは使用できる状態だが、後は
見るも無残に破壊されている。
犯人が誰かも分からない中、マヤは黙々と修復作業にとりかかった。
上演は午後2時から、一角獣のメンバーも作業に協力を申し出、
みんなで最後まで希望を捨てずに修復作業を行っていた。
そんな中、使えそうな大道具や衣裳を貸してくれる所が見つかったという
情報が飛び込んできた。
今からトラックで取りに行けば上演には何とか間に合う。
この渡りに船の幸運に団員は歓喜し、小道具の修理を担当するマヤを残した
残りのメンバーは全員荷物を引き取りに向かった。

その頃会場では、あの大都芸能の速水真澄が来ていることがちょっとした話題になっていた。
あわよくばスカウトされるかも、などと色めきだつ女優の卵達、
そんな声には全く興味も感じない真澄だったが、ロビーで一人
小道具の修繕をするマヤが目に留まる。
大道具も小道具も壊されたのだという事を知り、真澄は前日の小野寺の不穏な言葉を思い出す。

11時半、そろそろみんなが戻ってくる時間だ。
あいにくと降りだした雨は激しさを増し、マヤの不安も高まる。
そして12時を過ぎ、帰ってくる時間になっても一向に戻ってくる気配がない。
時は無常にも過ぎ、とうとう前の舞台が終了する時間となってしまった。
このままセットも役者もいない状態では棄権するしか道はない。
マヤは一人雨の中びしょびしょになりながらみなの到着を祈るしかなかった。
そんな様子をみかねた真澄は、マヤに自分のコートをかぶせ、
中に入るよう諭す。
しかしそんな真澄を自分達の敵だと思っているマヤはコートを真澄に叩き返し、その場から走り去った。
「かまわないでください!本当はおもしろがっているくせに!
上演できなくなればいいと思っているくせに・・・」
「ああ、そうだったな、とくにきみ達はいなくなってくれた方がいい・・・」
マヤは真澄に対して明確な嫌悪感を覚え、その時真澄は
あんな小さな少女のためにびしょぬれになる自分を嘆いていた。
速水真澄ともあろう者が・・・!

劇団一角獣のみんなの協力で修復出来たセットを運び、
何とかギリギリまで時間を稼ぐことはできた。
しかし肝心の役者陣が到着しないまま、開始の時間を迎えてしまった。
もはや棄権するしかない、誰もが諦めかけたその時、
「あたし演ります・・・」
マヤはひとかけらの希望を胸に、たった一人で舞台に立った。

**

劇団つきかげ『ジーナと5つの青いつぼ』
マヤはたった一人で舞台に立ち続けた。
不思議なことに相手役の見えないことが気にならなくなってくる。
さっきまで雨の中震えていた少女とは思えない堂々とした舞台に、
真澄はただただ見入るばかりだった。
そしてとうとうマヤは最後まで一人でこの舞台をやり遂げたのだった。
舞台の幕が降り、客席は静寂ののちの大歓声が響き渡っていた。

全日本演劇コンクールは最終日を迎え、いよいよ審査結果の発表となった。
一般投票
第3位 劇団オンディーヌ『灰の城』
第2位 劇団一角獣『運命』
そして・・・
第1位 劇団つきかげ『ジーナと5つの青いつぼ』
このままいけば入賞は間違いない、しかしその時、
オンディーヌの小野寺から異議が唱えられた。

多数の出演者が無断で欠席、唯一の出演者が勝手にセリフを変え、
身勝手な演技を押し通したのは演劇精神に反するーーー

最終的に優勝は劇団オンディーヌの『灰の城』に決まり、
つきかげは審査対象から外された。

優勝トロフィーを手にしても、亜弓の心は晴れなかった。
たとえ結果はどうであれ、たった一人で1時間45分もの舞台を演じ抜き、
一般投票で最多得票を獲得したのはマヤに違いないのだから。

劇団つきかげ存続の道は絶たれた。
涙が止まらないマヤは、差し出された真澄のハンカチも突き返し、食ってかかる。
東京に戻った一行は、青柳プロが建てた研究所から追われ、
本当に千草の元で演劇を続けたいという熱意のあるものだけが
オンボロアパートに移って劇団つきかげとしての活動を続けることになり、
マヤは月影千草、青木麗と共に6畳一間のアパートで暮らすことになった。
その頃大都芸能では新人発掘に躍起になっていた。
北島マヤを他の大手プロスカウトマンが狙っている事を知った真澄は、
マヤを必ず大都の物にすることを決意する。

一方マヤは、新天地でも未来だけを見つめ、明るく過ごしていた。
明日の事だけ考えて。
あたしはきっと女優になる!


