トミーさんの井戸掘り勉強塾

[マチャアキJAPAN、2011ネパール、2012ザンジバル、2015カンボジア][2013/Dash島]テレビ出演

井戸掘りの 「イドセン」

井戸掘り30年、個人職人の井戸屋さんです。 時代と共に井戸掘りの機械は随分変わりました。 小さな機械で井戸を掘る昔ながらの井戸屋はほとんど姿を消しました。 このブログより、井戸掘りの理屈を皆さんに提供していきたいと思います。 「自分で井戸が掘りたい」「井戸について知りたい」など、井戸についてご質問のメッセージを頂ければ詳しくお答えいたします。 個人職人の井戸屋さん「イドセン」http://www.idosen.sakura.ne.jp/idosen/

井戸の掘り方・自分で掘るには・・・

2014年05月21日 | 日記
自分の家や畑に井戸が掘りたい。

でも、井戸を掘るにはお金がかかる。

だから自分で井戸を掘るぞ~!

と、意気込み満点で始めようとしても・・・???

ネットで自作井戸のブロブなどを見て「ふんふん、なるほど~」

ところが、後になって「助けてください」と連絡が来ます。

自分でやると決めたなら、最後までやってくださいよ。

途中から業者にバトンタッチ?ちょっと虫が良すぎませんか?・・・笑

ほとんどの井戸業者は中途半端に掘った続きを掘ることはしませんよ。

と言うことで、

今日は、井戸を掘る方法について考えてみましょう。

ネットなどで自作井戸の成功例がブログなどでアップされています。

私も、興味あっていろいろ見ていますが、

正直、素人でも凄いな~と思う素晴らしいものから、

たまたま運が良かっただけのものなど様々です。

さて、井戸掘りっていったい何なのでしょうか?

考えて見れば、パイプを地中に入れて地下水を汲み上げるわけですよね。

つまり、直接パイプを打ち込むか、掘ってその穴にパイプを入れるか、

方法は違っても目的は同じということです。

そして、井戸掘りは料理のレシピのように作り方は同じではありません。

皆さんが大きな穴を掘るとき、どんな道具を使いますか?

砂や粘土なら「スコップ」ですよね。

締まった砂利がでてきたら「ツルはし」ですね。

大きな石が出てきたら「大ハンマー」で叩き割るでしょ。

このように、地質に適した道具を使います。

それから、掘った穴の壁が崩れると矢板などで枠を作り崩れを止めますよね。

井戸掘りは、これらと同じ心得で掘らなければならないのです。

ネットでよく見るのは、塩ビ管を使った掘り道具が多いです。

砂や粘土、小砂利などならその道具で掘ることは出来ますが、

大きな砂利や玉石などは掘ることができません。

また、塩ビ管を打ち込んで完成できる井戸は、

沖積平野の比較的柔らかいシルトや砂の地域がほとんどです。

自分が井戸を掘ろうとしている場所がどんな地層か見極めてから

井戸掘りの方法や道具を揃えましょう。

比較的柔らかい地層なら打ち込みでも良いでしょう、

打ち込むパイプは鉄管が良いのですが、

2m位の長さにして足さないと打ち込むのが大変ですよね。

2mに切ってネジを切るにもネジ切り機がない。

と言うことで、塩ビ管を打ち込む人もいるようです。

この場合、肉の厚いVP管を使ってくださいね。

「肉の薄いVU管で俺はやったぜ!」って言う人もいるようですが、

途中で割れなかったのが幸い。運が良かっただけですね。

そんなわけで、

井戸掘りとは地質な適した掘削方法があるわけで、

誰かが成功したやり方をマネしても、すべて上手くいくものではありません。

このブログは今までいくつかの、

いろんな地層に対しての掘削方法にヒントが書かれています。

何を言っても井戸掘りは目で見えない地下を地上で考えながら掘るわけです。

しっかりとした心構えで挑戦してくださいね


では(o・・o)/


井戸ポンプの故障?なぜ水が出ないのか?

