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閉店前の“安売り” 「ケーキ店」が行わないワケ

2024年06月14日 20時03分03秒 | 食のこと

閉店前の“安売り” 「ケーキ店」が行わないワケ 専門家が解説

12/24(日) 6:10配信



オトナンサー
「ケーキ店」が安売りしないワケとは…


 ショッピングセンターや駅ナカなどの総菜店で、閉店前や時間帯によって、売れ残ったケーキに値引きのシールなどが貼ってあったりします。しかし、ケーキ店では、閉店前でも売れ残りを安売りしないことが多いように思います。ケーキは生もので、基本的に販売した当日が消費期限となっています。


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 なぜ、総菜店のケーキは安売りするのに、ケーキ店は安売りしないことが多いのか、飲食店コンサルタントの成田良爾さんが解説してくれました。


有名店は「安売りしない」 クリスマスケーキは…
 総菜店が利益を落として安売りする理由について、成田さんは「総菜が売れ残って廃棄することを防ぐため」と説明します。“フードロス削減”という観点と共に、売れ残った総菜を廃棄すると「全ての原材料費が損失」になり、「安売りをして、粗利益が少なくなったとしても、損失を出すよりはよいという考え」から、安売りを行っているということです。


 では、ケーキ店が安売りをしない理由は何なのでしょうか。成田さんは、個人経営など小規模なケーキ店では安売りをしている店もあるが、「著名なパティシエがいるケーキ店や、ブランディングされた洋菓子専門店の多くは閉店前でケーキが残っていても、安売りはしません。安売りをすると値崩れが起きて、ブランド価値が下がるためです」と分析しているということです。


 個人経営や小規模なケーキ店の安売りの理由について、「小規模なケーキ店でも、値崩れを防ぎたい気持ちはありますが、どうしても、原材料費分くらいは売り上げないと経営の維持が困難なため、安売りするのです」と解説してくれました。


 製造したその日に売れ残ったケーキはどうなるのかも気になり、質問してみたところ、成田さんは「売れ残ったケーキを毎日廃棄する店もあれば、手直しして、翌日に販売する店も実際はあります。賞味期限切れのケーキの多くは業者に依頼して廃棄処理します。中には、ケーキ店で働くスタッフや関係者に配ったりする店もあります」と教えてくれました。


 売れ残ったケーキを安売りせずに廃棄すると、利益はもちろん、材料費や人件費も全く回収できないと思います。それでも、安売りしないメリットについては「ケーキは誕生日やクリスマスに食べたり、贈り物にしたりするなど特別感があり、多少、価格が高くても売れる商品です。売れ残った日に安売りすると、ケーキの特別感がなくなると同時に値崩れしてしまいます」とコメント。客が、安売りを狙って買いに来るようになると、「結果的に売り上げも落ち込んでいく」と続けながら、「ケーキ店としては『ケーキは特別な食べ物なので、少々値段が高くても買う』という顧客イメージがよい」と語ってくれました。


 今年のクリスマスが24日、25日に控えています。25日にケーキ店が閉店前にクリスマスケーキを安売りしている様子を見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。その理由には「一般的にクリスマスケーキは25日まで、おいしく食べられるように製造されています。また、クリスマスが終わると、世の中は正月ムードに一気に切り替わるため、ケーキの需要が落ち込みます。仮に、スポンジなどを再利用して、別のケーキをつくり、再販売したとしても、なかなか消費期限までに売れにくいので安売りをする」のが考えられるということです。



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「世界初の内視鏡心臓手術」を実現した医師が日本の医療界に言いたいこと> 国内では「猟奇的」と非難された

2024年06月14日 18時05分15秒 | 医療のこと

国内では「猟奇的」と非難された…「世界初の内視鏡心臓手術」を実現した医師が日本の医療界に言いたいこと (msn.com) 


6/14/2024


かつて心臓手術では、入院期間が1~2カ月かかるのは当たり前だった。しかし、心臓外科医・渡邊剛さんが世界初の「内視鏡での心臓手術」を成功させたことで、いまでは術後3日で退院できるようになった。渡邊さんの著書『心を安定させる方法』(アスコム)から、心臓手術の軌跡を紹介する――。
「大きく切る手術」は医師にとってラク
心得 「常識」は永遠には続かない
「名医ほど大きく切る」


