自転車は楽しい

（彼岸花とたわわに実った稲）

「練習」という概念をとっぱらって自転車に乗ると
自転車はこんなに楽しいんだ！、と今更ながら感じる。

心拍がいくつだの
速度が何キロだの
ギアがいくつだの

という拘束がないから「自由」に乗れる。
ルートだってその日の気分であちこち走れる。
自転車に乗って吹かれる風がこんなに心地いいのか、と初めて感じた気がする。
だから、今は会社が終わって帰ってくるのがとても楽しみだ。
ほんの10分しか時間がなくてもチョロリと乗りに行く。

「レースレースレースレース」
「強くなりたい強くなりたい」

そんなことばかり考えて自転車に乗っていた。

しんどくても
気分が乗らなくても

「怠けるな！！」

と自分に言い聞かせてワシワシこいでいた。
それで確かにそれなりに走れるようにはなった。

でも・・・
そんな日々を振り返ってみると
苦しいことしか残っていないような気がする。
しょせん、ホビーレースなのに何をそんなに力んでいたのか？
結果ばかりを追い求めて「楽しむ」ことをどこかへ置き忘れてきていた。
肝心なのは「結果」よりも「楽しむ」ことなんじゃないの？

メニエルにかかって練習ができなくなったけど
おかげで、置き忘れてきた「楽しむ」を取り戻すことができた。

スタート前の逃げ出したいような緊張感やレース中のスリリングな展開は
日常では味わえない快感を感じる。
こればかりは出た人でないと分からない感覚だ。
元気になったら、またあの空気の中に戻りたい。

でももう少し肩の力を抜いて
「楽しく」レースに出ようかな、と思うこの頃である。