日本のイスラーム (Islam in Japan)

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日めくりハディース 第1日目 (Everyday Hadeeth - 1)

2010年12月23日 | ラスールッラー(アッラーの御使い)に学ぶ

قال الإمام النووي رحمه الله تعالى في كتابه "التبيان في آداب حملة القرآن" ما نصه: 1- وروينا عن عثمان بن عفان رضي الله عنه قال: قال رسول الله صلى الله عليه وسلم: ((خَيْرُكُمْ مَنْ تَعَلَّمَ القُرْآنَ وَعَلَّمَهُ)) رواه أبو عبد الله محمد بن إسماعيل بن إبراهيم البخاري في صحيحه الذي هو أصح الكتب بعد القرآن.

ウスマーン・ブン・アッファーンさま(アッラーのご満悦あれ)によると、曰く、アッラーの御使い(アッラーの祝福と平安あれ)はこう言われたという。

『皆さん方のうち最も素晴らしいのは、クルアーンを学び、そしてそれを教える人です。』(アルブハーリーの伝承)

 

【訳者のつぶやき】

ハイルクム マン タアッラマ・ル・クルアーナ ワ アッラマフ。

Khayrkum Man Ta’allama-l-Qur`aana wa ‘Allamahu.

とても口ずさみやすく、覚えやすいハディースの一つです。

ここには、ムスリムとして大切な基本姿勢が示唆されていると思われます。

アッラーとの絆を得て、それを保ち、それを太く強固なものとしていくために欠かせない、「クルアーン」への無条件の愛と誇りを育てることの大切さを教えてくれるからです。

私たち日本で生まれ育ち、日本語を母語とする人間には、アラビア語のクルアーンは難解で、発音すらまともにできません。

最初の一句たるバスマラ(慈愛あまねく慈悲深きアッラーの御名において、を意味するビスミッラーヒッラフマーニッラヒーム)ですら、日本語にはそもそもない音が四つ(濁らないLも加えるなら五つ)もあります。

比較的勤勉かつ美意識の高い日本育ちの人間にとっては、「上手にできないなら、やめてしまえ」という気持ちになりやすいからか、少なくない日本人ムスリムがクルアーン読誦の研鑽を積むことに消極的です。

より正確に言えば、一口に日本人ムスリムといってもそのうちの多くの女性は積極的かつ前向きにクルアーン読誦のお稽古に励むのですが、私の知る限り男性ではそうした人は数えるほどしかいない。

なぜだろうと素朴に思います。言ってみれば、クルアーンはアッラーからのラブレター。

ラブレターに語弊があれば、「特別な手紙」です。

日常的に私たちは少しでも好意を寄せる人から手紙(e-mailでも結構)が届けば嬉しくなります。読まずに無視することはありません。ならばほかの誰でもない、至高のアッラーからのメッセージを前に、関心を払わずにいられるでしょうか…。

今後の日本のイスラームに幸あれとアッラーの祝福とお導きを願うなら、「次の人たち」たる子どもたちや若い後進にクルアーン大好き人間になってもらわねば成功は望み薄です。

そしてそのためには、大人である私たちが、「今の人たち」がクルアーン大好きにならねば始まりません。

主よ、どうか私たちの心にクルアーンへの愛と関心を日々新たに芽生えさせ、大樹のように不動のものとしてください!

 

※「日めくりハディース」と題してはありますが、これはビイズニッラー、将来的な目標で、今後の進捗はよくて週一、場合によっては月一となることをあらかじめお断りしておきます。どうぞ辛抱強くお付き合いください。皆さんにアッラーの祝福がありますように。

 

 

Imam An-Nawawiy quotes in his book called “Attibyaan fee Aadaabi Hamalati-l-Qur`aan” as follows; We narrate on the authority of ‘Uthmaan bun ‘Affaan (May Allah be pleased with him) said, the Messenger of Allah (Peace and Blessings of Allah be upon him) said, “The best among you is who learn the Qur`an and teaches it”. Reported by Abu ‘Abdullah Muhammad bun Ismaa’eel bun Ibraaheem Al-Bukhaariy in his “Saheeh” which is the most accurate book after the Qur`an.

 

((Notes of a Translator)) Alhamdu lillaah, this is one of the easiest Hadeeth for us to remember and I see the Hadeeth teaches us very important basic attitude for Muslims.

Because it teaches us the importance of “Unconditional Love and Pride in Qur`an” which is necessary thing for us to have a bond with Allah, maintain it, and strengthen it.

To people like me, who was born in Japan and having Japanese language as his/her mother tongue, the Arabic Qur`an is VERY DIFFICULT and we cannot even pronounce its letters correctly. Even with the First phrase of “Basmalah”, we find 4 or 5 letters which doesn’t exist in Japanese language.

For this reason, comparatively hard working Japanese with their quite high sense of “self dignity and beauty for perfection”, they may treat the things with such attitude as “if you can’t do it well, give it up”, quite many Japanese Muslims are indifferent to train their skill of reciting Qur`an.