医療を扱ったドラマや漫画で、こんな言葉を耳にしたことがある方もいるかもしれません。昔の医療現場では実際に、そんなふうに言われていました。


本当にそうだろうか? と、私はずっと疑問に感じていました。


バイパスを1本つなぐだけの手術で、なぜ大きく切る必要があるのか?
手術は、医師の固定観念にとらわれて行われるべきものではありません。患者さんの病気を治す、病状を改善させる、さらには術後の回復を早めることが大前提です。ならば、切るのは最小限にとどめる必要があるのではないかと。


大きく切れば、手術はしやすい。でも、それでは患者さんの術後の回復が遅れる。小さく切るなかで的確な手術を行うことこそが、外科医に求められることだと思いました。



入院期間が長くなり会社を解雇された患者がいた
まだ私が医者になって間もないころのことです。胸骨正中切開で、たった1本の冠動脈バイパス手術を受けた患者さんの回復が遅れたのです。入院期間が長くなり、職場復帰までに時間がかかりすぎたため、その患者さんは会社から解雇を言い渡されてしまいました。理不尽なことだと感じると同時に、私にとって考えさせられる出来事でもあったのです。


私は、冠動脈バイパス手術における小切開のやり方を模索し、さまざまな方法を開発しました。以前なら正中切開をしていたのを、わずか6~7センチ程度の切開での手術を可能にしたのです。


こうした技術を習得すると、それが当たり前になります。


「これまでの大きく切るやり方は楽で簡単だったな」と思えます。


でもその簡単なやり方は、医師側の視点でしか考えられていなかったものでした。患者さんにとっては、体に大きな負担をかけていた方法にほかなりません。


当たり前を疑わずに、これまでの方法の上であぐらをかいているようでは、患者さんが本当に望んでいることを実現することは不可能です。当たり前と向き合いましょう。


その視点は、医療の現場だけで役に立つものではありません。必ず、新しく見えてくることがあるはずです。


小さく切る手術を模索した
心得 成功は次の挑戦の始まり
これまでのやり方を踏襲する。決まっていることをそのとおりにやる。


それが、仕事のすべてだと思っている人が多くいます。


もちろん、一つひとつの作業を丁寧に行うことは大切なことですが、それだけでは、お客さんや仕事相手は充分には満足しない気がします。


なぜ、「このやり方でやれ」と教えられたのか?


なぜ、「この決まりごと」があるのか? 誰が決めたのか?


もっと、効率を上げ、質も高められるやり方があるのではないか。


私たちの生活は、格段に進歩してきました。たとえば1953(昭和28)年にテレビが登場し、数年後にカラー放送が始まりました。


その後、ビデオテープで録画ができるようになり、DVD、ブルーレイへと移行します。携帯電話の登場、スマートフォンへの進化。インターネットの普及と動画配信サイトの確立。そしてAIは、これからさらに進歩しようとしています。



それだけではなく、私たちの生活に直結する衣食住のレギュレーションも大きく変化してきました。これは現状に甘んじることなく「もっといいやり方に変えられるのではないか」と、あくなき探求心を持った者が成し遂げてきたことです。


世界初の内視鏡手術を成功させたが…
小切開手術を突き詰めながら、私も考えました。患者さんの体への負担をもっと軽くする手術方法はないのか、切開することなく手術はできないものか、と。


そして私は、内視鏡で心臓手術ができれば、小切開手術よりもさらに患者さんの体に負担をかけない手術ができると思いあたりました。


いや、じつはそれ以前に消化器系、呼吸器系の手術に内視鏡が用いられるようになったときに、「どうして心臓分野では、内視鏡を使った診察や手術がないのだろう」と、不思議に感じてもいたのです。


でも、心臓という生命に直結するデリケートな箇所を切開することなく手術するという発想は、当時、日本はおろか世界のどこにもありません。それでも富山医科薬科大学病院(現・富山大学附属病院)時代、勤務をしながら、私はずっと内視鏡心臓手術の研究を続けていました。


内視鏡で心臓の外側だけを眺めるのではなく、心臓を包んでいる分厚い膜の中に内視鏡を入れるなどして実験、心臓の表面を走る冠動脈をそこで見据えたときに確信しました。(ここまで血管が鮮明に見えるのか。冠動脈バイパス手術なら内視鏡で可能だ)と。


