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夢を生きる方々に学生がインタビュー

(株)プルミエマリエ  山口 英樹 社長

2011-11-22 07:00:00 | インタビュー記事

●日時 2011年10月27日 13:00~14:00
●場所 株式会社プルミエマリエ 3F チャペル
●株式会社プルミエマリエについての詳細は 
こちら
●インタビュアー 水谷 翔 (株式会社アイミック)
   
●山口英樹(やまぐち ひでき)氏 プロフィール

大学卒業後、通信系の大手企業に就職し、
営業に従事するが、3年後に起業する。
1999年にブライダル事業を手掛ける
プルミエマリエを創業し、代表取締役に就任。
    
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今回は「世界一の花嫁」というコンセプトの元にブライダル
事業をご展開されているプルミエマリエの山口英樹社長に
インタビューさせていただきました。

  
   
◆現在のお仕事について聞かせてください
   
ウエディングドレスをはじめとする婚礼衣装全般のレンタルが
メインですが、婚礼で使用する場所(チャペル)もご提供させて
いただいております。基本的にはウエディングドレス屋さんという
位置付けだと思います。欧米に比べると日本では、お客様が

ドレスを買うという価値観はあまりなく、事業として成り立たたせる
には、レンタルという業態が主流になっていると感じています。
   
私達の提案する挙式スタイルをまとめると、以下の3つがメインです。

   
①リゾートチャペル(TUTUリゾートウエディング)でハワイや沖縄
 などのリゾート地で挙式を行うスタイル
 
②ルーメンスチャペル。結婚式自体をやらない方々向けの
 比較的安価で結婚する機会を提供する挙式スタイル
 
③従来からある式場やホテルで結婚式をしたい方々に向けた
 ウエディングドレスを提供するスタイル
  
  
◆リゾートウエディングの会場はいくつありますか?
  
沖縄に5つ、北海道に1つ、軽井沢に1つ、ハワイに1つですね。
東海エリアには弊社のみが扱える教会もあります。リゾートウエ
ディングの年間利用者数はハワイは約2万組、沖縄が約9千組で、
沖縄の需要が増えてきています。
   
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プルミエマリエ様 3階 チャペルルーム
 
 
 
◆会社を始めたきっかけを教えてください

  
もともと私の家系は自営業で、父親は車の修理屋さんを
やっていました。ですが、商売をしている両親の姿を傍で見て
いて、当時は自分には向いていないと感じていたので、
大学卒業後は、通信会社に入社しました。
  
通信会社に入った理由は、自分が行った仕事が実績として蓄積
されていくと感じたからです。入社してから約2年半は、一番早く
会社に出社し、一番遅くまで働いていました。仕事で成果を
上げるためには、誰よりも頑張らないといけないと思っていたから
です。様々なお付き合いやお誘いには、NOとは言わず必ず行く
ようにしていました。
   
仕事を始めてから2年後に部署替えがありました。今まで大きな
仕事をしていた部署に比べると、規模が小さなところで、それが
当時の自分には、あまり納得が行きませんでした(苦笑)。
 
ある時、上司と話すことがありました。自分は今まで社長になる
ために仕事を頑張ってきたことを伝えると、大きな会社であるので、
ここではどれほど頑張っても社長になれる可能性は限りなく
ゼロに近いこと聞き、愕然としました。それからは、恥ずかし
ながら仕事に身が入らなかったですね(苦笑)。
  
それでこのままでは自分がダメになってしまうと強く感じたので、
一念発起して起業をしました。
 
 
◆起業されてからはいかがでしたか?
   
最初は、父親の仕事の手伝いとイベント企画の仕事を中心に
行っていました。しばらくして、あるお客様をご紹介いただく
機会があり、その方から、結婚式の開催ができるかどうかと
尋ねられました。
    
当時の私は、結婚式を見たことも出たこともなく、何も分からない
状態でしたが、せっかくいただいた機会と思い、また当時の仕事に
比べると高額だったこともあり、お引き受けすることにしました。
正直言って、一番の動機はお金だったんですよ(苦笑)。
 
それからが本当に大変でした。知識・経験がゼロの状態での
スタートですから。毎回の打合せもドキドキしながら行くわけです、
こんなことを聞かれたらどうしようって(笑)。
とにかくブライダル関連の学習と練習を繰り返し行いました。
  
 
◆結婚式は無事に終わりましたか?
 
ええ、何とかお蔭さまで無事終了しました。実際に終わってみると、
結婚式は二人だけではなく家族や親族、友人など、本当に多くの
方々が関わっているのだと身を持って感じました。これには、
感動しましたね。
  
そしたら、何だか動機がお金だった自分が許せなくなったんです。
だから、お客さんに「この仕事は初めてでした」と報告に行きました。
たくさん不安にさせたでしょうし、ツメの甘い部分も多かったでしょう
から。
 
そしたら、お客さんから「最初から知っていたよ」と言われ
ました。「なぜ私を選んだんですか?」と尋ねたところ、「たくさん
いるプランナーの中から君が一番自分たちの結婚式を大事に
考えてくれると思ったから。」と。驚きました。
 
しかし、この仕事は責任が重いから今回で手を引こうと思っている
とお伝えすると、プレゼントさせていただいたアルバムを見ながら
お客さんに、
   
「山口君。君はここに写ってないね。でも僕たちのここ(ハート)に
写っているよ」と言われたんです。「え?」って。最初何を言われたか
わかりませんでした。続けて、
  
「来年も結婚記念日が来て、5年後も10年後も結婚記念日が来て
子供が生まれ家族が増えていく、その度にきっとあなたのことを
私たちは思い出します。ずっと私達の心の中に君がいることを
忘れないでね。」とお客さんがおっしゃってくれました。
  
強烈なインパクトを受けました。感動しました、本当に。この時、
人の心の中に生き続けられる仕事というものがあるんだと実感
したんです。
   
それから結婚式の仕事を本気になってやりました。「あなたの会社
で結婚式を挙げて良かった」と思って頂けるように、そして、このお
二人に、自信を持って仕事に臨んでいると伝えることができるように
頑張りました。
   
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ご案内いただいたスタッフ様と写真・アルバムの風景
 
 
◆お話を伺っていて心が温かくなりました。素敵なエピソードを
聞かせていただき、ありがとうございます。今後のブライダル
事業のビジョンをお聞かせ願えませんか?

