当時ジャケ買いしました。ECMはこれやっても大外れはしないのです。
なんでこんな写真に惹かれるのかわかりませんが、個人的に名作扱い。
ちょっと忘れられないジャケです。
中身はドライ。Craig Tabornが居たらそうなりそうな温度感です。
ハズレではないのだけれどその先への感動が無い。
そういう扱いでした。
しかし2年ほどして何故か今頃効いてきたのです。
「ドライ」で済ませてはいけなかった。
ちゃんとストーリーが見えてきたのです。
ストーリーが見えてきたということはどこかに行ける音楽ということ。
よく聴けば曲が秀逸。ミニマルとまではいきませんが、非常に建築的。
そして動的な曲と静的な曲のバランスが絶妙。
書けば書くほど普通のECMという感じですが、僕は勝手にこの観覧車のある無人の遊園地に潜入しているのです。ジャケに手を借りているかもしれませんが、ちゃんと相互リンクしていると感じます。そこでここにある曲に導かれながら遊園地内で様々な何かを目にします。音楽のまんま、よくわからない何らかの感情です。喜怒哀楽では語れない感情、しかしそれこそ実際の心に迫るものです。
今更ですが、ECMの音楽を聴く目的はここか。
やっぱりハズレないから、今後も構わずジャケ買いアリだな。
Michael Formanek / Small Places
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1.Small Places
2.Pong
3.Parting Ways
4.Rising Tensions And Awesome Light
5.Slightly Off Axis
6.Seeds And Birdman
7.Wobble And Spill
8.Soft Reality
Tim Berne - alto saxophone
Craig Taborn - piano
Michael Formanek - double bass
Gerald Cleaver - drums, shruti box
2011年作品