その後も実験、手術の手順の考察を重ねました。そして、1999年に私は内視鏡手術(完全内視鏡下冠動脈バイパス手術)を世界で初めて成功させるに至ります。


人工心肺を使用せず、胸の横に小さく開けた穴から内視鏡を挿入して行う手術は、時間が短く済むだけではなく、切開しないことで患者さんの体への負担を軽くできました。脳梗塞や心不全の原因にもなる重篤な心臓疾患の治療も、画期的に改善できたのです。


日本の外科医たちは「猟奇的だ」と批判した
心得 満足感に浸り続けてはいけない
ただこのとき、周囲が諸手を挙げて私の成功を喜んでくれたわけではありませんでした。従来の術式に固執したがる日本の外科医たちからは、批判的な声も上がりました。


「猟奇的だ」


「安全は担保されているのか」


しかしその後、高い手術成功率を示すと批判の声は小さくなり、やがて耳に届かなくなります。そして今度は皆がやりたがりました。


世間の反響も大きなものでした。私が内視鏡心臓手術について書いた論文が、世界的に有名な医学誌『ランセット』に掲載されたのです。『ランセット』は1823年にイギリスで創刊された週刊医学雑誌で、世界中の医師たちが読んでいます。心臓外科医が論文を書くのは珍しいことでしたが、これにより内視鏡心臓手術は世界に広まり、その後のロボット手術へとつながっていきます。



日本国内でも「世界で初めて内視鏡で心臓手術をした外科医」とNHKがニュースで報じてくれました。いくら患者さんたちのためになる術式を開発しても、志をともにする仲間たちから評価されたとしても、それが時として旧態依然とした勢力からは認められず、排除の方向に向かわされることもあります。


医師の保身、既得権益…
新たな発見や開発は、それまで既得権益を有してきた人たちにとっては邪魔な存在でしかなかったりするのです。


でも、医師が対峙するべきは、自らの地位を得るための権力闘争などではなく、目の前にいる患者さんです。


私が「完全内視鏡下心臓手術」を行ったことをメディアが大きく報じてくれたことは、その思いを後押ししてくれました。


ただ、人は満足感を得ると心が満たされます。満たされたとき、それは一種の快感としてそこに浸り続けたくなります。これだけ大きなプロジェクトを成功させたんだ。こんないい取引先との商談をまとめたんだ。いままでにない事業を立ち上げて軌道に乗せたんだ……。


すばらしい活躍をしたときこそ、すぐに次の一歩を踏み出しましょう。心が満たされた状態を続けていると、そこから抜け出せなくなり、いずれ周りからの期待とのギャップに心が苦しむことになります。


大きなチャンスをつかんだとき、成功をつかんだとき、それは心が次の成長のステップに進むための準備が整ったということです。その機会を逃してはいけません。


心臓手術は大きく変わった
心得 昨日よりも今日。今日よりも明日。明日よりも明後日
心臓手術――。この言葉に、みなさんはどのようなイメージをお持ちですか?


「怖い」


「生死をさまよう手術」


「術後も退院までに長い時間がかかる」


そんなふうに思われているのではないでしょうか?


当たっている部分もあり、そうではないこともあります。


実際に以前は、命の危険と背中合わせの大手術とされてきました。心臓手術が成功したとしても大きな傷跡が残り、入院期間が1~2カ月かかるのは当たり前で術後には痛みに耐えねばならないものだったのです。


従来の胸を大きく切り開く手術を行うと、一緒に切った胸骨がもとの状態に戻るまでにかなりの時間がかかります。そのぶん、入院期間は長くなり痛みも伴う。それだけではなく、広くメスをふるったことで傷口から細菌等が入り込み、感染症を引き起こすケースも多々ありました。


ですが、医療技術は進歩し続けています。胸を切り開く手術は、過去のものになりつつあります。いま世界の外科手術の潮流は、体にメスを入れる範囲をできる限り小さくしようとする方向に進んでいるのです。切る箇所を小さくできれば、患者さんの体の負担は軽くなる。よって術後の回復は早まり、社会復帰もスムーズになります。


