白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

五藤眞奈-羽根彩夏

2020年04月03日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
本因坊戦リーグ最終戦は、挑戦の可能性があった芝野虎丸名人(20)、許家元八段(22)、一力遼八段(22)が全員勝ちました。
結果、芝野名人と許八段のプレーオフで挑戦者が決まることになりました。
本因坊文裕(30)に挑戦するのはどちらでしょうか?



皆様こんばんは。
本日はディスカバリー杯予選の五藤眞奈初段(18)-羽根彩夏初段(17)戦をご紹介します。

1図(実戦)
五藤初段の黒番です。
黒1に対して白2、4と受けましたが、普通なら石の強弱を意識して白AかBではないでしょうか。
実戦は戦いで不利になりますが、まず地合でリードしようとしましたね。
羽根初段は、直樹碁聖の碁をあまり勉強していないという話ですが・・・。
それでも似てしまうのは、血筋というものでしょうか。



2図(実戦)
五藤初段の黒△にも、強烈な個性を感じました。
白Aと白Bを両方防いだ意味ですが、この手を思い付く棋士はほとんどいないでしょうね。
石の形より目的重視という、実戦派の思想が表れた一手です。



3図(実戦)
白1と攻めを狙ったのに対し、黒は2~6とコウで捌きを目指しました。
このコウ争いで黒がポイントを上げ、優勢を確立したと思います。



4図(実戦)
黒1と打ったのは面白い一手でした。
黒Aと打てば要石の黒×を助けられましたが、あえて捨てにいきましたね。
本気で戦わず、かわして十分という判断でしょうか。
結果は黒10目半勝ちでした。



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