前回は、年金と給与の関係を説明し、「年金を減額されない上手い働き方」の例を説明しました。ちょっと復習しますと、
最も簡単な方法は、60から64歳の間なら、「総報酬月額相当額+年金月額」が28万円を超えない範囲、65歳以降なら46万円を超えない範囲で働くことです。
あるいは、減額されるのは、あくまでも60歳以降も厚生年金に加入して働く場合です。ですから、厚生年金に加入しない働き方を選択すれば良いのです。
加入不要な仕事は、所定労働時間30時間未満のパートや自営などです。もちろん、株の運用、アパート経営などは減額対象にはなりません。
今回は公的年金の繰上げ・繰下げの話をします。実は、私は年金の繰下げをしなかったことを後悔しています。明らかな勉強不足・調査不足でした。
・公的年金の繰上げ
65歳から受け取る年金は、60歳になると申請して繰上げて受け取ることが可能です。これにより、定年が60歳の場合、65歳までの5年間の収入の空白を埋めることができます。
ただし、65歳よりも1か月繰上げるごとに年金額は0.5%減額、1年で6%、5年(60歳まで繰上げ)で30%の減額となります。
利用者は13.6%(2017年)で減少傾向にあります。その背景には、改正高年齢雇用安定法施行により、65歳まで働けるようになったことがあります。
年金を早く受け取って元気なうちに活用しようというライフスタイルにはお薦めの制度です。ご存知のように、男性の平均寿命80.98歳、健康寿命72.14歳、女性はそれぞれ87.14歳、74.79歳(2016年調査)。支出は60歳以降のピーク時と比較し、75歳以上の支出は85%未満。
健康でいられる期間や将来の支出を考えると「繰上げ」は合理的な一面があります。
・公的年金の繰下げ
「繰上げ」とは逆に、65歳から受け取る年金は、70歳まで受給を遅らせることができます。
65歳よりも1か月繰下げるごとに年金額は0.7%増額、5年(70歳まで繰下げ)で42%の増額となります。年金額増加は大きなメリットです。ただし、繰下げている期間は、加給年金や振替加算などは受け取れません。
ここで加給年金は、受給者に扶養している配偶者や子供がいる場合に、厚生年金に加算される年金です。振替加算は、加給年金が打ち切られた後、一定条件のもとで配偶者の老齢基礎年金上乗せされる給付です。
「繰下げ」の利用者は1.3%(2017年)で増加傾向にあるそうです。増加の理由は、「ねんきん定期便」で国がPRしたためだそうですが、私は気が付きませんでした。悔しい!!
この制度は、長寿化の経済的リスク軽減策として有効です。ご存知のとおり、2015年に65歳になった男性の3人に1人、女性の5人に3人は90歳まで長生きしています。この割合は増加傾向にあります。
長生きの一方で介護期間は、4年~10年未満が28.3%で最多、10年以上は14.5%になるそうです。そうなると、介護費用を賄うために「繰下げ」は大変有効です。ちなみに、介護費用は在宅介護で月約6.7万円、施設介護で10~14万円です。
長期的な視点で老後の資金を考えると、「繰下げ」による公的年金の増額は現実的な選択です。
そのためには、50代のうちから(遅くとも定年前から)70歳まで働くことを前提としたライフデザインを考え、準備する必要があります。
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齋藤信幸の「ロングステイ」はここ。
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最も簡単な方法は、60から64歳の間なら、「総報酬月額相当額+年金月額」が28万円を超えない範囲、65歳以降なら46万円を超えない範囲で働くことです。
あるいは、減額されるのは、あくまでも60歳以降も厚生年金に加入して働く場合です。ですから、厚生年金に加入しない働き方を選択すれば良いのです。
加入不要な仕事は、所定労働時間30時間未満のパートや自営などです。もちろん、株の運用、アパート経営などは減額対象にはなりません。
今回は公的年金の繰上げ・繰下げの話をします。実は、私は年金の繰下げをしなかったことを後悔しています。明らかな勉強不足・調査不足でした。
・公的年金の繰上げ
65歳から受け取る年金は、60歳になると申請して繰上げて受け取ることが可能です。これにより、定年が60歳の場合、65歳までの5年間の収入の空白を埋めることができます。
ただし、65歳よりも1か月繰上げるごとに年金額は0.5%減額、1年で6%、5年(60歳まで繰上げ)で30%の減額となります。
利用者は13.6%(2017年)で減少傾向にあります。その背景には、改正高年齢雇用安定法施行により、65歳まで働けるようになったことがあります。
年金を早く受け取って元気なうちに活用しようというライフスタイルにはお薦めの制度です。ご存知のように、男性の平均寿命80.98歳、健康寿命72.14歳、女性はそれぞれ87.14歳、74.79歳(2016年調査)。支出は60歳以降のピーク時と比較し、75歳以上の支出は85%未満。
健康でいられる期間や将来の支出を考えると「繰上げ」は合理的な一面があります。
・公的年金の繰下げ
「繰上げ」とは逆に、65歳から受け取る年金は、70歳まで受給を遅らせることができます。
65歳よりも1か月繰下げるごとに年金額は0.7%増額、5年(70歳まで繰下げ)で42%の増額となります。年金額増加は大きなメリットです。ただし、繰下げている期間は、加給年金や振替加算などは受け取れません。
ここで加給年金は、受給者に扶養している配偶者や子供がいる場合に、厚生年金に加算される年金です。振替加算は、加給年金が打ち切られた後、一定条件のもとで配偶者の老齢基礎年金上乗せされる給付です。
「繰下げ」の利用者は1.3%(2017年)で増加傾向にあるそうです。増加の理由は、「ねんきん定期便」で国がPRしたためだそうですが、私は気が付きませんでした。悔しい!!
この制度は、長寿化の経済的リスク軽減策として有効です。ご存知のとおり、2015年に65歳になった男性の3人に1人、女性の5人に3人は90歳まで長生きしています。この割合は増加傾向にあります。
長生きの一方で介護期間は、4年~10年未満が28.3%で最多、10年以上は14.5%になるそうです。そうなると、介護費用を賄うために「繰下げ」は大変有効です。ちなみに、介護費用は在宅介護で月約6.7万円、施設介護で10~14万円です。
長期的な視点で老後の資金を考えると、「繰下げ」による公的年金の増額は現実的な選択です。
そのためには、50代のうちから(遅くとも定年前から)70歳まで働くことを前提としたライフデザインを考え、準備する必要があります。
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