昨日は近鉄の企画する首題の
イベントに参加。
この企画は数年前から実施されていて、毎週末、近鉄沿線の酒蔵を訪ねるというものらしいです。
酒蔵を訪ねるだけだとすぐに終わってしまうので、酒蔵を最終目的地にしてその周辺を2時間から2時間半ぐらいで歩けるよう地元の名所もルートに組み込み、適度な運動になるように作られています。
私がこの企画に参加するのは初めて。参加費無料で予約要らずのようですが、どういうシステムなのか? どれぐらい参加者が集まるのか? 服装はどの程度のものがいいのか? 疑問は色々ありましたが、とりあえず参加することに。
10時から11時に近鉄湯の山線の桜駅集合となっていて(このあたりアバウトなのも少し疑問でしたが)私は10時に現地に到着できるよう、磯山駅8時48分発の名古屋行き普通電車で四日市へ。電車に乗るとデイパックを持ち、ごついシューズを履いた出で立ちの人が何人もいて、「同じ目的なのかな?」と思いつつ。
四日市駅で湯の山線に乗り換えましたが、ここでは上記のような出で立ちの方ばかりが電車に乗り込んできて、車内はほぼ貸し切り状態。これは相当な人数が参加しそうです。また、バラバラに乗りながらも顔見知りがいるようで、このイベントで顔見知りになったのかなぁ?と思いながら電車に乗っていました。
予想通り、桜駅ではほとんどの乗客が降り、すごい混雑ぶり。数百人規模でいる模様。いつもこんなに参加しているのでしょうか? ちなみに参加者のほとんどは60歳以上の方々。私なんぞは最年少の部類でしたが、家族3世代で来ているグループは小学生が一人、それとOL3人組も発見。男女比はほぼ半々でしょうか。
駅を出たところでは、駅員さんが今日の『みてある記』のマップを配布。マップには抽選券が貼ってありました。マップの隅に抽選券を印刷してしまえば手間がかからないのでしょうが、この手間が気分をちょっと盛り上げてくれます。
さて、マップをもらったら、みな勝手に歩き出します。すでに前方は何十人も歩いているので、あとをついていけばいいだけ。何も考える必要はありません(笑)。マップを見てどちらへ行くべきか考えながら歩きたい場合は、先頭を歩かねばなりません。マップには迷いそうなポイントに注釈をつけているのですが、私には必要ありませんでした。
これは歩き出してすぐの「西勝寺」。ルートにお寺はいくつもあり、それぞれでお参りする人がいました。
これは「智積養水(名水百選)」。錦鯉が泳いでいました。
しばらくして「一生吹山」の山道へ。落ち葉の山道を歩くのは久しぶり。
急勾配の道も。結構汗ばんできました。ナメてかかると大変かも。
山頂には毘沙門天が祀られていました。ここで休憩を取る人多し。でもこのイベントはタイムや着順を競うものではないので、みんな好きずきに休んだり、雑談をしながら歩いたりしています。
下り道では茶畑が。このあたりは茶が特産品です。
さらに下ると、「鹿化川」という小川沿いに「千本桜」が延々と立ち並びます。時期が悪いのでただの木立にしか見えませんが、春ともなれば美しい景色が見られるのでしょう。
途中の公園でモグラの穴を発見。このような体験も久しぶりです。
田んぼの真ん中に「伊勢三郎首塚」がありました。邪魔でもさすがに撤去はできませんよね。ドライな都会では考えられない風情を感じます。
ようやく最終目的地「三重の寒梅」が見えてきました。
敷地内はいきなり大行列。
抽選のための大行列でした。特等は金のひょうたん酒?
お酒の試飲。こちらはほんのちょびっとだけいただけます。『超辛口 三重の寒梅 純米吟醸』をいただきました。3年間かけてようやくできたと振る舞ってくれたおじさんが言っていました。
有料のほうは1杯200円でコップ一杯なみなみとついでくれます。銘柄は『樋の口』。なかなかさっぱりとしていて美味しかったです。
甘酒は無料。かなり甘い甘酒でした。
この丸彦酒造では『三重の寒梅』が主力商品で、そのほかに『超辛口 三重の寒梅 純米吟醸』、にごり酒『ゆき』、清酒『樋の口』がラインナップされています。
私は工場内を見学できるのかと思っていたのですが、それはできないようで残念でした。
皆さん、かなりこの酒造でのんびりされているようで、中には弁当を広げているグループもいました。
私は父へのお土産に酒を2本買って、伊勢川島駅へ。マップには帰りの電車の時刻表も掲載されており、至れり尽くせりだったのですが、酒造から駅までかかる時間がわからず、12:12の電車にタッチの差で乗り遅れ、次の12:33まで待つハメに。
私が買ったお酒は『超辛口 三重の寒梅 純米吟醸(900円)』と『樋の口(1,000円)』の2本です。
この『酒蔵みてある記』、なかなか興味深いイベントだと思いました。
近鉄にとっては
●イベントに飲酒が含まれるため、クルマでの参加を断れる。
●土日の昼間の時間帯なので通勤客に迷惑をかけない。
●切符代の収入がある(私の場合は往復1,000円ですが、名古屋から来ている参加者も)
●マップを配る以外の運営スタッフが不要。
酒蔵にとっては
●今まで知らなかった客が飲んでくれるのでよいPRになる。
●ユーザーに直販できるので仲卸に売るよりも利益率が高い。
参加者にとっては
●電車代だけで半日楽しめる。
●試飲、抽選などのイベントに参加できる。
●2時間歩くので健康に良い。
●各地の知られざる名所を楽しめる。
●今まで知らなかった酒を楽しめる。
など、いずれにとってもメリットがあり、数年間続いているのもうなずけます。
強いて言えば、1,000人規模の人が突然押し寄せるため、ルートの近所の人たちはびっくりするでしょうね。
この企画は三重県だけでなく、近鉄沿線の各地で催されており、また別の機会に参加したいと思います。