●日時 2008年4月7日 10:00~12:00
●場所 株式会社チューキョー 社長室
●株式会社チューキョーについての詳細は こちら
●インタビュアー 塾長 三潴 克彦
●小池重善氏 プロフィール
岐阜県出身。
工業高校を卒業後、印刷関係の
会社に4年勤めた後、22歳で創業。
現在は岐阜市に本社を置く総合企画・広告会社を営む
株式会社チューキョーの代表取締役を務める。
「小学校の時に将来は自分で事業をやろうと思った」、
このように語ってくださった小池社長。溢れんばかりの創造力を
お持ちの小池社長に創業当時のお話から様々な視点を持ち
先を読んで行動する大切さを語っていただきました。
◆現在のお仕事についてお聞かせください
私達の事業は印刷広告媒体の企画制作、販売促進の提案、
売り場づくりのノウハウ、流通経路の提案です。
その中でも最も得意としていますものが、カタログやパンフレット
というアナログ媒体での企画制作です。
最近では新しい取り組みとして「アナログとデジタルの融合」と
いう観点から、デジタル(Web)へのアプローチも積極的に取り組ん
でいます。
私は会社の創業当時から次にやってくるものは何か、どのように
時代が変わっていくのかをしっかり見据えて事業展開を行っていく
ことを心がけてやってまいりました。
そうすることで今までと全く違ったアプローチができ、様々な
新規事業の切り口となると思っているからです。
また、人材採用、教育について工夫して行っていることがあります。
若い人々が自分達で作ったチームを支援することで、良い人材を
育て、時には弊社に採用させていただくことがあります。
チームでは、そこでの目的、手段をしっかり自分達で考えてもら
えるようにし、自ら行うチームの支援を行っております。
弊社ではそのような活動を通じて、私達自身が刺激を受けると
同時に、素晴らしい人材を獲得できると考えているからです。
ある採用の時に、理屈では人を判断するのでは無く、その人の
情熱や意気込みを見るために、ちょっと工夫を凝らしたことが
ありました。そのように行った時は、働く思い、志がとても高く、
素晴らしい人が入社してくれました。
そして、新入社員の人々に弊社に入社してもらってからは、
将来独立をすすめることがあります。すると今以上に努力し、
夢に向かって前進してくれることがあります。私はそういう
人々を支援することが何よりも楽しいですね。
◆会社を始めたきっかけは何ですか
創業は昭和48年です。その当時、私は22歳でした。
六畳一間の狭い事務所から始まりました。
私が10代の頃はいわゆる日本の変動期と言われる時代でした。
当時の田中角栄総理大臣の頃の時代を生きていた私にとって、
本当に毎日が目まぐるしく変化していました。
学生の頃から私はものを売るということに関心がありました。
しかし、生産者から物を仕入れて加工して、小売店で販売する、
という流れのように、生産者からお客様までの距離が離れている
ことはあまり好きではありませんでした。
理由は、お客様に最終的に商品が届く頃には元の商品の形が
途中の過程で変わってしまい、生産者が商品を作った時の思いや
声がお客様に直接届かないのではないかと思ったからです。
私は直接声が伝わる商品を扱いたいと日々思っていました。
そんな時に思いついたのが、カタログ制作の事業でした。
カタログという媒体を通じての商品の流通は生産者とお客様の
距離が近いのではないか、と思いました。私はカタログ販売に
そのような魅力を感じ、自分でやってみようと思いました。
また、カタログ販売という事業自体はその当時はまだあまり普及
していませんでしたが、私は将来必ず、この流れがやってくると
感じていました。
岐阜市の本社ビル
◆学生時代の考え方や行動の仕方を教えてください
私は小学校まで岐阜県の田舎に住んでいました。
家は決して裕福では無く、幼少期に3回住む家が変わりました。
小学校の時は家から学校まで非常に遠く、片道1時間以上もかかり
ました。冬に大雪が降った時はとても通学できませんでした。
小学校3年生の時に、岐阜の田舎から市内に出てきました。
その時に「将来は自分で何かやろう」と思うようになっていました。
そして、私は様々なことに興味、関心を抱いて過ごしていたように
思います。これがこうなったらどうなるのだろう、もっと良く
するにはどうすればいいか、そういった風に考えていることが
多かったように思いますし、それは今も変わりません。
また、学生の頃には一人暮らしをしていたのですが、家賃を浮かす
ためにどうすればいいか、という問いから始まり、友人達とルーム
