井戸は絶対に役立つ 2012年11月23日 | 日記 震災後、井戸を掘る人が増えたような気がしました。 ところが、最近になってちょっと減った気がします。 災害とか防災という言葉を、問い合わせにあまり聞きません。 あの悲惨な災害も時と共に忘れてしまうのでしょうか? 残された家族のために生命保険 入院した時のために入院保険 火事が起きた時のために火災保険 事故を起こした時のために自動車保険 おそらく誰もがこんな保険をかけていると思います。 しかし、保険は災害時には助けてくれません。 災害によって水道が寸断された時、保険屋さんが水を運んできますか? もしものために保険に加入するように、 もしものために井戸があれば安心ではありませんか? こんなお客さんがいました。 自宅の屋根に太陽光パネルを貼り、都市ガスをプロパンガスに切替 そして自宅の敷地に井戸を掘り、倉庫には缶詰やレトルト食品が・・・ つまり、供給が麻痺した時に備えているのです。 なぜか、お医者さんが多いです。 やっぱり、お金持ちは考え方が〔゜Д゜〕スゴイ・・・(笑) まあ、太陽光システムまではお金の問題があるので難しいですが、 災害に備えて、これくらいはしておいた方が良いでしょう。 エンジン式ポータブル発電機 カセットコンロ 缶詰やインスタント食品 飲料水をケースで・・・ これくらいは、用意しておいた方が良いでしょうね。 そして、そこに井戸があれば身体を洗ったり、洗濯したり、 必ず「あって良かった」(*^_^*)と思うはずです。 井戸・・・ それは、あなたの命を救う存在なのです。
井戸掘りに使用する「ねば水」 2012年11月22日 | 日記 上総掘りに使用する「ねば水」 この「ねば水」という言葉を聞いたのは5年ほど前です。 30年以上もボーリングの仕事をしていますが、その言葉は知りませんでした。 我々、ボーリングをしている者は通常「泥水」(でいすい)とか、 「ベントナイト」とかと言う言葉で表現しています。 これはボーリングマシーンで掘削する場合「ベントナイト」 打撃のパーカッションには、「粘土」を使用します。 粘土を溶かした水「粘土水」・・・つまり「粘水」ねば水と言うのでしょう。 まあ、泥水にせよ粘水にせよゲル状の液体を使用するには違いありません。 が・・・ 掘削中に、地中の間隙に「ねば水」が逃げてしまう事があります。 そう言った現象を逸水(漏水)と言います。 これが起こると、ねば水で保護されていた孔壁が崩れたり、 ボーリングのように泥水を循環して掘る場合など、どんどん足さなくてはなりません。 そのため、粘土の塊や、おが屑や落ち葉などを穴に入れたりします。 こう言った不純物が間隙を塞ぎ、ねば水の漏れを防止します。 最悪、どうしても止めることができない場合は、ケーシングとうい鞘管を打ち込んだり セメントを使用して固めたりします。 まあ、ここまでの対応になると職人技になりますので、 一般の方は、何とか不純物を投入して間隙を塞いだほうが無難と言えます。 ここで問題なのは・・・ ねば水を使用すると掘削はスムーズなのですが、 井戸を完成させるには、非常に厄介なものなのです。 井戸は、真水で掘る方が一番ベストなのですが、上総掘りや通常のボーリングでは 穴をどんどん崩してしまうだけですよね。 ですから、ねば水を使用するのですが、後々のことを考えて使ってもらいたいです。 みなさんが個人的に井戸を掘るなら、とりあえず無水掘りをしましょう。 何とか掘れるところまでねば水を使用せず頑張って掘りましょう。 地下水が出てこない限り、通常は穴は崩れません。 地下水が出てくることによって孔壁が崩壊します。 地下水が出てきたらねば水を使いましょう。 その方が、後々の井戸洗いが楽です。 井戸は、いかに泥水を洗い出すかが勝負です。 掘削のために使う「ねば水」は、完成時には厄介者なのです。 いかに少ない泥で井戸を掘るか・・・ ここに掘削の難しさがあるのかもしれませんね。
井戸掘り機の掘削能力とは? 2012年11月14日 | 日記 井戸掘り機の掘削能力について皆さんはどう判断しますか? まあ、井戸掘り機にもいろいろ種類はあるのですが・・・ 私の場合、50m掘りのボーリングマシーンを主として掘削していますが、 実際には、100mでも掘った実績があります。 はっきり言って、1000mでも掘ることが出来ます。 つまり、孔壁がしっかりしており摩擦がかからなければ機械は回転します。 しかし、継ないだロッドの重量が重すぎて抜き上がりません。 これでは、やっぱり掘るのは無理と言えます。 ボーリングマシーンの掘削深度の設定には、 掘削口径、ビットやロッドの全重量、動力のトルク、機械の耐久力です。 まず、口径ですが、 例えば、直径10cmで掘削する場合、穴の円周は31,4cmですよね。 毎分60回転した場合、31.4×60=1884cm つまり、約20m転がる事になります。 これを仮に巻き上げ速度と考えます。 そして、それに負荷をかけます。 例えば、500kgの負荷をかけたとします。 1馬力とは、1秒で75kgを1m巻き上げる力を言います。 500÷75=約7馬力 しかし、これは毎分60mの場合なので、 20mなら1/3ですから、7馬力の1/3の2.3馬力になります。 ちょっと説明が前後して分かりにくかったかな? つまり、直径10cmの穴を掘る場合、 回転に500kgの抵抗がかかっていても、 2.3馬力のエンジンで毎分60回転で掘削できるということです。 これが、1000kgの抵抗がかかるとすれば、 回転を毎分30回転にするか、 回転は変えずにエンジンを4.6馬力にすれば良いわけです。 ただ、動力は3倍くらいの余裕を持ったほうがイイですね。 そして、この抵抗に耐えれる歯車や、 ロットなどの全重量を持ち上げることのできるパワーなど、 こういった計算で、掘削能力を算出できます。 また、ロットの耐久性なども重要であり、 回転トルクに負けるような粗末なものでは意味がありません。 そして最大の注意点は、掘削技術です。 穴を確実につくり、先端にかかる抵抗だけで掘り進むことが重要です。 それができなければ、どんな大きな機械でも掘削が困難になります。 今回は、上級編な話になってしまいましたが、 こんな話も、みなさんの今度に役立てば幸いです・
鳥谷恵生君との出会い 2012年11月02日 | 日記 高知工科大学在学中に、アフリカ「ケニア」で上総掘りにて 井戸掘り支援をしてきた鳥谷恵生君が、私を訪ねてきてくれました。 夜の時間帯だったので、鳥谷君と2時間程度のお話しかできませんでしたが、 アフリカならではの掘削技術と井戸掘りに必要な考え方 人力だけに拘らず、単体のエンジンに簡単な工夫を取り込んだ 取ってくっ付けたようなローテク機械の説明など興味津々に聞いてくれました。 共にアフリカで井戸掘りを経験した者同士、考え方に一致することも多く 今後も、互いに手を取ってアフリカの井戸掘り支援に協力できるといいですね。 こんな私のプログですが「たいへん役に立ちます」と嬉しい言葉をいただきました。 井戸掘りに挑戦している皆さんに役に立てるブログとして 今後も書き続けたいと思っています。