トミーさんの井戸掘り勉強塾

[マチャアキJAPAN、2011ネパール、2012ザンジバル、2015カンボジア][2013/Dash島]テレビ出演

井戸掘りの 「イドセン」

井戸掘り30年、個人職人の井戸屋さんです。 時代と共に井戸掘りの機械は随分変わりました。 小さな機械で井戸を掘る昔ながらの井戸屋はほとんど姿を消しました。 このブログより、井戸掘りの理屈を皆さんに提供していきたいと思います。 「自分で井戸が掘りたい」「井戸について知りたい」など、井戸についてご質問のメッセージを頂ければ詳しくお答えいたします。 個人職人の井戸屋さん「イドセン」http://www.idosen.sakura.ne.jp/idosen/

古い井戸ポンプの修理

2013年03月26日 | 日記
家庭用の井戸ポンプ(地上式)は簡単に修理できます。

但し、消耗したり漏れるポンプは簡単に直せないこともあります。

数年使用していないポンプは固着していることが多いです。

まず、電源を入れてもモーターが動かない場合はモーターの故障ですが、

実際には砂が咬んでいたり、錆び付いている可能性が多いです。

ほとんどのモーターの中心(軸の反対側)にゴムの蓋がついています。

蓋がついてないものもありますが、よく見ていただくと軸に溝があります。

その溝にマイナスドライバーを挿して回してみましょう。

砂が咬んだり、多少の錆び付き程度ならこれだけでモーターは動くはずです。

ドライバーで回せないなら、モーターを取り外しましょう。

モーターを外すとギザギザのギヤーのようなものが付いています。

その部分を手で回してください。

同じ方向に回さず、左右に動かして見てください。

まったく動かない場合は、かるくハンマーで軸の先端を叩いてください。

おおよその物は、たいてい動くようになります。

注意することは、油をささないでください。

意外にも油をつけると、あとあとパッキンなどが傷みやすくなります。

モーターが動かない原因は砂が咬んでいるか、軸が錆び付いているか、

または、ギヤーの形をしたインペラの固着が最も多く、

ほとんどが、こういった程度のことで直せます。

次に、モーターは回っているが水が出ない場合は、

呼び水がなくなっていることがあります。

この原因は、給水側のパッキンが腐って空気が入る事が多いです。

給水側のパッキンには水が戻らないように蓋の形をしたパッキンが付いています。

これがサビなどによって密閉した蓋にならないと水は落ちてしまいます。

パッキンを外し、サビなどを綺麗に取り除きましょう。

パッキンが破損していれば取り替える必要があります。

次に、蛇口を止めてもポンプが自動停止しない。

または、自動停止に時間がかかるといった場合は、

圧力センサーの故障ですが、以外に空気を吸ったことによる原因もあります。

先ほどの、パッキン修理で直ることもあります。

冬になるとよく起こるのは、冬は地下水位が下がり吸い上げる力がかかります。

そのため、規定の圧力に達するのに時間がかかります。

このような場合は故障ではありません。

ほとんどが、このような原因が多くすぐに直せることができます。

井戸のポンプは砂や錆によるインペラの消耗やパッキンの消耗がほとんどであり、

モーターが焼けるとか、圧力センサーが壊れるような故障はまずありません。

毎日使っているポンプは30年前のポンプでも平気で動いています。

長期間使用しなかったポンプは、固着による不動が多く、

適切な錆の掃除で必ず動きます。

ここで一言!