To say it more accurately, a lot of sisters are very positive and willing to learn the Qur`an but only small numbers of brothers are so (at least, as far as I know). I simply wonder why…

If we were to exemplify the Qur`an to something familiar to us, “the Qur`an is like love-letter from Allah” or at least, “the Qur`an is like special letter from Allah”.

In our daily life, we become happy and find much joy in receiving a letter or e-mail from anyone whom we like. We don’t leave it unread and ignore it.

Then, a letter in front us, from no one but Almighty Allah, how could we indifferent to it!?

If we were to hope and pray the bright future of the Islam in Japan, then we must let “Next people” children and new young Muslims really be fond of the Qur`an and love the Qur`an, and it order to achieve that, we adult Muslims and “people of Now” have to be fond of the Qur`an and love the Qur`an. Oh our Lord, please grant us the love and enough concern for the Qur`an in our heart, and please make it grow like huge unshakable true. Aameen.

 

※ The title “Everyday Hadeeth” is actually for a future goal, In shaa Allah. I can only update some new ones once a week or depends on the situations once a month, In shaa Allah. So, please bare with me, thank you. May Allah bless you all!

 

 


お母さんに尽くせ!~イマーム・アルブハーリーの「アダブ・ムフラド」より

2010年05月18日 | ラスールッラー(アッラーの御使い)に学ぶ
アッサラーム アライクム。

皆さんに平安あれ。

イマーム・アルブハーリーの「アダブ・ムフラド」より、第3の伝承をご紹介いたします。

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アブー・アースィムが我々に語った。
バハズ・ブン・ハキームからその父、そしてその祖父から伝え聞いたこととしてである。

曰く、「私は言った。「アッラーの御使いよ、私は誰に孝行すべきでしょうか。」
するとこう言われたのである。
『あなたのお母さんです。』
私は言った。「誰に孝行すべきでしょうか。」
かの人は言われた。
『あなたのお母さんです。』
私は言った。「誰に孝行すべきでしょうか。」
かの人は言われた。
『あなたのお母さんです。』
私は言った。「誰に孝行すべきでしょうか。」
かの人は言われた。
『あなたのお父さんです。それからそれに近しい人から近しい人へ(と順にするとよいでしょう)。』

注-これはイマーム・アブー・ダーウード(5139)とイマーム・アッティルミズィー(1897)も伝えている伝承です。

حدثنا أبو عاصم عن بهز بن حكيم عن أبيه عن جده
قلت: يا رسول الله، من أبرّ؟
قال: أمّك
قلت: من أبرّ؟
قال: أمّك
قلت: من أبرّ؟
قال: أمّك
قلت: من أبرّ؟
قال: أباك. ثم الأقرب فالأقرب



【訳者のつぶやき】
かの有名なお母さんへの孝行が3回強調されて4度目にお父さんという伝承ですね。

いや、本当に家内のがんばりを見ていても、「お母さんはエライ」と思います。
私の母も真夜中に起きて早朝までの新聞配達から昼間のパートに家事・育児とずーっとがんばってきてくれた人です。
私が高校時代にメルボルンへ交換留学生として留学できたのも母の後押しがあったからで、大阪外大に行けたのも母の応援と仕送りがあったからです。
(父も糖尿で失明して早期退職するまでは30年の長きにわたりがんばって働いてくれましたが、その稼ぎの多くは生活費と自宅のローン返済に宛がわれていました)

つまり、私がムスリムとの出会いを得てイスラームに導かれ、
イスラーム命で微力ながら活動ができているのも、
まずはもちろんアッラーのおかげですが、
そのアッラーが私の母をきっかけとしてくださったと言っても過言ではないくらいです。

それでも上手に母をイスラームへといざなえない私・・・
泣いて祈るしかありません・・・
主よ、どうか私の母を、そしてムスリム兄妹姉妹たちの母親をイスラームへとお導きください!


主の喜びと怒りは親とともに~イマーム・アルブハーリーの「アダブ・ムフラド」より

2010年05月18日 | ラスールッラー(アッラーの御使い)に学ぶ
アッサラーム アライクム。

皆さんに平安あれ。

イマーム・アルブハーリーが案内してくれる「ムスリムの礼儀」…第2の伝承をご紹介します。

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عن عبد الله بن عمر رضي الله عنه قال
((رضا الرب في رضا الوالد وسخط الرب في سخط الوالد)).

