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夢を生きる方々に学生がインタビュー

ネットオフ株式会社    黒田 武志 社長

2009-11-30 07:00:00 | インタビュー記事

●日時 2009年11月12日 10:00~11:00 
●場所 ネットオフ株式会社 応接室
●ネットオフ株式会社のホームページは こちら

●中古品の通販・買取のイーブックオフのHPは こちら
●インタビュアー 起業家育成塾 三潴 克彦 (みつま かつひこ)
  
●黒田武志(くろだ たけし)氏 プロフィール
1965年、大阪府生まれ。
大阪市立大学商学部を卒業後、トヨタ自動車
株式会社入社。国内および海外のアフターマー
ケット部門の企画業務に従事。1998年、トヨタ
自動車株式会社を退社し、ブックオフコーポレー
ションの起業家支援制度(エンジェルプラン)の
第1号として、株式会社ブックウェーブを三重県
四日市市に設立。2000年、株式会社イーブック
オフを名古屋に設立し、代表取締役社長に就任。
2005年、ネットオフ株式会社に社名変更。
  
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インターネットを通じたリユースビジネスのパイオニアである
ネットオフ株式会社の黒田武志社長にインタビューさせていた
だきました。事業に関することから今後の展望まで幅広くお話
を伺いました。

 
 
◆事業内容を教えてください
 
私達の事業は一言で言えば、本・CD・DVD・ゲームソフトのインター
ネットを通じた買取と販売です。タイトル数が約30万点で在庫数が
約100万点になります。業界最大級の品揃えを実現している背景
には、工場の跡地を倉庫(商品センター)として活用していることが
挙げられます。この倉庫がネットオフの事業の中枢を担っています。
 
実は、先日、シリコンバレーで行われたビジネスプランコンテストで
優勝いたしました。googleなどを輩出したベンチャー支援組織である
プラグアンドプレーが開催したものです。グローバル展開を狙いたい
会社が世界各国から47社集まりました。このコンテストで、幸運に
も私達のビジネスモデルが好評を頂き、優勝することができたので
す。
 
 
◆それはすごいですね。優勝おめでとうございます。優勝の
ポイントは何だったのですか?

  
ビジネスモデルが非常にユニークということでした。中古品をインタ
ーネットを通じて弊社のように「C to C」以外に、「C to B to C」で
行っている会社は、世界でも類が無いようで、ここが高評価を頂く
ポイントとなりました。シリコンバレーでは、インターネットビジネス
において、仲介業は成り立たないと考えられていたようですが、
私達は、倉庫(商品センター)の活用とトヨタ生産方式を導入するこ
とで、それを実現できました。
 
 
◆トヨタ生産方式を導入されることになった経緯は何ですか?
 
トヨタ自動車やデンソーのOBの方々に来ていただき、ご指導して
いただきました。私は、起業する前、トヨタ自動車で働いていました。
トヨタ生産方式を導入したいと拘り、<wbr></wbr>1年間人材探しに奔走していた
ところ、昔の上司の紹介でOBの方を紹介していただきました。
現在のトヨタ自動車の社長を務められている豊田章男さんにも来て
頂いたこともあります。この時は、とても感激しましたね。
 
 
◆豊田章男さんはどうしてお見えになられたのですか?
 
トヨタ自動車の自動車関連の情報を総合的に提供するウェブサイ
ト「GAZOO.com」の担当役員を、当時豊田章男さんがされていたの
ですが、私が会社を創業した時、インターネット事業をその「GAZOO
.com」のワンコンテンツとしてさせていただいていました。こういった
経緯で豊田章男さんとご縁をいただいたのです。
 
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◆素晴らしい好機を手にされたんですね。続きをお願いします
  
この時が、1998年で、トヨタ自動車を退社し、ブックオフの起業家
支援制度(エンジェルプラン)の第1号店として、株式会社ブックオフ
ウェーブを創業しました。最初はブックオフのお店をのれん分けさせ
ていただき、経営を始めました。ただ、私がやりたかったことはイン
ターネットを通じたリユース事業だったので、三重、岡山、東京、
愛知に支店を拡げていく中で、常にどうしていけばいいか、試行錯誤
していました。
 