2014年05月17日 | 日記
5月の中旬にもなると木々は青々と、畑の作物もぐんぐん育ちます。

これから水をたくさん使う時期になりましたね。

水道代がかからない井戸は豊富に水を使えるので有難いですね。

さあ、今年も続々とポンプの調子が悪いと問い合わせが増えてきました。

10年、15年と使ったポンプなのに、まだ使う気なの?・・・笑

やっぱり、買い換えるとなると勿体無いと思うんですかね~

一般的な浅井戸ポンプは平均的値段で7万円くらいです。

外食したり、遊びに行ったり、パチンコするお金があるなら

井戸のポンプ代をケチるなよ!って言いたい。

と、まあ、そんな気もするのですが・・・

しかし、本当に壊れているのかどうなのかが気になりますね。

確かに直るものなら直したいというのは当然です。

さあ、あなたのポンプはホントに故障?


水が出ない原因は以下のことが考えられます。

 1、呼び水が入っていない(ポンプ内の水が空になっている)

 2、吸い込みのパイプやジョイント部分が腐食して空気を吸っている

 3、インペラーが消耗して吸い上げるだけの力が無い

 4、砂こし器の網の目詰まり、または井戸そのものの目詰まり

 
まあ、こんなのがよくある原因です。

1、の呼び水ですが、こんなのは説明するまでもありません。

ポンプの呼び水の蓋を開けて水を入れるだけのことですね。

これがわからない人は、井戸業者に来てもらってやってもらいましょう。

ただし、わずか1分の作業ですが、業者に来てもらった以上、代金は発生します。

車で来て、往復の時間など計算すれば1万円や2万円はかかるかもしれませんよ。

え!こんなんで~?と思っても自分で出来なかったのだから文句は言わないこと。


2、は空気漏れですね。

吸い込みのどこかで空気を吸ってしまうと水が上がってきません

ポンプ付け根のバルブ部分のシールテープなどが腐食したり、

または、バルブのねじ込みが緩んで手で回ることもよくある話です。

フランジのパッキンが腐ってしまっていることもあります。

思い切って、吸い込みパイプ全体の交換と、パッキンの交換をおすすめします。

純正のパッキンがなければホームセンターでゴム板を買って、その形に切ってください。

真空で吸い上げるためどんな小さな穴でも水は上がってきません。

吸い上げ側は、絶対に完璧にする必要があります。


3、はインペラーの消耗です。

これは、部品交換で直るのですが、はっきり言ってポンプ交換をおすすめします。

自分で直すならいいのですが、われわれ井戸屋が直すなら

ポンプ交換と同じくらいかかりますので要注意です。

このインペラーの消耗とは、砂やサビなどにより削れて隙間ができ、

規定量の水を汲み上げることができません。

以前より、水量が減ったとか、蛇口を閉めてもポンプがなかなか自動停止しない。

など、こう言った症状の場合はポンプの交換時期と言えます。

井戸水を出すと、細かな砂がバケツの底に少し溜まっていると言った井戸は

この原因がまず考えられます。


4、は目詰まりです。

これも、先程述べたように、吸い込みパイプ全体のメンテナンスですね。

砂こし器を何年もそのまま使い続けると必ず目詰まりします。

目詰まりは細かな砂ばかりでなく、鉄分によってサビのように不純物が固着し

水の通しを悪くします。

時々、砂こし器の掃除を行ってください。

また、井戸内部のストレーナの目詰まりも水の通りを悪くします。

コンプレッサーなどでエアーを送り込み掃除する方法が一般的ですが、

やったことのない人にはちょっと難しいかな?


まあ、そんなわけで

この説明がわかる人は是非試してみてください。

まったくチンプンカンでわからない人は業者にお願いしましょう。

ただし、業者の言う金額に納得できら依頼しましょう。

最近はホームセンターでも井戸ポンプは安く売っています。

自分で取り替えれば工賃は要りません。

井戸屋は仕事として取り替えます。

仮に5万円で売っているポンプを取り替えて10万円と言われても

ぼったくられたとか、高額な請求をされたとか言わないでください。

今までにもこのブログでいろんなことを書き込んでいます。

ちょっとした井戸の知識を理解できるよう学んで頂ければ幸いです。

井戸の理屈は複雑なものではありません。

少しでもみなさんの役にたてばと思います。

では(o・・o)/