ジャズヴォーカルが好きかと言えばそうでもなく、ただ歌は好きなのでたまに手を出します。Sophie Milmanを聴くのは2枚目ですが、正直両方ジャケに釣られています(笑)。
彼女の歌はど真ん中のジャズヴォーカルという印象。色彩感があるというよりはビブラートに太さと繊細さ、余裕があり、質感が高くて安定してるようなところに好感を持っています。
今回はストリングス入りというのもあって、コッテコテにベタなジャズヴォーカルをやっているならそれはそれで楽しみだなと。
聴いてみてまずバックのソリストたちのレベルの高さに驚きます。特に最近のジャズヴォーカルのバンドってこういう良いメンバーに囲まれていることが多いなぁ、と思いきやかなり見慣れた面々が固めていました。なんだ、これは嬉しい誤算です。
逆にストリングスは控えめでそれほど前面に出てきませんし、半分の曲でしか使われていません。もっとこう、音楽の底からすくいあげて浮かせて、キラッキラに仕立てて欲しかったのですがそういうことではないみたいです。
前作より弾けた場面が少なく、それだけに表情の変化が少ないためやはり若干弱さを感じてしまいます。ちょっと中途半端かも。やはりこのジャケからしてゴージャスなストリングスで振り切って欲しかった。
ただしどの曲もアレンジがよく、各ソリストがごくごく自然に見せ場を作ってヴォーカルと共に盛り上げていく流れは素敵だし、全編しとやかにまとめられた内容は安心して流しておけるので静かな時間に重宝しそうです。
Sophie Milman/Moonlight
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1.Do It Again Sophie Milman (Arranged by Rob Mounsey)
2.Oh, Look At Me Now (Arranged by Gerald Clayton)
3.Moonlight (Arranged by Rob Mounsey)
4.Speak Low (Arranged by Julian Lage)
5.Till There Was You (Arranged by Gil Goldstein)
6.Watch What Happens (Arranged by Rob Mounsey)
7.Prelude to a Kiss (Arranged by Alan Broadbent)
8.Ces petits riens (Arranged by Gil Goldstein)
9.So Sorry (Arranged by Julian Lage)
10.Detour Ahead (Arranged by Alan Broadbent)
11.Let Me Love You (Arranged by Kevin Hays)
12.Day Dream (Arranged by Alan Broadbent)
13.No More Blues (Arranged by Gerald Clayton)
Sophie Milman-vocal
Larry Grenadier-bass
Lewis Nash-drums(1-4.6.7.10-13)
Kevin Hays-piano(1.3.6.7.9.10-12)
Gerald Clayton-piano(2.13)
Gil Goldstein-accordion(5.8.9)
Gregoire Maret-harmonica(3.13)
Romero Lubambo-acoustic guitar(3.6)
Julian Lage-guitar(4.5.8.9.11)
Bashiri Johnson-percussion(3.4.6)
Randy Brecker-flugelhorn(6)
Chris Potter-tenor saxophone(10)
Orchestra(7 violins,3 violas,3 chellos,harp) -1.3.6
Orchestra(flute,alto flute,1-3 clarinets,bass clarinet,2 violins,viola,2 chellos)-7.11.12
2011年作品