第5章 あした草

おんぼろアパート白百合荘の朝は、マヤの大きな「おはよう」の声で始まる。
中学3年に進学したマヤ、
高校を卒業し、喫茶店でアルバイトを始めた麗、
住み込みのパン屋でアルバイトをするさやかと泰子、
稽古場もなく、生きるだけで日々忙殺される日々に、皆焦りを感じ始めていた。

そんな中、マヤは『リア王』の上演されている会場の前を通りかかった。
会場には亜弓をはじめ、姫川歌子や速水真澄など大都芸能・オンディーヌの
関係者も多数いるようだ。
当然チケットなど買えるはずもなく、ただスチール写真を眺めることしか
できないマヤ。
それに気づいた真澄は紫のバラを添えたチケットを子供に託してマヤへプレゼントした。

上演が終わり、久々の興奮を覚えるマヤ、気づけば夜9時、あわてて帰ろうとした所で
またもや真澄とぶつかってしまう。
送っていこうか、という真澄にあっかんベーを返したマヤを笑いながら見送る真澄。
「もののみごとに振られましたわね、真澄さま」
大都芸能一の社長秘書、水城がマヤに会ったのは今日が初めてだった。
真澄が小野寺と秘密裏に進めている、北島マヤ争奪作戦。
しかし水城には単に真澄がマヤを金の卵として見ているだけには思えなかった。

ボロアパートでは声が筒抜け、夜の公園では通報される、
なかなか稽古できる環境になかった劇団つきかげだが、近所の古びた教会が
掃除をしてくれることを条件に稽古場として使用することを許してくれた。
やっとこれで本格的に演劇ができる。
みんなの目にきらめくものがあった。

その頃、真澄と小野寺は桜小路を呼び出していた。
マヤと懇意にしている青年、彼にマヤのことで話があったのだ・・・。

**

教会での稽古は続いた。みな日々の学校や労働との両立で疲労困憊、
稽古が終わると泥のように眠る毎日だ。
ある日マヤは千草に『紅天女』について尋ねる。
いつか自分も・・・漠然と思うマヤに千草は紅天女は人ではなく、梅の木であると告げる。
いまのマヤではまだまだ、しかしいつか、いつかきっと・・・。

学費の足しにといくつかアルバイトを探すマヤだったが、
中学生を雇ってくれるところはどこにもない。
そこへ桜小路が現れ、オンディーヌに来ないかと言ってきた。
一緒の舞台へ立ちたいという純粋な思いから必死にマヤを誘う桜小路、
しかしマヤはつきかげのメンバーから離れることなどできなかった。
例え桜小路の誘いでも・・・。

アルバイトも見つからず、沈む心のマヤは、ある広告記事を見つける。
“田淵エミ出演初映画『白い青春譜』クラスメイト役一般募集”
どうせアルバイトをやるのなら、演劇でやればいいのだ。
そう思い立ったマヤはさっそくオーディションに応募した。

オーディション当日、なんとか一次審査を通過したマヤだったが、
二次審査で落とされてしまう。
しかし審査員の一人がマヤの演技がどうしても心に残り、特別に
別の役で出演しないかというオファーを受ける。

入院患者の一人、左足がマヒしていて不自由、セリフは一言
「はい おとしもの」

動かない左足の演技を習得するため、
マヤは縄で左足を縛った。


~~~出演以外の登場作品~~~~~~~~~~~~~~~~
(演劇)リア王 1Fる27席
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


第04巻へは・・・こちらから
*****感想**************************************
おなじみのマヤと真澄のやりとりが本格的にスタートするのは、本巻の『たけくらべ』から
だったようです。
からかいながらも演技をほめる真澄、
それにはむかい文句で応酬するマヤ。
最初こそ「おチビちゃん」という表現ですが、チビちゃん呼びもここからです。
『たけくらべ』でとうとう、月影千草の秘蔵っ子、北島マヤという存在が
関係者の間で確固たる記憶に残り、物語が動き出すといった所でしょうか。

個人的には、真澄はもはや“上演終わったら紫のバラおーくろっ”って思いながら
見てる気がして仕方ないんですけど・・・。

そして個人的に結構好きな劇中劇『ジーナと5つの青いつぼ』を経て、
完全にマヤと真澄の掛け合い漫才は確立といった感じです。
若さゆえか、“速水真澄ともあろうものが・・・”をやたら繰り返す真澄ですが、
それだけ女っ気もなく仕事しかしてなかった青年時代だったんですね・・・。
だから気づくのがあんな遅くなるんだ・・・と思ってみたり。

それにしても、まだまだこれからずっと先の話ですが、
風火水土のエチュードで亜弓さんがやった土器の演技がBest Favoriteの私は
ツボ好きなだけなのでしょうか・・・。

リア王のチケットでは、真澄のマヤの扱いもだんだん手慣れたものになってきて、
多分ぜったいわざとぶつかったと思うんですよね~。
おなじみクックッ笑いも炸裂ですし。

あとそうです、リア王で水城秘書も登場し、いよいよこれで主力メンバーほぼ
出そろった感あります。
水城さん、最初から真澄の思いに気づきかけているという恐ろしさ。

最後は初期おなじみのスポ根的稽古です。
縄、好きですよね・・・。


コメントを投稿