自己満足的電脳空間

完全自己満足主義。テーマはない。自分の趣味・関心事を偏った嗜好と思考でダラダラと書き綴る自分のための忘備録。

不屈の男・知念広弥

2018-07-18 00:05:00 | 野球、その他スポーツの話
3月13日、CPBL(台湾プロ野球)でリーグ優勝13回を誇る名門チーム・統一ライオンズは入団テストを受けていた知念広弥投手との契約を発表。CPBLでは14年にLamigoに所属した正田樹投手(現愛媛)、統一では12年の鎌田祐哉氏(元東京ヤクルト・東北楽天)以来となる日本人選手が誕生した。
 

28歳左腕の知念投手は沖縄の出身。プロを夢見て野球を続けてきた。地元を離れ岡山の高校に進んだのもプロに近づくため。高3の時、スランプに陥り自慢の速球が走らなくなる。それでもプロを目指し、大学でも野球を続けた。その後、持ち直して社会人野球・九州三菱自動車に進むもドラフトの指名はかからず。ならばと25歳で会社を辞めてプロテストを受けるも結果は不合格。25歳といえば大卒でも社会人3年目。さすがに多くの人が夢を追うのを諦める年齢だろう。しかし彼は諦めない。BCリーグ新潟アルビレックスBCに入団。育成ドラフトの誘いを待ち続ける。昨年は主に中継ぎとして18試合に登板し2勝2敗、防御率4.35の成績を残した。


これまでNPB入りを目指して大学や社会人、独立リーグと多くの舞台で投げてきたもののその夢は叶わず。さらに独立BCリーグは今年から年齢制限を導入。その決定も手伝って、知念投手は新潟を退団。昨シーズン最後に引退を表明。が…

一度は引退した左腕だったが、野球への情熱は尽きていなかったのだ。今年の3月に第4の外国人を探していた統一のテストを受験。28歳と若くない再スタート。しかも支えるべき相手もいる。「結婚までしてなぜ?」誰もがそう問いたくなるタイミングだった。

そのテストには自費で参加し、ブルペン投球や試合を通じて首脳陣にアピール。元々は150キロの直球とツーシームやスライダー、フォークなど多彩な変化球を武器にどこでもこなせる万能選手なだけにテスト中の評価も高かった。 

実戦テストではKBO・ファソン・ヒーローズ(ネクソン2軍)と8月のアジア大会に出場する台湾代表トレーニングチームとの試合で中継ぎとして登板し、それぞれ2回1失点と好投。この結果が評価され正式入団となった。期待の表れとして背番号14が付与された。


CPBLでは一軍の外国人枠は三人という壁がある。そして今、その三人はMLB経験のある投手が占めている(統一を含めCPBL在籍外国人選選手一覧はこちら)。知念投手の序列は4番目。そのため、今シーズンはまだ一軍昇格はない。誰かが調子を落とさなければ代わりに上がることはできない。外国人の契約は5月までの3ヶ月。その後はひと月ごとに更新を判断される。そのため一軍の外国人選手に二軍降格はまずない。調子が悪ければ即、解雇になるだけである。

そして、運命の6月末…結果は契約更新。晴れて契約更新を勝ち取った知念投手は新婚間もなくして別居を余儀なくされた妻を台湾に3週間呼び寄せた。

足掛け9年、同じ夢を追ってきた。その夢が追える時間がそう長くはない。だからこそプロ野球選手として共に過ごせる時間はかけがえのないものだろう。二人の歩みはまだまだ続く…。夢が二人を笑顔にしてくれる。





うぉ~、知念さん、アンタ、メチャクチャカッコいいよぉ~!



夢を諦め現実を直視すること、夢を諦めず追い続けること、どちらが正解ということはない。ただ、どちらかは選択しなければならない。オレは知念投手と同時期の28歳で前者を選択、知念投手は後者を選択した。

オレは…自分の意志で選択したので後悔はしていない。でも、心残りはないと言ったらウソになる。だからこそ、自分の信念を曲げず突き進む知念さんが羨ましくもあり、かっこよく見えて、敬意すら感じる。

厳しい挑戦であることは重々承知されているであろうが、ご自身が、そして彼を支えてくれる奥様が納得できるような道を進んで欲しい!間違いなく、彼は今、最もカッコいいプロ野球選手の一人である!


プロ入りを諦めない男、台湾での異国奮闘記


追記:遂に8月22日、1軍デビュー!おめでとう、知念投手!!!


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