シェアをすることになりました。次に、生活をもっと快適にする
にはどうすればいいかを考え、実行しました。
私は、現状よりも効率的に何かできないかという視点で物事を考え、
行動していたように思います。
なんとなく見ているものにも、深く注意を向け、様々なことを
想像していました。常に頭を使い、先のことを考えていることが、
事業を始めてからも役に立っているのではないかと思っています。
このように起業家として次の事業展開を考えていくことは非常に
重要なことだと思います。
◆就職活動、社会人、働くことについてお聞かせください
工業高校に通っていたのですが、大学へは行かずに、将来のことを
考え印刷関係の会社に就職しました。4年ほど勤めたのですが、
たくさんのことをさせていただき、大変勉強になりました。
当時、社長から「何でもいいから成功することをやれ」と言われ
ました。海外に行って物品を仕入れて日本で売ったり、人材派遣の
仕事なども行いました。
大変なことも多かったですが、様々なことにチャレンジした経験が、
事業を行う際に、とても役に立ったように思います。
◆理想の人生と将来の夢について聞かせてください
現在はGスキャナーの技術を生かした事業展開を考えています。
実は私はGスキャナーの開発段階から携わっていました。
生産者、お客様、商品を売るショップにおいてGスキャナーの
技術を生かして行けば、さらに良い流通経路ができると思います。
今後、私は今以上に商品の本当の価値を問われる時代になると
考えています。本当にお客様を満足させる商品が売れ、そうで
ないものは売れないのではないかと思います。信用度や安心感が
ある商品が本物の商品だと思います。
この技術を事業に応用することで、私がずっと目指してきた
お客様にとって今まで以上に「安くていいものが手に入る仕組み」
ができると考えているからです。
瞬時に多くの情報をお客様にお伝えできるGスキャナーの
技術を使うことで、私は良い流通経路、販売システムを作って
いきたいと思っています。
◆夢や目標に向かって頑張っている人に一言お願いします
良い面と悪い面を見て判断すること、私は常々これを考えて
います。事業展開を考える時、人材を見極める時、お金について
もそうですね。会社についても必ずそういう視点で見ています。
何事に対しても両面を見ることで初めてわかることが数多く
あると思います。自分の興味、関心があることに対しても、
いい面ばかり見るのではなく、悪い面も必ず見ること。
そのような考えを持つことで、本当にいいポイントが見えて
くるようになるのです。
良いものと悪いものの両方と上手く付き合うことが大切です。
皆さんも様々な視点を持って取り組んでみてください。
◆本日はお忙しい中、本当にありがとうございました
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今回インタビューに答えてくださった小池社長は素晴らしい
創造力をお持ちの方という印象を受けました。
一つ一つの言葉にはしっかり考えられた意味の深さがあるように
感じられました。身の回りのなんとなく過ぎ去っていくものにも
目を向け、なぜか、と考え、どうすると良いか、といった視点を
持って取り組まれてきたという若い頃からのエピソードからは
大変多くのことを学ばせていただきました。
将来どうなっていくかを考え行動していくには、ほんの些細な
変化も見逃さず、理由を考え実際に自分で試していくことが
本当に大切なことなのだと思いました。
私も学生という期間を生かしてもっと様々なことに現場で触れ
多くの視点を持って取り組んでいきたいと思いました。
大変多くのことを勉強させていただきました。
本当にありがとうございました。
インタビュー記事 水谷翔(未来研究会)
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●日時 2008年3月8日 13:00~14:30
●場所 名古屋駅 JRセントラルタワーズ ロイヤルホスト
●家庭教師派遣のゼロイチについての詳細は こちら
●インタビュアー 水谷 翔 (未来研究会 代表)
●古賀浩嗣氏 プロフィール
三重県出身。名古屋大学大学院卒業。
在学中に家庭教師の派遣サービスを開始する。
一時は就職するが、数年後退職し、
現在は家庭教師派遣のゼロイチ代表。
創業は学生時代。困難や苦労はたくさんあったけど、頑張って
乗り越えてきた。教育の対するビジョンと学生時代のエピソード
を中心に語っていただきました。
