白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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仲邑菫-牛栄子

2020年04月13日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
本日も日本棋院ネット対局幽玄の間にて、井山研究会が行われました。
芝野-井山戦という、本因坊挑戦手合のような組み合わせもありましたね。
なお、ここに現在行われているオンラインの企画がある程度まとめられているので、一度ご覧頂ければと思います。



皆様こんばんは。
本日はおかげ杯予選の仲邑菫初段(11)-牛栄子二段(20)戦をご紹介します。
結局、本戦は延期になってしまいましたが、いずれ開催できることを願っています。

1図(実戦)
仲邑初段の黒番です。
黒×が弱いので、白Aと挟むのが一般的なプロの感覚だと思います。
しかし、実戦は白1のケイマから白3のツケ!
黒一団を閉じ込めるぞと言っているわけですが、本因坊道策風の打ち回しですね。

黒もBと強く反撃して、振り替わりに進みました。
結果は黒が得しましたね。



2図(実戦)
白1の打ち込みに対して、黒2とツケたのが例によってモタレ攻めですね。
仲邑初段の碁にはよく現れる気がします。
慌てて攻めず、右上黒を強化してから黒8と迫りました。



3図(実戦)
白1の伸びに対して、「隙あり!」とばかりに黒2とブツカリました。
ここは形の急所で、次に黒Aの切り、黒BとCの出を見ています。
強烈な一撃でした。



4図(実戦)
白1の当てに対して、黒2と切ったのは凄い気迫でした。
黒×の要石を抜かせてでも、右辺白を取りにいこうというのですね。

多くの棋士は失敗が怖いので、黒2では3と逃げるでしょう。
それで形勢も悪くありません。
実戦のような打ち方は、怖いもの無しの若手ならではですね。

もっとも、実際のところ少しやりすぎたようで、この後は闇試合になりました。
形勢は二転三転・・・どころではなかった気がしますが、最後に仲邑初段が抜け出し、黒4目半勝ちとなりました。



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