白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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井山研究会

2020年04月09日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
十段戦第3局以降が延期になりました。
挑戦手合も自分の手合も、この状況で延期になることは仕方ありません。
ただ、これが2ヶ月や3ヶ月で済めばなんとかなるかもしれませんが、長期化した場合どうなるか・・・。
元々延期されていた棋戦などもあり、中止ということにだけはなって欲しくないですね。



皆様こんばんは。
囲碁界は未曾有の危機に直面していますが、この状況だからこそ生まれるものもあります。
本日ご紹介するのは井山研究会です。
井山裕太棋聖(30)の声がけにより生まれたもので、日本棋院ネット対局幽玄の間で対局が行われました。
今回は4局選んで、それぞれのハイライトシーンをご紹介してみます。

1図(芝野-大西)
芝野虎丸名人(20)と大西竜平五段(20)の対局、芝野名人の黒番です。
白1~7の空中遊泳が印象的でした。
大風呂敷を広げているよに見えて、実際には手堅く囲っています。
大西五段らしいバランス感覚だと思いました。

中央の打ち方は碁で最も個性が表れるところだと思います。
武宮正樹九段の宇宙流などはその典型ですね。



2図(村川-許)
村川大介十段(29)と許家元八段(22)の対局、村川十段の黒番です。
白1の当てに対して、黒2、4が強烈な攻め筋でした。
×の所の黒石を抜かせましたが、両方の白を狙っています。
白も5~9と手筋で対抗し、激しい戦いに進みました。



3図(六浦-一力)
六浦雄太七段(20)と一力遼八段(22)の対局、六浦七段の黒番です。
右上白の生死がかかってコウ争いの最中ですが、白2、4と出切って反撃!
逆に黒×を閉じ込め、攻め合いに持ち込みました。



4図(井山-伊田)
井山棋聖と伊田篤史八段(26)の対局、井山棋聖の黒番です。
黒×が孤立した状況ですが、黒1とハザマを空けて白に迫ったのは凄い迫力でした。
攻撃は最大の防御とも言いますが、実に井山棋聖らしいですね。
白も強く反撃し、この碁も攻め合いで勝負が付きました。

本日は全部で10局が行われたようです。
ぜひ幽玄の間でご覧ください。



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