◆現在のお仕事について聞かせてください
現在は主に家庭教師の派遣の事業を行っています。私たちが特に
力を入れていることは派遣する教師に向けてセミナーや勉強会を
行い質を上げることです。そうすることで学ぶ生徒さん達により
良い学習環境を提供できると考えているからです。
そして、社会人向けの人材教育会社と提携させていただきプログ
ラムを開発してまいりました。
まず、生徒さんには目標設定と生活改善をしていただきます。
どのようなことを、どれくらい学びたいかという要望を教師が聞
き、それを一緒に叶えていってあげる指導を心がけています。
最適な指導環境になるように工夫しています。
生徒さんには日々の出来事、考えたことや感じたことなどを日誌
に書いていただいています。一日を振り返り自分と対話してもら
うのです。また、一日のやることのチェックリストを作り、
毎日の行動を見直してもらいます。
それらを教師が最適なフォローを行い、最終的には生徒さんには
自分で変わろうとする独立した力を付けてもらいたいと思ってい
ます。自分で勉強を始めるようになると生徒さん達は目つきが変
わるのです。主体的になり、何事にも真剣になります。私は何よ
りもそういった瞬間が嬉しいですね。
私は最初、家庭教師の派遣の事業で目標設定などを行いより良い
学習環境を作っていこうと思っていた時、理念ばかりが先走り、
周りからは無理だと言われ、とても落ち込んでいた時期がありま
した。しかし、強い意志を持って続けていたことで今まで何度も
壁を乗り越えることができましたし、ある時は素晴らしい出会い
によって状況が良くなったこともありました。
◆仕事を始めたきっかけは何だったのですか
実は今の仕事を始めたのは学生の頃からなんです。大学3年生の
ある時に友人達と飲んでいた時に話が浮上したのがきっかけです。
元々教育が好きだったのもあったと思います。
そして、大学3年生の時は同時並行で就職活動もしていました。
でもある時気づきました。就職活動をしているのは自分だけだと。
私は理系の学部に行っていたので、周りのほとんどが大学院に
進学すると言って、就職活動はしていませんでした。
私は周りに流されて今までやっていた就職活動をやめ、あっさり
自分も大学院に進学することにしました。右往左往していました
が、家庭教師の派遣は何とか続けていまし、利益も出ていました。
その時に、ある教訓を学びました。
当時、利益は上がっていましたが、スタッフがあまりいません
でした。私はスタッフが集まらないのは利益が無かったからと
思っていましたが、実際に利益が上がっても来ませんでした。
これには驚きましたが、とても勉強になりました。
それでも何とか友人に引継ぎ、就職することにしました。一旦、
自分達で始めた事業から離れたのです。結局最終的に就職する
したのは大学院を出てからの24歳の時でした。
古賀社長と教師の方々との勉強会の様子
◆学生時代の考え方や行動の仕方を教えてください
大学1年生の時に「何で自分は大学に入ったのか」と考えてい
ました。毎日、大学には通っていましたが、疑問がなかなか解
消されることはありませんでした。
社会で働いている人達は社会の役に立っていると思いました。
でも、自分は何も役に立っていないと思いました。
大学3年生の時に一時、就職活動をしていた時にあることに
気づかれました。「自分にはエントリーシートに書くことが
何も無い」と。
理系の学部で研究が始まるのは4年生からでした。家庭教師の
派遣はやっていましたが、どこか自分で腑に落ちていないのか、
自分には何も無いのではないか、と思っていました。
そんな時にあるサークルに出会いました。内容は大学の卒業
生のいらない物品を一時預かり、新入生に安価で販売する、と
いうことを行っていました。私が驚いたのは、それを学生だけ
で企画し、運営しているということでした。私はすぐさま、
そのサークルで活動したいと思い、サークルに入りました。
そのサークルで80人規模を集客するイベントを行いました。
企画書の作成から運営をまでを中心的に手がけとても勉強にな
りました。また、活動を通じて様々な方々との出会いがあり、
とても刺激に満ちていました。
◆就職活動、社会人、働くことについて聞かせください
サークル活動を積極的に行っていたことで、大学院時代の2度
目の就職活動の際にはエントリーシートに書くことがたくさん
ありました。
ある時、東京で面接があったのですが、なんと履歴書を忘れて
しまいました。慌ててコンビニで「新卒・中途・アルバイト用
の履歴書」を買い(苦笑)、必死で東京までの電車の中で書いた
