2016年2月2日(火)
大阪での二日間。
玉造の駅を降りたら、道路が目の前の道路が大阪国際女子マラソンの走路と化している。福士さんらはとうに通り過ぎ、今走っているランナーたちはみな気の毒なぐらい足が重そうだ。それでもずいぶん速いのだろう。
1月31日(日)は信徒含めオープン、2月1日(月)は教職限定クローズドの会、前者は30人ほど、後者は10人ほどが集まり、活発な交流があった。僕は一日目、例によってポイントを絞り損ね、ひどく迷走右往左往した。それでも「モヤモヤしていたものが整理された」と言ってくれた人々があって、救われる思い。いつだって中心は場の力であり、講師は木偶人形みたいなものである。木偶なら木偶らしく、よく踊ることが役目なのだ。
一日目終了後、鶴橋駅前の韓国料理店で慰労会をしてくださった。3~4年前に訳あって韓国からやってきた御夫婦が営む店だが、鶴橋界隈ではさぞ競争が激しいことだろう。申先生がおかみさんとやりとりしているのを聞いて、何となく学べば学べるような気がしてくる。「ヨドルミョン」という言葉が行き来している。え~っとヨドルは・・・8、そうか「8名」か。こちらに住む長男まで招いてくださり、総勢たしかに8人だ。
88年のソウル五輪は「88(パルパル)」と呼ばれた。日本語に「はち」と「やっつ」があるごとく、韓国朝鮮語には「パル」と「ヨドル」がある。世界に数多い言語の中で、双子のようによく似た二つの言葉、さらに琉球語・アイヌ語からツングース語・モンゴル語・トルコ語と並べて比べたら、さぞ楽しいことだろう。
二日目の様子を、申先生が facebook に載せていらっしゃる。申英子で検索すると出てくる。もったいないお言葉でまとめてくださった。先生、肩をお大事に。
帰りの新幹線、3人掛けの席の窓際を占めたところへ、名古屋から男性二人連れが乗ってきた。「隣、座ってかまいませんか?」と今どき経験しないほど丁寧に挨拶のうえ、聞こえる会話が珍しくも農業のことである。大豆の収穫のこと、苗を変えた方が良いか、むしろ耕作方法の問題か、どこそこの誰それのやり方が賢いが、簡単に真似できない事情がある等々、仕事に夢中の様子が伝わって気持ちが温かくなる。折しも車内の掲示ボードに流れる新聞ニュースが、2015年度の農産物・食品類の輸出好況を報じている。カラクリがわからないので単純に喜んで良いのかどうか知らないが、「農」の興隆は文句なく望ましい。
新横浜で降り際に、「農業をやってらっしゃるんですね」と言ったら、30そこそこの若い人と50がらみの壮年の人と、いずれも日に焼けた相好を嬉しそうに崩した。「私も愛媛の百姓の家系です。どうぞ頑張って」「ありがとうございます。またどこかで会いましょう」と、見知らぬ人からこんなに歯切れ良い挨拶をもらうのは珍しい。
横浜線のホームでメールを確認したら、また別の講演依頼が入っている。これは昨年の「傾聴」に関する件だ。別のテーマのようで、ぐるっと回ってやっぱり「魂の健康」の問題に落ちてくる。
井上隆晶先生が「心」と「魂」と、それから「霊」の関係について整理したものを送ってくださる手はずである。そこがすっきりすると、話の見通しが一段とよくなる。今週末の我孫子での話に、さっそく使ってみよう。