クレジットカードの知識 (日経文庫) | |
水上 宏明 | |
日本経済新聞出版社 |
今回は、水上宏明『クレジットカードの知識』を紹介します。クレジットカードを取り巻く状況についてカードを発行する企業側の立場と実際にカードを利用する利用者側の立場の双方に配慮した形で記載されています。利用者としてはクレジットカードのビジネスがどういう風に成り立っているのかとか、今後の動向といったこととかがわかりやすく紹介してあります。ちなみに、クレジットカードのお得な使い方について記載してある本ではないという点は付け加えておきます。
クレジットカード会社の収益は年会費やショッピングの金利、キャッシングの金利、加盟店手数料の4つになります。その中でキャッシングの金利に大きく依存しています。改正貸金業法によりグレーゾーン金利が撤廃されることにより、貸出金利が下がるわけですから、収益が下がることが予想されます。
クレジットカードを持つ意義としては、インターネットショッピングがやりやすくなるということや、手持ちの現金がなくてもカードを提示することで決済することができること、ID(身分証明書)としての役割があるということがあります。クレジットカードを持っていないということによって困ることも場合によってはあるでしょう。
クレジットカードは国民が最低でも1枚は所有するものになっています。その中でメインで利用されるのは利用者にとっても使い勝手のいいものだけが選ばれることになります。
<目次>
[Ⅰ]クレジットカードとは何か
1.決済手段としてのクレジットカード
2.クレジットカードへの期待
[Ⅱ]クレジットカードに関する規制
1.複数当事者による契約関係
2.割賦販売法
3.貸金業法
4.個人情報保護法
[Ⅲ]市場におけるクレジットカード
1.拡大する市場規模
2.クレジットカードの収益構造
3.規制改革と今後の開拓分野ー公金分野の取り扱い
[Ⅳ]金融再編とクレジットカード
1.押し寄せる業態融合の波
2.キャッシュレス化の主役はどこに
[Ⅴ]求められる新しいビジネスモデル
1.日本のマーケットにおけるカードビジネス
2.これまでのビジネスモデル
3.これからのビジネスモデル
4.求められる統一消費者信用法の制定