白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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本日の対局

2016年04月07日 23時59分59秒 | 対局
本日は対局でした。
碁盤の貼り付けテストを兼ねて振り返ってみます。
私の黒番です。


白1とハネて来られた場面、どうしますか?




素直に受けると、左辺を目一杯に止められてしまいます。
これが白の注文です。




相手に都合の良い図は許してはいけません。
黒1と反発しました。
勢い白2の分断に、黒11まで左辺を荒らして治まることに成功、黒優勢となりました。




手数が進みましたが、黒は優勢を維持しています。
ここで白1、3の仕掛けが来ました。
黒はどう対処すべきでしょうか?




黒1は堂々の戦い方です。
しかし白Aなどで隅を抉って来る狙いもあり、気持ちが悪い。
優勢の黒としては避けたいと感じました。




シチョウが悪いので、この図も取りづらい所です。
中央が大きくなってしまいます。




黒1の二段バネも手筋です。
黒9までとなれば白10が必要(下がられると死にます)、黒11とポン抜けば十分です。




しかし二段バネは際どい手なので、瞬間白2と工作してくるかもしれません。
白14となって、左右の黒がはっきりとは生きていません。
これでもなんとかなりそうな気もしますが、あえて危険を冒す必要はないと考えました。




実戦はポン抜かせて2線を渡る、アマの皆さんに大人気の打ち方です(笑)
この碁は黒に弱い石が全くないため、ポン抜きを許しても厚みとしては働く場所がありません。
黒9に回って勝ちが決まりました。

基本に忠実に打つことは非常に大事です。
しかし、アマ高段者ともなれば時には基本に拘らず臨機応変に打つことも必要です。
ご参考になれば幸いです。
級位者の方はあまり真似をしないでください!(笑)


ところで今日日本棋院ネット対局「幽玄の間」で中継された武宮九段-平田七段の対局は面白かったですね。
平田七段、大先生に対してこんなに自由奔放な布石を打てるとはすごい度胸です。
元々かなり個性的な碁を打っていましたが、最近さらに磨きがかかって来た気がします。
今後も平田七段の碁にご注目ください!