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「『大連立協議』という恐ろしさ」(いけふくろう通信第455号)

2007-11-03 20:49:57 | 政治・経済・法律・社会
連休前の昨日、永田町ではとんでもなく恐ろしいことが実現しそうになっていた。

それは、毎日新聞の記事によれば、福田康夫首相(自民党総裁)が2日、
民主党の小沢一郎代表に連立政権樹立のための協議を打診したということだ。

もし、これが実現していたら、衆参ともに自公民による大連立政権、
いや大政翼賛政権が樹立していたのだ。

考えるだけでも恐ろしいが、当の小沢代表は、あろうことか即答を避け、
協議内容を持ち帰ってしまったのである。

もちろん、民主党役員会では「反対論が噴出し、民主党は即日、
協議に応じない方針を決め、回答した」とのこと、当然の結果であろう。

ただ、その反対の多くが、実現すれば、大政翼賛政権樹立になりかねず、
政治の危機的状況であるから危ないと判断したものによるのかは、はっきりしない。

結局、「大連立」は実現せず。

参議院の与野党逆転という「『ねじれ国会』の下で政策執行がままならない
行き詰まりを打開する必要に迫られた首相側」の想いは、実現しなかった。

しかし、この議論に「前のめりに協議に乗りかけた小沢代表」は、
いったい何を考えていたのだろうか。

毎日新聞によれば、今回の協議が実現しなかった理由を
「仮に『大連立』が実現すれば、事実上の『大政翼賛会』状態となり、
与党側にも民主党にも反発や警戒感が強まっていた」を挙げている。


しかし、当の本人・福田首相は、今回の協議を
「連立というか、まあ新体制ですね。政策実現のための新体制」
とまったく政治的な危機感を感じてはいない。

「今回の大連立協議の仕掛け人」の一人とされる中曽根康弘元首相は
テレビ番組の収録で「小沢氏は大連立に思い切って踏み切るべきだ。
国の方向付けを首相と小沢氏の2人がやらないと責任は果たせない」
と述べたそうだが、実現した場合に起きる危険性については、
全く頭になかったのだろうか。

そのほかにも、「読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長兼主筆も強く後押しした」
らしいが、マスコミの機能低下もここまできたかとがっかりするとともに、
早期の会長兼主筆の辞任を求めたい。

一方、まともな政治家もかなりいた。
「山崎拓前副総裁、谷垣禎一政調会長、津島雄二元厚相らほとんどが
連立に批判的な姿勢を示した」そうである。

しかし、少しでも大連立、いや大政翼賛政権を目論む政治家が
いるようでは、この国も危ない。
国民は選挙を通じて、一刻も早くそういった政治家を見つけ、
政界から引退させなければならない。

<ニュースソース 11月3日付・ 毎日新聞朝刊より>

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~ムッシュ・いけふくろう~