白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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最も危険な瞬間とは

2016年04月22日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
本日は指導碁を題材にします。
最近はやや高級な題材が多かったですが、今回はシンプルです。
しかし基本的な考え方は、どれだけ棋力が上がっても大事にしなければいけません。



6子局です。
白△と2間に打ってきましたが、黒はどうしますか?




実戦は勇猛果敢に黒1からばっさり切りにいきました。
一見すると白がばらばらのようにも見えます。




しかし、少し進んだんだ結果は・・・あれれ?
逆に黒が取られてしまいました。
白を取りに行く過程で、自分の石に蓋をしてしまったのです。




正解は慌てて取りに行かず、黒1としっかり自分の弱点を守っておきます。
白2とつながられてしまっても、黒3と大きく左右を分断しておきます。




弱い石を無理に取りに行かなくても、大きく睨んでいるだけで色々と良い事があります。
左側の白石を逃げ出せば、黒は相手をしているだけで自動的に左辺に地が増えていきます。




右側の白石を逃げ出せば、自動的に右辺や上辺に地が増えていきます。


石を取りに行っていたはずに逆に取られたという事は、皆さん経験されているかと思います。
これを不思議がる方が多いのですが、相手を殴りに行った時にガードが甘くなるのは当然のことなのです。
囲碁は相手のいるゲームですから、自分が攻めることばかり考えていては必ず相手に手痛い反撃を食らうことになります。
攻めるときはまず自分の隙を確認するようにすると、確実に勝率アップにつながりますよ!