術後3日で退院する患者もいる
心臓外科手術は近年、大きく変わりました。それは、ロボット手術(ロボット支援下内視鏡手術)が出現したからです。いまでは、胸を大きく切り開いて心臓手術を行う必要性はほとんどありません。胸に小さな穴を3つ開けるだけで手術を行うことが可能になったのです。


このロボット手術では出血を少なくし痛みも軽減でき、手術痕もすぐに塞げます。以前は考えられなかったことですが、術後3日で退院していく方もいらっしゃいます。


体に優しいロボット手術により救命率が上昇、さらに脳梗塞をはじめとする重篤な合併症の発症も高い確率で抑えられるようになってきました。


2014年に「ニューハート・ワタナベ国際病院」を開設して以降、これまでに4000件を超える心臓手術を行ってきました。その半分がロボット手術で、全体の手術の成功率は99.6%を上回ります。


日本もアメリカも、平均死亡率は2.5%といわれていますから、この数字は世界的にも最高レベルであり、患者さんに安心して手術を受けてもらう環境を作り上げたと自負しています。また、術後から退院までの時間も大きく短縮、早期の社会復帰も実現しました。


日本では旧式の手術を行っている病院が多い
ただ、このロボット手術が日本において心臓手術の主流になったかと言えば、そうではありません。いままで知らなかった方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。


じつはいまだに旧式のやり方、つたない腕で手術を行っている病院が数多くあります。「ダビンチ」と呼ばれる手術ロボットが導入されていないため環境が整わず、また手術を行える医師の数も極めて少ないからです


これは、患者さんにとって不幸なことでしょう。ロボット手術を受けていれば体に与えるダメージは少なく、その後も長く健康でいられたのに、そうでなくなるケースもままあるからです。


進歩を恐れてはいけない
「技術の発展は日進月歩」という言葉を聞いたことがあるかと思います。絶えず進歩することを表す言葉ですが、現代は江戸時代の1年分、平安時代の一生分の情報量を、たった一日で受け取っていると言われるほど、情報を取り巻く社会全体のスピードが加速しています。


昨日よりも今日、今日よりも明日、明日よりも明後日、医師は不安でいっぱいの患者さんの気持ちを理解し、意識して、動かなければいけないですし、それは、どんな分野の仕事でも同じでしょう。


そもそも仕事は、目の前の、あるいは誰かの「喜ぶ顔を見るために」「悩みを取り除くために」必要なことを提供し、対価としてお金を受け取るものです。


これまでのやり方が一瞬で古くなる時代に、患者さんやお客さんの想いに応えるために、進歩を恐れず踏み出してください。


---------- 渡邊 剛(わたなべ・ごう) 心臓血管外科医 1958年、東京都生まれ。心臓血管外科医、ロボット外科医(da Vinci Pilot)、医学博士。日本ロボット外科学会理事長、日伯研究者協会副会長。麻布学園高等学校卒業後、医師を志す。金沢大学医学部卒業後、金沢大学第一外科に入局する。海外で活躍する心臓外科医になりたいという夢を叶えるためドイツ学術交流会(DAAD)奨学生としてドイツHannover医科大学に留学。金沢大学心肺・総合外科教授、国際医療福祉大学三田病院客員教授などを経て、2014年にニューハート・ワタナベ国際病院を開院。著書に『医者になる人に知っておいてほしいこと』(PHP新書)などがある。 -






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クマが出ます❗>毛呂山町で

2024年06月14日 17時05分40秒 | 日々の出来事
毛呂山町付近の山の中です




5・4・2024
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なぜ超進学校「渋幕」「渋渋」学園長は生徒に「真似」を勧めるのか?「歴史」を学べば、AIが越えられない創造力の壁も乗り越えられる(

2024年06月14日 09時05分11秒 | 歴史的なできごと




なぜ超進学校「渋幕」「渋渋」学園長は生徒に「真似」を勧めるのか?「歴史」を学べば、AIが越えられない創造力の壁も乗り越えられる(婦人公論.jp) - Yahoo!ニュース 


なぜ超進学校「渋幕」「渋渋」学園長は生徒に「真似」を勧めるのか?「歴史」を学べば、AIが越えられない創造力の壁も乗り越えられる
4/20(木) 6:32配信
4コメント4件

