白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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入門教室

2016年10月01日 23時25分05秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
最近私は入門教室の講師も務めるようになりました。
以前学習塾の四谷大塚で入門教室が開催された事はご報告しましたね。
その翌月にはその続きという形で、全4回の入門教室が開催されました。

1コマ1時間半×4でどこまで教えられるかは未知数でした。
子供同士の対局の様子から理解度を把握しつつ、次回の内容を考える手探り状態で進めていきました。
それでも最後までには「欠け目」や「中手」という一番難しい概念も理解してくれたようで、ほっと一息です。

参加者は小学1年生から3年生、みんなとても積極的でした。
時々質問をして答えて貰うのですが、ぱっと手が挙がります。
大人は間違えないように慎重になる方が多いのですが、子供は失敗を恐れません。
子供は上達が非常に早いのですが、このあたりの積極性も大きいのかなと思います。

最終日の締めには連碁を行いました。
連碁というのは複数人が黒と白に分かれて、1局の碁の中で順番に一手ずつ打っていくというものです。
古くから行われており、江戸時代のプロの連碁の棋譜なども残っています。
という訳で1人ずつ自由に打っていくのですが、「チーム戦」と称したせいか、一手打とうとするたびに味方チームから悲鳴やらアドバイスが飛び交う賑やかな状況に
結局途中からは全員に出て来て貰い、大盤の前で相談する形になりました。

1回1時間半の教室は、まだ体力や集中力の未熟な子供には結構大変です。
実際1時間を回ったあたりで疲れた様子の子供もちらほらと・・・。
しかし連碁が始まった瞬間、全員が笑顔になって大騒ぎ!
ここまで効果があるとは思いませんでした。
子供に連碁、おすすめです!
それとせっかくなので棋譜も取っておきました。

<1局目>
白14に黒15と切って、おやこの形は・・・?
黒25まで、見事に取りました!
実はこの日の授業内容は石を取る「わざ」でした。
覚えたばかりの「シチョウ」が早速役に立ちましたね
また、ここで初めて「負けました」を教えました(笑)

<2局目>
手番と着手の順番を入れ替えての2局目です。
黒19までお互い地を囲いあった結果、明らかに黒の陣地が大きい展開に・・・
広すぎるから入ってみよう!という事で白20に侵入しました。
どうなるか先生は興味津々です

白24から少々不思議な進行でしたが、白30となって「攻め合い」の形に・・・
攻め合いは教えていなかったのですが
それらしい展開になって攻め合い黒勝ち!
ですがまだ勝負は分かりません。
右上で白が生きれば白が勝ちます。

白36に黒37と、妙手炸裂?
白38と打ったので黒43までシチョウに取れました。
さて白46となった形で・・・「この形、覚えてるかな?」
「5目中手」の形を思い出し、見事黒47と仕留めてくれました
なかなかの名勝負でした。


明日は第5回ロッテこども囲碁大会で入門指導を行います。
入門クラスには60名ぐらい参加するそうです。
この人数だと流石に連碁はできませんね
ともあれ、囲碁の楽しさを感じて貰えるように頑張ります!