2000年、インターネットの事業をいよいよ始めることにしました。
立ち上げに際して、人を集めていたのですが、このことがトヨタ自動
車の頃の上司の耳に入り、「トヨタでもインターネット事業に力を入
れようと思っているから一緒にどうか」と声を掛けていただいたんで
す。これが先ほど、お話させていただいた「GAZOO.com」のワンコン
テンツとしてスタートするきっかけをいただいた時の話です。この上司
の方には、大変なご好意とご縁をいただき本当に今でも感謝してい
ます。
 
また、2000年の創業時には、ちょうどネットバブルが弾けた時期で、
ネット事業に対する世間の見方は厳しく、周囲からは反対されました。
でも、反対を押し切ってやりました。最初は、大きな倉庫に、たった
2列程しか在庫が無く、殺風景な商品センターでした。
  
売上は、創業時から毎年増収していましたが、6年間赤字でした。
だから、資金がもたないかもしれないという危機に何度か直面しま
した。こんな状況でしたが、UFJ銀行の当時の名古屋支店長さんに
支えていただき、厳しい時にも融資していただいたんです。お陰様
で現在は利益を出すことができています。
 
ここまで来るのに、途中で、良いことも大変なこともたくさんありまし
たが、多くの方々に支えられてやってくることができました。有難い
限りです。
  
   
◆いつから起業を考えていましたか?
 

実家はサラリーマン家庭ですし、学生時代に起業しようと思ったこと
もありません。周りもみんな大企業に勤めていますし、私が育った
環境は起業とは縁遠かったと思います。ですので、起業を意識し
始めたのは、会社に入社してからです。
 
トヨタ自動車でカーショップジェームスの立ち上げに関わったのです
が、この時に新規事業が面白いと思いました。一段落して、自分で
も何かやってみたい、と思うようになりました。ここが原点ではない
かと思いますね。
  
 
◆どのようなことに影響を受けましたか?
 

やはり、お話させていただきましたように、坂本孝社長からの影響
は大きいです。その他ですと、リクルートを創業された江副浩正さん
の、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉に
めげそうになった時、何度も励まされました。
 
 
◆スマイル・エコ・プログラムとは何ですか?
 

これは募金活動です。私達を通じて、いらないものを処分していた
だいた際に、お客様にはお金が入りますが、任意で、その一部を
募金していただくものです。現在、1割程度の方が募金をしてくださ
っていまして、大きな成果を上げています。
 
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◆今後のビジョンを教えてください
 
現在も進行中ですが、“総合リサイクルのネットオフ”を目指してい
ます。来年は、創業10周年ですので、第2創業をしよう!という
意気込みで、加速度を増していきたいと思っています。
 
 
◆黒田社長の夢は何ですか?
 
リユースビジネスでナンバーワンになりたいと思っています。
宅配便とインターネットを使ったリサイクル分野では、私達がパイオ
ニアですので、今以上に日本にこの流れを浸透させて行きたいです
ね。日本はモノに溢れていると思いますので、今あるモノをより良く
循環させていける仕組みを作って行きたいのです。そして、将来的
には、海外から「日本はリサイクル大国だ」と言われるようになる
ための貢献がしたいと考えています。
 
 
◆本日は本当に素晴らしいお話を聞かせていただきありがとう
ございました。最後に、御社では人財は募集されていますか?

 
ネット系のシステム開発に興味があったり、既にできる学生さん達
に来ていただきたいですね。今後もインターネットを通じたリユース
事業に力を入れていきますので、興味がある方に来ていただけ
れば幸いです。よろしくお願いします。
 
 
◆貴重なお話を聞かせていただき本当にありがとうございました
  
  
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黒田社長は静かで落ち着かれた方でしたが、話しを始められると
内に込められた情熱を感じました。多くの方々のご支援や好機を
掴まれてきた背後には、黒田社長の熱い思いや志がそういった
ことを引き寄せたのかとさえ思われました。本当に素晴らしいお話
を聞かせていただきありがとうございました。今後の事業発展を
願っております。 
 
記事作成 水谷 翔 (起業家育成塾)
  
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