円筒形のポンプは、圧力タンクの溶接部分から水漏れを起こすことがよくあります。

タンクの下部に排出できない砂などが底に溜まり、

井戸水に含まれる鉄分が付着しやすくなってタンクの腐食が早まるようです。

各メーカーによって確かに寿命の差が出ていますが、

まさかネット上では公表できませんので、皆さんで選んでくださいね。




自噴する井戸の原理②

2013年03月23日 | 日記
以前にも自噴する井戸のお話をしましたが、

もう一度、地下水が自噴する原理をお話いたします。

どうやら地下水が自噴するのと火山が噴火するのと同じように思っている人が多いようです。

火山は活動して噴火したりしますが、地下水は活動していません。

水は常に自然に地下を流れています。

山に降った雨がどんどん海に向かって流れます。

地表を流れる水は川の水です。

地下に浸透した水は地下水です。

地下に浸透した水は帯水層を流れやがて海に向かいます。

その流れる速度は様々で、1日に数百メートルもあれば数センチもあります。

地下に浸透した水が流れなければ山は圧力がかかって爆発するかも・・・笑

このように、地下水も高いところから低いところに流れます。

大きな河川に堤防が存在しない時代、河川は氾濫を繰り返し

流れる川はどんどん蛇行し位置を変えていきます。

掘削して丸い礫が出てくるのは、元々その位置に川が存在した証拠なのです。

時代とともに河川には堤防が作られ、河川は位置を変えることなく固定されました。

ここまで書いたことを頭にイメージしてください。

川の水は逆流はしません。

河口付近で逆流するのは、河川の水位より海の水位が高くなるからです。

このように水は高いところから低いところに流れます。

地下水も同じように低い方に流れます。

ところが、地殻の変動や隆起などにより地下水の流れが塞がれる事があります。

こう言ったことにより、水脈に変化が起こります。

行き場を失くした地下水は上昇し他の帯水層に流れていきます。

が、水位が上昇した分、地下水に圧力がかかります。

その圧力が、地表面を超えるほどかかっていると地下水は自噴します。

地下水が自噴するのは、その土地の高さより高い位置から圧力がかかっているからです。

平野部の帯水層には、表層の圧力がかからない不圧水

そして、幾重にもなっている帯水層には被圧水が存在します。

自噴する水はすべてが被圧水なのです。

平野部は、この被圧水によって地面が支えられていることも事実です。

大きな井戸から大量に水を汲み上げることにより、

地質の間隙水の圧力が低下することにより地盤沈下を起こします。

話が少しずれてしまいましたが、

このように、地下水が自噴する原理があるわけです。

自噴井戸の多い地域は、このような地下の現象が起こっているわけですが、

だからと言って、その周辺ならどこでも自噴するとは限りません。

笑い話ですが、どうしても自噴井戸が欲しければ標高の高い山に横穴を掘りましょう。

どんどん掘り進めれば、やがて水は出てきますよ。

ボーリング工事には、地すべり防止のための水抜き工事があります。

でも、素人ではやれる技ではないですね。

では(o・・o)/

井戸掘り機はここが重要

2013年03月22日 | 日記


ネットで井戸掘り機と検索すると、自作の井戸掘り機とYoutubeの案内が出てきます。

昨年の夏に私がアップしたのですが、最近急激にアクセス数が増えて

1日で100以上のアクセスがあります。

その要因として、海外からのアクセス数が目立ちます。

多くの人がアクセスすると、見出しも上位に上がるため閲覧されやすくなりました。

Youtubeには数々の簡易的な井戸掘り機械が紹介されていますが、

簡易的な小型の機械は、ほとんどがロッドを1本1本足していくものです。

私の作った機械はYoutubeを見ればわかりますが、

継ないだロッドを切り離さず上に抜き上げることができます。

掘削する場合、掘った部分が後から崩れることがあります。

その為、何度も大きく上下させたい時が発生します。

この機械は、ロッドをチャックで挟んでいるのでその作業が容易にできます。

言葉での説明がわかりづらいので、一度Youtubeで見てください。

他の簡易的な井戸掘り機との違いがわかると思います。

強烈な砂利層でない限り、この機械で20mくらいの掘削はできます。




井戸掘りが進まなくなる理由

2013年03月20日 | 日記
井戸掘りの仕事に行くと、時々未完成の井戸を見受けます。

自分で井戸を掘ろうと試み、最終的に断念して井戸屋に井戸を掘ってもらう

何となく、勿体ないような気の毒なような複雑な気分になります。

こういった井戸のほとんどが、覗いてみると水は確認できます。

ただ、深さが足らなく、汲み上げると空になりなかなか水が回復してきません。

以前にも書き込みましたが、

井戸を掘る場合、水が出ないうちは穴の壁はほとんど崩れません。

水が出ることによって穴は崩れだします。

もちろん、粘土が混じっていれば崩れ難いですが、水も出にくいです。

どうやら、この水が出す深さで井戸掘りを断念する人が多いようです。

考えて見れば、あと一歩!もう少しなんですよね。

掘っても掘っても穴が崩れる。

だから・・・!!!

