ラスト・イニング角川グループパブリッシングこのアイテムの詳細を見る |
今回は、あさのあつこ『ラストイニング』を紹介します。瑞垣からの視点であの試合の振り返りと今後のことが書いてあります。瑞垣は冷静に物事を客観視できるみたいだ。その冷静さがあだとなって、物事に夢中になれないような気がしてならない。そういう人物が好きではないな。妹にも指摘されているなあ。
バッテリーⅥで読者の想像に任された、新田東と横手二中のどちらが勝ったのか、門脇は原田の球を打つことができたのかが読んでいけば分かるようになっています。少なくとも門脇は甲子園よりも原田の球に魅せられたと言う感じがする。それは、自分は夢中になっているものがあるのでそれはそれで幸せなのであろう。ただし、関係者に謝ることが必要なのと、世間の避難という見えない敵に立ち向かう必要があったということだ。
人はどうしても他人にレッテルを貼るのかな。そこから脱することも拒むことも決してたやすくない。その本人はそのレッテルの中でうごめき続けるのだろう。他人は他人、自分は自分みたいに、他人のレッテルを気にしないことが必要なのであろう。
人は変わるともいわれる。ある出来事を境にして変わることがある。それは人間の成長というべきものなんだろうか。