濃緑に太陽が照りつける盛夏の到来とともに、養蚕のシーズンは終わりを告げる。 【写真】大学では陛下と同じ学部を専攻された愛子さま
「皇居内の紅葉山御養蚕所で、雅子さま(56才)が5月中旬から取り組まれてきたご養蚕が、7月中旬の『御養蚕納の儀』で締めくくられます。今年初めて歴代皇后のお務めに取り組まれて重圧もおありだったと思いますが、無事にやり通されて、ホッとされたのではないでしょうか」(宮内庁関係者)
※女性セブン2020年7月23日号
そんな折、雅子さまを巡るある報道が宮内庁内で話題に上っているという。
6月中旬、天皇陛下の相談役である「宮内庁参与」が交代。五百旗頭(いおきべ)真氏ら3人が新たに就任した。五百旗頭氏は神戸大学教授や防衛大学校校長を歴任した日本政治外交史のエキスパートだ。
「五百旗頭氏はかつて女性天皇を容認すべきという趣旨の発言をしています。7月上旬発売の『女性自身』がそれをもって、“雅子さまが五百旗頭氏を抜擢し、愛子天皇の実現を後押しした”と報じました」(皇室記者)
しかし、その内容に異論が噴出しているという。皇室関係者が語る。
「五百旗頭氏はその知識、経歴、人柄などを判断して、人選されたものですから、雅子さまが“抜擢”したわけではありません。そもそも、最近の世論調査では女性天皇容認が約8割にのぼります。どのような人選であれ、そのほとんどは容認派なのです。たとえば、五百旗頭氏と一緒に新任した元宮内庁長官の風岡典之氏も、女性天皇には前向きな考えを持っているとされます。五百旗頭氏の就任をもって“雅子さまが愛子天皇を推進している”と報道されるのは、雅子さまの本意ではないでしょう」
たしかに、世間では「愛子天皇待望論」が高まっている。この4月に大学生になり、ますます品位ある振る舞いをされる愛子さま(18才)に期待が集まるのも無理はない。
「大学では陛下と同じ学部を選び、同じようにイギリス留学も視野に入れておられるそうです。陛下の背中を追うように学ばれています」(皇室ジャーナリスト
愛子さまは、美智子さま、雅子さまが紡いできた「ご養蚕」という伝統の継承にもすでに加わられている。
「小学生の頃から難しい蚕の飼育に取り組まれており、その様子は美智子さまも頼もしく感じられているようです」(前出・皇室ジャーナリスト)
過去には上皇上皇后両陛下が「女性天皇」実現を前向きに望まれていると報じられたことがあった。
「皇統を安定的に継承することは、天皇家にとって第一といってもいい務めですから、さまざまな可能性を考えてのことでしょう。ところが雅子さまは女性天皇の実現に“前のめり”ではないとされています」(前出・皇室関係者)
ご自身が皇室で大変なご苦労をされてきた雅子さまだからこそのお考えもあるだろう。
「雅子さまは、特にお世継ぎ問題では筆舌に尽くしがたい苦悩を経験され、心身のバランスを崩されたことがあります。ご自身が体験された以上に重圧がかかる天皇の位に愛子さまがつく可能性には、思うところがおありのはずです。
皇后としては皇統の継承を第一に考えながらも、ひとりの母親としては、愛するわが子の将来について“自分の意思で自由に決めさせてあげたい”という思いをお持ちでもおかしくありません」(別の宮内庁関係者)
それだけに雅子さまにとって、今回の報道は寝耳に水だったに違いない。
「愛子さまを天皇にするために雅子さまが五百旗頭氏を抜擢したかのような報道にショックを受けられていることでしょう」(前出・宮内庁関係者)
雅子さまは昨年末、56才のお誕生日を迎えられた際の文書で、次のように記された。
《これからも感謝と思いやりの気持ちを大切にしながら、いろいろな方から沢山のことを学び、心豊かに過ごしていってほしいと願っています》
これから先のことは、愛子さま自身が決めること――。雅子さまは母として娘を支えられる覚悟だ。
※女性セブン2020年7月23日号