泥を使いなさい!

穴を掘っちゃダメなんですよ。

底なし沼を作るのです。

穴の中に泥が入っていれば崩れません。

泥を使って掘り進めていくのです。

泥の中にパイプは入っていきます。

パイプが入ったら、井戸は完成したようなもの。

泥を吐き出せば、やがて地下水がパイプ内に入ってきます。

井戸掘りとは、地層を泥にする作業なんですよ。

もし、この状態で断念した井戸があるなら泥を使ってみてください。

打ち込みの場合も同じです。

摩擦が強くなってパイプが打ち込めなくなります。

パイプに摩擦がなるべくかからないようにパイプの周りに泥を入れ

打ち込むパイプの中の土砂を回収し、さらに打ち込む。

食うか食われるかの一発勝負ではなく、

無理な力がかからないように掘っていきましょう。

そこに井戸掘り完成への明暗が決まります。

さあ、頑張って・・・

井戸掘りはハイテクよりローテクがおもしろい

2013年03月17日 | 日記
大きな井戸を掘るならともかく、家庭用の散水井戸なら楽しく掘りたい。

井戸掘りなんて難しいものではありません

たかが地面を掘って行くだけのことなのです。

それも、散水用の浅井戸なら10m程度の穴を開けるだけです。

φ50mmのパイプを10m入れる井戸の掘った土の量は1輪車1杯分

全然たいしたことないですよね。

パイプを打ち込むなら、全く残土も出ないですね。

やったことがない事は分からない。ただそれだけなんですよ。

やったら「たったこんなことなの?」と思っちゃうかもしれません。

今の時代、ハイテクな掘削機があります。

いや、ハイテクではないかもしれません。

単なる力任せの怪物かもしれません。

自分で掘るなら慌てずのんびりと掘りたいですね。

井戸掘り機械で掘るのではなく、井戸掘り道具で掘るんですよ。

例えて言うなら、遠くに行くのに車もバイクも要らない。

時間はかかるけど歩いて行くことだってできるはず。

機械がなくても道具があればできる。

これが自分で掘る井戸掘りの楽しさなんですよね。

さて、今までこのブログにいろんな事を書いてきました。

最初から読み直せば、きっと家庭用井戸は自分で掘れるはずです

砂を掘る、粘土を掘る、砂利を掘る、

崩れを止める、パイプを入れる、などなど、

繰り返しお伝えしてきたと思います。

ただ、このブログを見てお気づきかと思いますが、

写真などをアップして説明せず、文章のみで説明しています。

それは、目で見て理解すののではなく、想像してもらいたいのです。

われわれ井戸職人でも大きな丸井戸は別ですが、

人が入って見ることのできない井戸は、常に頭でイーメージし、

地層や状況を把握しながら掘っています。

スコップで限界なら竹で突っつくのも良いでしょう。

竹が地層に負けて無理なら鉄パイプで突っつけば良いでしょう。

鉄パイプが地層の崩れで突っつき辛いなら、穴に泥を入れれば良いでしょう。

パイプが長くなり重くて突っつけないなら、やぐらを立てて吊るせば良いでしょう。

このように、頭でイメージしながら工夫を増やしていく、

これが、ローテクな楽しい井戸の掘り方です。

地形によって地質は様々です。

という事は、井戸の掘り方も様々です。

いかに地上から深く掘っていけるか?

こういった創造力のある人が井戸掘りに適している人なのです。

ギターだってピアノだって最初は弾けません。

教えてもらわなくても段々弾けるようになってきます。

ただ、教えてもらえば正確に早く覚えれます。

井戸掘りの勉強会も予定していますので

ご希望の方は、画面右上のメッセージからメールくださいね。

調整が整ったら勉強会を実施したいと思います。