京都市の東、一乗寺の住宅街の中に金福寺はあります。
ここは、松尾芭蕉と与謝蕪村にゆかりの寺として有名です。
江戸の前期にこの地を訪れた芭蕉は当時の住職鉄舟和尚と風雅について語らい、親交を深めたそうです。
和尚は、当時無名だったその草庵を『芭蕉案』と名付けて芭蕉を偲んだそうです。
85年後、その地をもう一人の俳人が訪れます。
与謝蕪村です。
その頃にはすでに芭蕉庵は荒廃はしていましたが、近隣の住民たちからは芭蕉庵と呼び親しまれておりました。
芭蕉を敬慕していた蕪村は芭蕉案の荒廃を大変惜しみ、今から約90年前に現存する芭蕉庵を再興したのです。
この地で2人の俳人は多くの句を残しています。
また、庭の奥の山を登った中腹には蕪村のお墓もあります。
この日は少し雨が降ったため、苔むした庭の緑が鮮やかに光りきれいでした。
これからの紅葉の時期もおすすめです。
芭蕉と蕪村が歌にした静かで小さなお寺を訪れに、ぜひぜひ京都へおこしやす!
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