ヒジュラ暦1426年ジュマーダー・ル・ウーラー(5月)9日 ヤウム・ル・ハミースィー(木曜日) |
私の期待を最も上回ったのが、カザフスタンだった。
「カザフスタン」と言われても、なんとなくイスラム国という印象が弱いかもしれない。しかし国民の半数以上がムスリムである。
愛知万博では中央アジア共同館で、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタンと共に参加していた。
しかし、内容的には単独でも十分いけるのではないか? 自国の歴史の深さや文化、科学技術をアピールするという意味では、万国博覧会という趣旨に沿った内容だったと思う。
単独で参加していながら、カザフスタンより内容が薄い国はたくさんあったし。
まず1階部分には、移動式住居ユルタが設置してある。もちろん本物。中には民族衣装を着た蝋人形が3体あり、遊牧生活の雰囲気を再現している。
このテントの周囲にも、遊牧民式のイスだとかいろいろ置いてあり、なかなか芸が細かい。子供たちの興味をがっちり引いている。
2階には、カザフスタンの遺跡から発見された出土品が展示してある。どうやら本物のようだ。博物館から持ってきたのかな?
黄金の鎧だとか、水牛の角で作った弓だとか、金銀のアクセサリーだとか、大変に充実している。
世界史の授業などでは思い切り無視されがちな地域だが、これらの展示を見ると、カザフスタンの歴史の深さがうかがえる。
2階真ん中には、布製の地球儀だかテーブルだかわからないものが置いてあり、中心はもちろんカザフスタンである。
そのまわりに布製のイスがいくつか置いてあって、疲れた人々が地球儀を見ながらくつろいでいた。
奥の方には、宇宙飛行士の蝋人形と、宇宙開発関係の展示。カザフスタンと言えば、ソ連時代からバイコヌール宇宙基地で有名だ。やはり宇宙はアピールしておきたいところだろう。
その横にはイスラム学者の蝋人形が立ち、後ろの棚にイスラム関係の展示。イスラム国であることも抜かりなくアピールしている。
それにしても蝋人形が好きなんだなあ。
実際に訪れた旅行者の間でもイマイチ評判がよくないカザフスタンだが、「やりようによっては観光立国になれるのではないか?」と期待させるパビリオンであった。
移動式住居ユルタ。みんな興味津々。 | マイペースなポーズの蝋人形たち |
水牛の角でできた弓。引くの大変そう。 | 東洋人にもメキシコ人にも見える宇宙飛行士 |