(出典:『伝説の校長講話――渋幕・渋渋は何を大切にしているのか』より)

「共学トップ」の超進学校・「渋幕」(渋谷教育学園幕張中学高校)と「渋渋」(同渋谷中学高校)。渋幕創設からわずか十数年で千葉県でトップの進学校に躍進させた田村哲夫氏は現在、同理事長・学園長を務めるかたわら、中1から高3までの生徒に向けた「校長講話」を半世紀近く続けており、その内容は現代社会に生きる幅広い年代の視野も広げてくれる。中学3年生に向けて行った、創造力を培うための講話の内容とは――。 

【写真】講話を行う田村哲夫氏「時間はかかっても頑張って〈やりぬく力〉の大切さ」

 * * * * * * * 

◆モーツァルトもまねをした 


きょうの中心の話に移ります。なぜ学ぶのか。模倣という言葉は、あまりいい意味では使われないのですが、決められた形を学ぶことで、そもそも学ぶという言葉は「まねぶ」からきたと言われています。 

決められた公式や定型をまねすることから、学ぶことが始まったというわけですね。数学で言えば決められた公式、国語で言えば言葉の意味や定型を知る。模倣がまねぶことの出発点。最初から新しいことを考えつくなどということは、誰もできないのです。

 天才作曲家のモーツァルトも、若い頃には、先輩の素晴らしい曲を繰り返し聴いてまねした曲を残しています。模倣を繰り返す中から、ある年にピアノ協奏曲第23番という曲を突然つくるんですね。それまでの曲とは懸け離れた素晴らしい精神性のある音楽で、次回の講話で実際にお聴かせします。それ以降は、さすが天才という曲が連続してつくられたのです。


彼は若くして、その最盛期に亡くなってしまいます。 モーツァルトの素晴らしい曲の数々は、創造力でつくられたものです。英語で、模倣をイミテーション(imitation)、創造をクリエーション(creation)と言います。学ぶがまねぶから来ているのは、まねすることから始まるからなんです。この構図を少し説明します。

 人間の能力が認知能力と非認知能力に分かれるということは聞いたことがありますか? AIと言われる人工知能は、過去に人間が行ったことを蓄積した膨大なデータを駆使して共通項を出します。これが認知能力で、多くの人の経験を活用し、失敗しないようなやり方を見つけ出すことです。 

ところがAIがまねをしながら積み重ねていくやり方は、今のところ、非認知能力の代表である創造力の壁を越えられていません。創造まで飛躍できない。ここに大きな壁があるんですね。実は人間には、壁を越える力があるのです。だから模倣という方法で、他の人のしていることを一生懸命頭に詰め込んでいるわけですね。


◆自分で鍛える非認知能力 

まずは非認知能力がどんな能力か。君たちが学校を出て社会で活躍する時にとても大事な能力になります。認知能力は模倣が基本で、すべて教えられます。数学的思考力、それから言語能力、この二つが学校で教える時間割の最終目標になります。非認知能力の特徴は、教えられないということです。たとえば自己認識をするには、君たち一人一人がアイデンティティを見いだすことが必要ですが、お父さん、お母さんにもそれを教えることはできません。
自分で分かろうと努力しなければならないのです。忍耐心や自制心も自分で意識して鍛える必要があります。

アメリカで、子どもがマシュマロを前にして、食べるのを我慢できるかどうか観察した実験が行われましたが、その後を調査すると、我慢していた子は我慢できなかった子に比べて社会的に成長していたそうです。

 ポイントは、「心の持ちよう」と言われています。辛いことがあっても、みんなも頑張っているとか、いろいろな理屈をつけて心の持ちようを変えていくと、自制心、忍耐心が育っていくのです。 他の非認知能力としては、時間はかかっても頑張って「やりぬく力」の大切さが強調されています。今から4年も先の大学入試に向けて目標を設定して頑張るのは、やりぬく力になりますね。


◆創造が「神わざ」から「人間のわざ」へ 

中3の学年テーマは、創造力です。「創」には傷つけるという意味があります。たとえば刀創(とうそう)という言葉を知っているかな。刀でついた傷のことです。創造というのは、何かを傷つけて、それまでになかったようなものを創り出す仕事だと考えられますね。中世のヨーロッパでは、まねをすることは人間のわざ、創造は神のわざ、と言われていました。 

