冬の喝采黒木 亮講談社このアイテムの詳細を見る |
今回は、黒木亮『冬の喝采』を紹介します。著者の陸上ノート(中学から大学まで)から起こした自伝的小説である。著者は本名の金山雅之として出ています。日々どういう練習をして、どういう気持ちで走っていたのかということがわかる。怪我とうまく付き合っている時の心理描写が巧みでリアリティがあるなあと思う。時折でてくる中村監督の話がむちゃくちゃで面白いなあと感じてしまう。最後のエピローグはほろりとさせるものになっている。
感想は622ページあって最初は長いなあという印象があったが、陸上に取り組む姿勢や心理描写がわかり、苦労しながら走っているんだなというのがわかる。読み進めていくにつれて、苦労しながらも納得して走りきってほしいなあと思ってしまう。
金山は、高校一年生までは自己流でタイムを伸ばしてきたのだが、高校二年生から大学一年生までの3年間は怪我との戦いで練習もまともに出来ない状況だった。それから、競技部に入ってからも、怪我と付き合いながらも何とか箱根駅伝に2回出場した。大学3年の時は3区を走ってチーム順位は1位で、区間順位は13位である。大学4年の時は8区を走ってチーム順位は3位で、区間順位は6位である。やっぱり、怪我との戦いなんだろう。
読んでいて思ったのは、瀬古のすごさですね。瀬古は、大学時代福岡国際マラソンに出場した後箱根駅伝に出場していたんですよね。タフやな。残念なのは、日本がモスクワ五輪をボイコットしたことで、ピーク時の瀬古が出場できなかったんですよね。
<参考リンク>
箱根駅伝のドラマを描く自伝的小説「冬の喝采」黒木亮インタビュー
>itchyさんは1976年にお生まれと言うことでしょうか?
→ご推察の通り、1976年生まれです。
>瀬古さんのことをご覧になったときはおいくつだったのでしょうか?
→小学校時代(6歳から12歳)になりますね。ロサンゼルス五輪、ソウル五輪で瀬古さんの現役時代を見た程度です。リアルの瀬古さんを知っているわけではなく、過去の有名な選手であり、解説者の印象です。リアルに感じるのは、同じ早稲田大学の渡辺康幸であり、竹澤健介ですね。本書を読んで、改めて瀬古さんのすごさを感じるわけです。
これからもよろしくお願いします。
改めて色々思い返しました。
itchyさんは1976年にお生まれと言うことでしょうか?
瀬古さんのことをご覧になったときはおいくつだったのでしょうか?
私も全盛期の彼にモスクワで走ってもらいたかった。。。
ただ、私は著者と同年代なので、目線は若干違う部分もあるように感じました。