白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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芝野虎丸-張栩

2020年04月22日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
髪が伸び放題になっています。
最後に切ったのはいつだったか・・・。
しかし、自分で切ると酷いことになる確信があります。



皆様こんばんは。
本日は日本棋院ネット対局幽玄の間にて、チーム戦「夢の5対5」の1日目が行われました。
また、対局は柳澤理志五段のYoutubeチャンネルでもライブ中継されました。

さて、今回は芝野虎丸名人(20)-張栩九段(40)戦をご紹介します。

1図(実戦)
黒×と白×が切り結んでいる場面です。
ここで普通の棋士は白Aでしょう。
正面から戦って不利は考えられません。

しかし、実戦は白△の様子見を放ちました。
黒が右辺を受けてくれれば戦いが有利になり、反発してくれば右辺を荒らせるというわけですね。
いかにも張栩九段らしい変化球です。



2図(実戦)
白2や6と、様子見を連発しています。
次に黒Aなら白×を凌ぎやすくなり、黒Bなら白Aの切りが生じるので白×を捨てようというわけですね。



3図(実戦)
実戦は白が右辺を荒らす展開になりました。
白×があるので凌ぎは容易です。
中央の白2子を取らせるのは気が引ける棋士も多いかと思いますが、そこは割り切っていますね。



4図(実戦)
白4と受ける前に白2のツケを打ったのも、いかにも張栩九段らしいですね。
石の効率にこだわるので、隙あらば利かそうとします。
これがなぜ利かしなのか、私にもよく分からないほどの繊細な感覚です。
結果は白5目半勝ちでした。

明日は残りの3局が行われます。
ぜひご覧ください。



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