眠れない…不眠からガリ痩せした私が、眠剤より効いたシンプルな方法
寝つけない、眠りが浅い――今、睡眠の悩みを抱える人は多い。 コラムニストの吉川ばんびさんもその一人。貧困、DV、ブラック企業などついて、自分の体験を踏まえて執筆している吉川さんだが、長らく心身が不調だったという。不眠が発端で体重が落ち、体調はめちゃくちゃに。 だが、試行錯誤の結果、あるシンプルな方法でみるみる改善したという(以下、吉川ばんびさんの寄稿)。
これ以上痩せたら入院です」 1年前、体重が37kgまで落ちた結果、健康状態がめちゃくちゃになってしまいました。 私の身長は157cmであるため、BMI指数は15で、標準体重を17kgも下回ることに。もともと痩せ型だったとはいえ、肋骨や腰骨の形が浮き出ていて、頬も痩け、病院で「これ以上痩せたら入院です」と言われるまで痩せ細るのはこれが初めてのことでした。 低体重になると体が思うようにいかないことだらけで、今まで当たり前に過ごしていた日常生活を送ることすら困難になります。実際、体質改善を始めて元の体重に戻るまでのこの1年間は、免疫力が落ちたり疲れやすくなっていたり、常に何かしらの不調に苦しめられていました。 しかし、体質改善の成果もあって食事を多く摂れるようになってからというもの、今までの疲労感や頭の重さが嘘だったかのように体が楽になりました。どうやら私はここ7~8年間も、体が悲鳴を上げていることにずっと気付かずに生きていたようです。 体質によって異なりますが、意図せずに落ちてしまった体重を増やすのは、おそらく容易なことではありません。しかし、自分の体のペースに合わせて少しずつでも取り組みを続ければ、きっと良くなるはずです。
吉川ばんびさん
あくまでいち個人の体験にはなってしまいますが、低体重に悩まされている人にとって、私の経験が「健康的な体」を作るきっかけの一つになれば幸いです。
発端は睡眠トラブル。不眠や悪夢に悩み…
私の場合、体重が落ち始めたきっかけは睡眠に関するトラブルでした。 目を閉じても頭の中がざわざわしたり耳鳴りがしたり、神経が昂ぶっているような感覚でなかなか眠りにつくことができず、ようやく寝付いたと思えば悪夢にうなされ、悲鳴を上げて飛び起きるような毎日。 処方してもらった睡眠導入剤のおかげで入眠は早くなっても、眠りの質を高めることはできず、結局このときは睡眠不足を解消することはできませんでした。 そうした日々が1ヵ月ほど続いて疲弊したせいか、今度は睡眠不足に加えて食欲不振に陥るようになったというわけです。
結論から言うと、私が不調を脱するのにもっとも効果的だったのは「体を温めること」、さらに「毎日少しずつ食べる量を増やすこと」でした。こうやって書くと我ながら馬鹿みたいに思えますが、この二つを徹底したことで、状況は明らかに好転していきました。
湯たんぽ(イメージです)
私が低体重に陥った根本的な原因は生まれつき胃腸が弱く、食べても栄養が吸収されにくいことだと考えられます。そのため「太りたいから」といって急に食事量を増やすのは難しく、いつもより多く食べると決まって腹痛に襲われたり、吐き気をもよおしたりするため思うように食事が摂れないのでした。 「運動すれば自然と食べる量が増える」と考えてランニングをしたこともありました。しかし体重はますます減っていく一方で、医師から「まずは体重を増やすことを優先しましょう」と促されたため、やむなく別の方法を考えることに。 そこで功を奏したのが、体を温めることでした。冷え症でいつも体が冷たい私は普段、ほとんど汗をかくこともなく血流が悪いためか、少し動けば手や足が真っ赤になって痒くなったり、蕁麻疹ができることもありました。 しかし、徹底的に体を温めるようになってからは劇的に代謝が上がり、真冬でも室内にいるとうっすら汗ばんだり、寝ているときに汗をたくさんかくほどに。以前よりも、手や足先が冷えることは少なくなりました。
「温め」を徹底したら、睡眠も食欲も改善へ
実際に「効果があった」と私が感じた具体的な方法は、 ・毎日湯船に浸かる ・就寝時、湯たんぽで足元とお腹まわりをあたためる ・水、白湯を意識して多めに飲むようにする(特に起床後、食後、入浴後など) の3つでした。 水分を多めに摂るのは、血流を良くし、代謝を高めるため。お茶や紅茶、コーヒーには利尿作用があるので、水分補給にはできれば常温の「水」か「白湯」を飲むといいようです。
画像はイメージです
私の場合は、体を温めはじめて1~2週間で食欲が戻り、胃腸の調子も良くなったことで少しずつ食べる量を増やせたように思います。血流が良くなったためか、長らく悩まされていた睡眠の質も大幅に改善されました。
食事量を増やせるようにさえなれば体の調子も回復し、健康的な体質をつくる好循環が期待できます。しかし、低体重に悩んでいる人にとってはそもそも「食事量を増やすこと」が非常に難しいと思いますので、まずは自分にできそうなことから、少しずつ始めてみるといいかもしれません。 例えば、たくさん食べるのが難しいのであれば、タンパク質を補給できるプロテインや、エネルギーをすばやく補給できる「マルトデキストリン」を取り入れるのもおすすめです。私は牛乳にプロテインとマルトデキストリンを混ぜて飲むのを日課にしていますが、安定してカロリーを摂取できますし、お通じが良くなるといった利点もありました。