    
まず、これまでの事業展開について少しお話させていただきます。 
創業10年目に会社を振り返ったんですが、恥ずかしながら、
そこには何も残っていなかったんですよ。ノウハウは無い、創業
メンバーは1人もいない。もう一度、これまでと同じ10年をやったら
会社も自分ももたないな、と感じました。
 
それならどうしたらいいか。世の中に認めてもらえる存在価値の
ある会社にしたい、世の中に必要とされるモノ・コトを発信できる
会社を創っていきたい、とても大変だった今までの10年があった
からこそ、このように思えました。それで、これからの10年を
見据えて、「世界一の花嫁」をコンセプトとして、社名もプルミエ
マリエに変更し、新しく動き始めました。
 
これから先、結婚式はますます日本の文化の象徴になると思い
ますし、相手や親子との絆を確認できる良い機会でもあります
ので、日本の良き文化の継承を、私達が結婚式を通じて発信して
いけるようになっていきたいと思っています。そのためには社員の
育成が重要ですね。プルミエマリエのコンセプトや大切にしている
ことを言葉や姿勢で伝えていける社員を育てていくことが今後の
課題でもあります。
  
   

◆社員教育はどのようになさっていますか?
 
自分で考え答えを出させるようにしています。私は答えや指示を
一方的に与えることで、社員の一人一人が自分で考えなくなり、
本来的に持っている価値や可能性の芽を摘んでしまいたくは
ありません。
 
意見を聞く時は、「会社の方針」「私が考えていること」「社会に認め
られるかことかどうか」を判断基準にしています。自分本位な考え方・
意見になっている時は指導します。
 
これに加えて、大切なのは、基本的なマナー・躾がしっかりできるよう
になってもらうことです。礼儀・作法・挨拶等は特に重要です。
マナーや躾ができている人はどこの会社に行っても通用すると思い
ますし、親になった時に子供に正しく教えられる。それが私達が目指す
社会から必要とさせる会社の人財だと思います。
   
  
◆理想の人生と将来の夢は何ですか?
  
生き方においては、いつまでも守りに入りたくないですね。
常に素直な心で新しい人や価値観に触れ続けていきたいということ
です。様々なご縁や機会を頂いたら、一つ余分をつけてお返しできる
ような生き方をしていきたいと思っています。
 
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◆夢に向かって頑張る人達に向けてメッセージをお願いします
  
自分達が育ててもらった日本という国を自分達が背負っていく
気持ちで頑張って欲しいですね。それから、社会に出るということは、
周りに対して何か一つでも価値を提供し続ける存在になることだと
思います。それは自分にしかできない可能性を形にするという
お金では買えないことでしょう。自分が提供できる価値を考え抜いて
頑張っていただきたいですね。こういう話は新卒採用の時にも
お伝えしています。
   
    
◆学生さん達は聞かれたらきっとワクワクするのではないで
しょうか。最後となりますが、求めていらっしゃる人材像や
採用基準はありますか?
  

例えば絵を描く時、一色でも素晴らしい絵を描くことができると
思います。でも、私達は色鮮やかな絵を描きたいと思っています。
色とは個性のことで、多くの個性が集まる会社にしたいんです。
つまり、自分を深く探求することが好きで、個性や持ち味を
しっかり理解し、周囲に伝えていける方に来ていただきたい
ですね。
     
また、素直な方が良いです。ブライダル業界は一生に一度の
イベントに関わります。だから、お客様との認識のズレも多いん
ですよ。その時は、ただ謝ることしかできない場合も実際に
あります。素直な気持ちを持って、過ぎた時間は取り返せない
ということやお客様にとって一生に一度のことを私たちに託して
いただいていることを理解して、お客様と向き合って欲しい。
そのように捉えられる方は、成長のスピードも早いと思いますね。
   
  
◆本日は大変お忙しい中、本当にありがとうございました
   
 
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山口社長のブライダル業界への強い思いと、そのきっかけと
なったエピソードがとても印象的でした。それから、働く従業員の
方々はとても明るく、気配り・心遣いが行き届いているプルミエマリエ
様の社内の様子・雰囲気にも感動いたしました。
本当に貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました。
   
水谷 翔 (株式会社アイミック/起業家育成塾)
 
  
ウエディング業界という華々しいイメージですが、過去にたくさん
のご苦労をされていたことが印象的でした。それが今の社長の軸
となる考え方に結びついている印象を受けました。「人」というキ
ーワードで次の時代を担う人材教育に力を注がれていらっしゃり、
社員の方々も生き生きとされていました。それがプルミエマリエ様の
魅力なのだと感じました。お話を伺って、勉強になる考え方を
たくさん聴くことができました。ありがとうございました。
  
記事作成 梶田 泰平(起業家育成塾)
 
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