のを覚えています。しかも途中で書くスペースが無くなり、
A4のコピー用紙に追加分を書いておきました。
面接は服装の自由と書いてあったので、カラフルのパーカーで
面接会場に行きました。そしたら周りは全員スーツ。完全に場
違いの空気が流れていました(苦笑)。
しかも自己紹介の時にあまりにも話す時間が長く、試験官の方
に途中で止められてしまいました。周りには笑れるし、踏んだり
けったりだと思っていましたが、自分のことをしっかり伝える
ことができたという感触はありました。
最終的に半導体を扱う商社に内定をいただきました。
技術職として、顧客企業に商品を説明する仕事を行っていまし
たが、徐々に「これは本当に自分がやりたい仕事なのか」と考
えるようになりました。
もともと「何かを自分でしたい」という思いを持っていましたので、
じゃあ今の仕事を生かして独立しようか、という考えが浮かび
ましたが、技術を生かすという面では一朝一夕で独立してでき
ることでは無いと思い、日々悶々と過ごしていました。
そして、哲学めいたことを考えるようになりました。自分の生
き方や世の中がどうあるべきか、という視点で考えていました。
妬み、嫉み、恨みが無い世界がいい、そんなことを思いました。
そして最後に自分は教育という分野で世の中に貢献したいと思
い、学生時代に立ち上げた家庭教師派遣のゼロイチに戻る決心
をしました。
◆自分にもっとも影響があった出来事は何ですか
まずは、やはり学生時代に所属していたサークルの活動です。
大学生だけで運営しているということに驚きました。
そのサークル活動を通じて、ある時に新入生フェスティバルに
参加することになったのですが、そこで高校生達が将来に向け
て活動していた姿にも大変衝撃を受けました。
次に、大学3年生の時に塩野七生さんの「ローマ人物語」という
本を読み、その内容に刺激を受けました。ローマの長い歴史を
通じて描かれる世界観や思想に特に驚きました。中でも「寛容」と
いう思想に特に影響を受けました。
社会人になってからは教育家の原田隆史先生に多大な影響を
受けました。ある時に、テレビのカンブリア宮殿に原田先生が
ご出演されていました。私は原田先生の取り組みを見て、すぐに
先生の講座に興味を抱き、是非一度受講させていただきたいと
思いました。
その時、実は会社(家庭教師派遣のゼロイチ)は落ち込み、どう
しようも無い状況に陥っていました。藁にもすがる思いで、
先生の主催される塾に参加し、お蔭さまで何とか危機を乗り越
えることができました。
◆理想の人生と将来の夢についてお聞かせください
まず会社ですが、私は家庭教師というメディアを通じて主体的
に行動していける人財を育てていきたいと思っています。
そして志を同じくする、深い部分で繋がっていける仲間達と
楽しく過ごしていきたいと思っています。
妬みや恨みや無い社会になってほしいと思います。そうした理
想の社会を作る一員となれたらな、と思います。
◆夢や目標に向かって頑張っている人達に一言お願いします
私はよく生徒さん達にも言う言葉なのですが「壁は自分の身の
丈に合った壁しか現れない」と思っています。だから、どんな
に大変で辛い時でも何とか前に進もうと頑張っていれば、必ず
乗り越えられるきっかけは見つかると思います。
私は強いコンプレックスを持っていました。得意なことを伸ば
すことも大切だと思いますが、私は苦手なことや弱点を克服す
ることで逆にそれが武器にもなりました。
答えは全て自分の中にあると思います。頑張ってください。
◆本日は大変お忙しい中、本当にありがとうございました
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創業後に大変だったお話やどのように乗り越えたか、という
視点でのお話は大変参考になりました。インタビュー中の
古賀社長の真剣な眼差しが体験された出来事の状況を物語って
いるように感じました。
そして、学生時代のエピソードは今の私にとってとても意義
深いものでした。様々な活動内容と出会いの体験談は今の私に
とって将来を描く上で、とても勉強になるお話ばかりでした。
教育の観点で話される内容は私の日々の活動に多くのヒントを
与えてくださいました。今後の向けてさらなるやる気を掻き
立てられる話題に溢れていました。
本当にありがとうございました。
インタビュー記事 水谷 翔 (未来研究会 代表)
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