2-アブドッラー・ブン・ウマル(アッラーのご満悦あれ)によると、曰く、
「主のご満悦は親の満足にあり、主のお怒りは親の怒りにある。」とのことである。


【訳者のつぶやき】
これはハディース・マウクーフ(停止伝承)と呼ばれるもので、サハービーの言葉として伝えられるものです。
つまり伝承が預言者ムハンマドさま(アッラーの祝福と平安あれ)まで至らずにサハービーで止められたというもの。
とはいえ基本的にサハーバと呼ばれる預言者ムハンマドさま(アッラーの祝福と平安あれ)の直弟子たちは自分勝手なことを後世に伝えたりはしないため、
大抵は預言者ムハンマドさま(アッラーの祝福と平安あれ)に教わったことを語っておられるのが実情と言われます。
無論、誠実かつ真摯であろうとするのがムスリムのモットーですから、
預言者ムハンマドさま(アッラーの祝福と平安あれ)のお言葉でないものを「お言葉だ」とは言わず、
サハービーの言葉として伝えられているというわけです。

なお、「親」と訳した原文は親は親でも「父親」です。
親孝行の対象としては、母親が3回強調されてその次に父親と言われていますが、
「そなたとそなたの財産はそなたの父親のもの(أنت ومالك لأبيك)」という預言者ムハンマドさま(アッラーの祝福と平安あれ)のお言葉もあるくらい、
父親だって大切にすべきなんです。
一人の父親として、子どもたちにそれは忘れてもらいたくないですね(笑)
ならばまずは己が父親も大事にしろ、ということに尽きるのでしょうが(苦笑)

アッラーよ、どうか私たちそれぞれの父と母をイスラームへとお導きください。
すでにあなた様の御許へ帰っていった父や母については、
私たちムスリムが至らないばかりに正しいイスラームを伝え切れませんでした。
だからどうかあなた様のお慈悲によってお赦しください。そして冥福をお恵みください…。

アッラーのご加護と祝福を。
アブー・ハキーム

親孝行の大切さ~イマーム・アルブハーリーの「アダブ・ムフラド」より

2010年05月10日 | ラスールッラー(アッラーの御使い)に学ぶ
アッサラーム アライクム。
皆さんに平安あれ。

イスラーム史上数あるハディース学者の中でも右に出る者なしとされる最高のハディース学者イマーム・アルブハーリーの著作に、
「アルアダブ・アルムフラド」という「アダブ(礼儀)」に特化したハディース集があります。

アダブ、礼儀・・・至高のアッラーは最後の預言者たるムハンマドさま(アッラーの祝福と平安あれ)の布教活動において、
マッカ時代の13年間を信仰の養育とこのアダブの教育に集中されました。

イマーム・アルブハーリーが案内してくれる「ムスリムの礼儀」…よろしければぜひ私とお付き合いください。

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慈愛あまねく慈悲深きアッラーの御名において

1-『われらは人間に両親への孝行を忠告した。』という御言葉の章

1-教友アブドッラー・ブン・マスウード(アッラーのご満悦あれ)によると、
曰く、「私は預言者さま(アッラーの祝福と平安あれ)に尋ねました。
「至高のアッラーにとってもっとも好ましい行いは何ですか?」
かの人は言われました。
『時間通りの礼拝です。』
私は言いました。「それから何でしょうか?」
かの人は言われました。
『それから親孝行です。』
私は言いました。「それから何でしょうか?」
かの人は言われました。
『それからアッラーの道におけるジハード(最善を尽くしての努力)です。』」
曰く、「かの人は私にこれらをお話しくださいました。もし私がさらにお尋ねしていたら、もっとお話しくださったでしょう。」

イマーム・アルブハーリー(No.527)とイマーム・ムスリム(No.85)の伝承。


以下はご参考まで、本伝承の伝承経路を明らかにするサナドです。
イマーム・アルブハーリー曰く、
「アンニヤーズィキーとして知られるアブー・ナスル・アハマド・ブン・ムハンマド・アルハサン・ブン・ハーミド・ブン・ハールーン・ブン・アブドゥルジャッバール・アルブハーリーに私は伝承を読み上げ彼に承認していただいたこととして私は彼に聞きました。(ヒジュラ暦)370年のサファル月に巡礼者としてやってこられた際のこと。
師曰く、アブルハイリ・アハマド・ブン・ムハンマド・ブン・アルジャリール・ブン・ハーリド・ブン・ハリース・アルブハーリー・アルカルマーニー・アルアブカスィー・アルバッザールから302年に聞きました。
師曰く、アブー・アブドッラー・ムハンマド・ブン・イスマーイール・ブン・イブラーヒーム・ブン・アルムギーラ・ブン・アルアハナフ・アルジュウフィー・アルブハーリー曰く、アブルワリード曰く、シュウバ曰く、アルワリード・ブン・アルアイザールが私に語ってくださったには、
アブー・アムル・アッシャイバーニーが「この家の主人が私に話してくれました」と言いながらアブドッラー(ブン・マスウード)の家を指差すのを聞きました。
(サハービー)曰く、「私は預言者さま(アッラーの祝福と平安あれ)に尋ねました。「至高のアッラーにとってもっとも好ましい行いは何ですか?」…以降ハディース本文。


では、皆さんにアッラーのご加護と祝福を。
アブー・ハキーム