キリスト教などの本を読むと出てくる創造主とは、神様のことです。この言葉からも分かるように、かつては創造を人間の仕事とは思っていなかったんですね。 


ところが、ある時期から創造は人間がすることだ、しかもかなり大事なことだとみんなが思うようになります。21世紀の社会に生きる君たちは創造する力がとても大事だ、と年中耳にするでしょう? 非認知能力の代表である創造力を伸ばすのに一番分かりやすい方法が、歴史を学ぶことなんですね。今の時代の現象を理解し、こうすればいいというヒントが分かる。歴史には、謎解きのカギが山のようにあるんです。それでは、創造力を一つのキーワードにして、それを身につけるために人々は歴史上どんなことをしたのか、話をしてみたいと思います。


 【スクリーンに書物の画像】 

これは、『論語』という本です。今から2500年ぐらい前、中国に孔子という人がいました。孔子は「天」という存在がすべての人をコントロールしていて、天の命令の代表的なものが「仁」と考えていました。仁という漢字は二人の人と書くでしょう。人間一人一人が相対して話し合い、社会をつくっていく中で生きる道を見つけるのだという考え方です。



◆『論語』の解説書を日本にもたらした、遣隋使・遣唐使 

孔子は生きている間に一切本を書かなかったのですが、お弟子さんが師の言葉を覚えていて、本にして残してくれたんですね。その代表が『論語』で、いいことがたくさん書いてあって、ああ人間はこう考えて生きればいいんだということが読むとよくわかります。 

ただし内容は難しく、2500年もたっているので解説書も膨大な数に上っています。代表的なものが三つあって、その一つが『論語疏(そ)』です。解説書のことを「疏(そ)」といいます。 この『論語疏』は今から1200~1300年前、日本人が中国で買って持ってきたものが現存しています。実は中国ではこうした本は、数百年に一度は起きる革命などの争いで散逸してしまい、残っていないそうです。ところが日本に『論語疏』が保存されていたんですね。 こうした書物を中国から持ってきたのが、きょう取り上げる遣唐使、遣隋使です。作家の井上靖が『天平の甍(いらか)』という本に書いていますが、当時の唐、中国は世界で最も進んだ国で、首都長安、今の西安には世界中の人が行き交っていました。進んだ文化に魅力を感じて、日本から優秀な僧侶を遣隋使、遣唐使として中国に派遣したのは、7~9世紀の200年間余りです。資料にあるのは、平城京ができて1300年を記念して造られた船の写真です。 遣唐使を派遣した船を再現したのですが、嵐がきたらひっくり返りそうですね。

 実際に、派遣された人のうち無事帰った人は半分いたかどうかで、海に投げ出されたり、慣れない気候で病気になったり。それでも希望者が殺到し、必死の思いで最先端の文化を学んで帰ってきたのです。これを進取の気性というのでしょう。中2でやりましたね。新しいことに取り組もうという精神で、その進取の気性が創造力につながるのです。 

※本稿は、『伝説の校長講話――渋幕・渋渋は何を大切にしているのか』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
田村哲夫,古沢由紀子





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コロナ後に廃れる夜の店と復活する店…ド底辺キャバ嬢が考察してみた

2024年06月14日 03時05分54秒 | お金のこと

全国における緊急事態宣言により、休業を強いられているキャバクラなどの夜の店。今なお終わりが見えない厳しい状況が続くが、コロナ収束後の夜の世界は、どのように変わって行くのだろうか?  


5・7・2020

ド底辺キャバ嬢のカワノアユミが、現役キャバ嬢の意見を元に考察してみました。 

自粛で接待の不要さが分かってしまったから…


まず、話を聞いたのは歌舞伎町のキャバクラに勤務するリアさん(仮名・23歳)。リアさんは、今回のコロナ禍で歌舞伎町で起きた某有名キャバクラの炎上騒ぎについてこのような懸念を示す。 「メディアにもよく登場する某有名キャバ嬢が経営するキャバクラ店で、給料の未払いが発覚して炎上したんです。そのキャバ嬢は2月に入店して、4月1日にコロナの影響でクビになったそうなのですが、3月の時給は給料明細によると都内最低時給の1200円ほどしかもらえなかったそうです。労基に通報すると息巻いていましたが、最低時給を支払っているのであれば労基の調査対象にならないと思うんですよね。今回のコロナ禍で未払いの店は、これからさらに増えていくのかもしれませんね……」  

最初の言い値の時給を支払われなかったとしても、結局、キャバ嬢は泣き寝入りするしかできないとリアさんは話す。もし今後、未払いの店が増え続けるとしたら働き手側も店も激減することは間違いないだろう。だが、今回のコロナ禍で職を失った女性達が収束後にキャバクラに入店することも考えられるのではないのだろうか。 「それはあるかもしれませんね。岡村隆史さんが『コロナが明けたら可愛い子が風俗に入ります』と発言して炎上していたけれど、それはどうかなと。いきなり風俗で働く子もいないと思うし、自粛後すぐに風俗に客が戻るとも思わないんですよね。それを考えたら、スカウトマンもまずはキャバクラに可愛い子を優先的に入店させるのではないかなと思います。  

でも、今回の自粛で接待の不要さが分かった企業も多いと思うんですよね。キャバクラはともかく接待の割合が多いラウンジは今後、厳しいかもしれませんね……」  

ラウンジはクラブほど高額な料金設定ではないが店舗面積が広い分、家賃も人件費もかさむ。今回のコロナ不況で今後の接待費を節約する企業が増えてくるとなると、ラウンジは厳しくなるかもしれない。 


スナックが巻き返すワケ

一方で、コロナ収束後も巻き返すだろう……と筆者が読んでいる店も。地方にある小規模なスナックだ。

コロナ禍でそこまで騒がれていないが、4月1日から健康増進法改正によって一定条件を除く飲食店が事実上の全面禁煙となった。規制の対象外となるのは、東京都以外だと客席面積100㎡以下、資本金5000万円以下の店なので、地方の小箱店は申請すれば喫煙可となる。喫煙者の常連客が多いスナックであれば、強みになるだろう。また、地方でのスナックと客の関係について、関西のスナックに勤務するユミコさん(仮名・30歳)はこう語す。 「うちはママと私がメインで出勤していて、週1で来てくれるバイトの子が3人います。バイトの子は昼職との掛け持ちなので、休業になっても『また、お店開けるまで待ってます』と言ってくれたので助かりました。お客さんは休みの間、ママが連絡をとっています。『自粛が明けたらすぐにでも行くね』と言ってくれているお客さんばかりなので、とりあえず安心しています。  

最近はお客さんとの連絡をLINEでする子が多いと思うのですが、ママは昔ながらのホステスなので電話営業なんです。お客さんも、携帯電話がない時代から遊んでいる年配の方ばかりなので、そっちのほうが嬉しいようです。中には携帯電話を持っておらず、家電にかける場合もあります」  

ママの人柄や昔からの常連客で持っている店は、今回の休業による影響はそこまで受けていなそうだ。また、コロナ収束後も生き残るのではないかと密かに読んでいるのが、新たにできた2つのキャバクラだ。  

1つ目は、大阪を中心に展開している「コンキャバ」こと、コンセプトキャバクラ。いわゆるコスプレキャバクラなのだが、大阪では観光客向けに昼間から営業している店も多い。コロナ収束後、大阪への旅行客が戻ったときにはふたたび盛り上がりを見せるのではないのだろうか。


オンラインキャバクラの需要は高まる

  また、今回のコロナ禍で3密を避けるために誕生した「オンラインキャバクラ」。ビデオチャットでキャバ嬢と会話できるWebコンテンツなのだが、外出自粛中の今、客入りは好調のようだ。地元のキャバクラで感染者が出てしまったという地方在住の男性は「収束後もしばらくは、飲み歩いていたら周囲から白い目で見られそうなのでオンラインキャバクラを利用します」と話す。 

 また、今は一時的にオンラインキャバクラに身を置いているという関西在住の女性は「地元のキャバクラよりもオンラインキャバクラのほうが時給が良いので収束後も続けたい」という。コロナ収束後も、地方でのオンラインキャバクラの需要は高まっていくのではないのだろうか。 

 長引く休業の影響で、夜の街が大きく変わるのは間違いないだろう。筆者は今から注目している。


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