音楽という食物

ジャズ系を中心に好きな音楽について

Al Jarreau/Jarreau

2009-04-26 19:58:41 | 洋楽
私の職場にはラジオがありません。なので自分の席の脇にラジカセを置いて小さい音で流しています。席に着くまで聴こえない、なんとも静かな職場です。そこではとりあえずJ-WAVEを流していて、結構うるさい番組とかもあるのですが色々な出会いもあるので何時もなんとはなしに聴いています。

さて、Al Jarreauです。彼の「Mornin'」がラジオから流れてきて(Art Blakeyとは全く関係ないです。こちらもよく流れている曲ですね)、今回聴いた時はやたらとグルーブが気持ちよくてググッと掴まれてしまいました。誰が叩いているのか調べたらJeff Porcaroなんですね。自分はこの時純粋にJeffの凄さを改めて知りました。

さっそく入手したのですが、全編通して素晴らしい作品でビックリしました。ドラムが云々以前に曲の良さ、アレンジの良さ等最高です。これは掘り出しものでした。そしてその上でやっぱりJeffのドラムは素晴らしい。

彼のドラムはジャズに比べればかなり慎ましいですよね。ジャンルがそうなんで、そうなるんでしょうが、子供な自分は今回初めてロックやポップス系のリズム隊の中で人知れず技を光らせる真の大人の職人芸を知った気がします。よく聴けば聴くほど目立ったことはしていないのに明らかに違うという、これは本当に職人ですね。

そしてこれをきっかけにTOTOのHPを見ながらJeffの参加作を漁るという日々がここ一週間ばかり続いています。

Boz Scaggs
Steely Dan
Michael McDonald
小田和正
竹内まりや、、、
 
といった具合です。こうして聴いてみると彼の参加する音楽は結構自分の時代にも合っていてどれも好きだなということに気付きました。Jeff Porcaro TREE,,,結構果てしないなぁ。まぁ、気がすむまで漁ると思います。

ところでこの「Mornin'」は最近George Bensonとも再演していて、自分もダビングした物を持っていましたが全然「Jarreau」の「Mornin'」の方が良いです。別物。結局Jeff Porcaroってことになるんでしょうか。

なんだか今回は「Al Jarreau」というよりは「Jeff Porcaro」でした(ただし、「Jarreau」でJeffが叩いているのは3曲くらいですが、ほかの曲もちゃんと良いですよ)。


お好み度:●●●●● ●●●●○



Al Jarreau/Jarreau

1. Mornin'
2. Boogie Down
3. I Will Be Here for You (Nitakungodea Milele)
4. Save Me
5. Step by Step
6. Black and Blues
7. Trouble in Paradise
8. Not Like This
9. Love Is Waiting

Produced by: Jay Graydon
Musicians
Al Jarreau, Jay Graydon, Jerry Hey, Chuck Findley, Gary Grant, Bill Reichenbach, Charlie Loper, Lew McCreary, Jeremy Lubbock, David Foster

Additional Musicians
Greg Mathieson, Tom Canning, Theophilus T. Blood, Steve George, Michael Omartian, Steve Porcaro, Robbie Buchanan, Abe Laboriel, Steve Gadd, Grey Trevorson, Jeff Porcaro, Victor Feldman

1983年作品

JUILLIARD JAZZ ALL STARS/FIRST STANDARDS

2009-04-20 21:38:38 | ジャズ
「ジュリアード音楽院という学校の先生と生徒によるスタンダード集」、と最も残念な感じで書くとまず惹かれることの無いこの作品は「図書館借り」というきっかけで知りました。

Dominick Farinacciのデビュー作で弾いていたAdam Birnbaumが目的です。これはbrad mehldau以来の、、、?と当時はちょっと期待しましたが、すっかり忘れていたのでした。しかし借りてみるとピアノは片倉真由子という人と分け合っていて、完璧に日本企画の無難なスタンダード集かぁ、とちょっとテンションが落ちたのでした。

ところがこの作品の収穫は大きかったのです。

まずはAdam Birnbaumの想像以上の好演。特にモンクチック的(モンクを弾くチック)なTWO FOR ONEは忘れられないトラックです。自分も気付かない心のかゆいところを掻いてくれるような痛快さを持っています。ちなみにこの曲はAdamのオリジナルで,彼のアルバムでも演っていますがこちらが断然いいです。Carl Allenが相当効いているということだと思います。

もう一点はこの片倉真由子さんというピアニストがかなり良いです。日本人でこの本場のタイム感というかグルーブ感を出す人はちょっと聴いたことがありません。音も奥行き感も良いです。これはセンスの部分だと思うので今後もっと出てくるのを待ってみたいです。

私個人の聴き方の傾向としてどうしてもリズム隊に重点が行ってしまいますが、この作品は特にピアノが聴きです。図書館って普段買わないものを気負い無く聴いてみることが出来るので結構重宝しています。偏見はいけませんね。




お好み度:●●●●● ●●○○○




JUILLIARD JAZZ ALL STARS/FIRST STANDARDS

01.SO WHAT
02.BAGS-GROOVE
03.BLUE IN GREEN
04.SOPHISTICATE DLADY
05.STRAIGHT NO CHASER
06.CARAVAN
07.SECRET LOVE
08.RE-EVALUATION
09.VISIONS
10.TWO FOR ONE

Dominick Farinacci(Tp)
Ron Blake(Tp)
Adam Birnbaum(Pf)
Mayuko Katakura(Pf)
Yasushi Nakamura(B)
Carl Allen(Ds)

2008.02.03-04

Return To Forever/Returns

2009-04-20 06:42:04 | ジャズ
Return To Forever(以下RTF)です。

最近chick関連のCDはやたら出ていて、Five Peace BandやらGary Burtonや上原ひろみとのデュオやらどれも未消化な気がします。

そして私は実はどの時期のRTFにも馴染みがありません。カモメも「そこまで?そんなに?」と思いますし、それ以降の音楽性は恐らく世代的(80年代商業音楽世代です)に最も「古く」感じてしまうため、chick作品の9割は持っていますがRTFやこの時期のフュージョンはスコーンと抜けています。MIDIMOOGの音で表現したかったことって何だろうとか、宇宙への憧れといった時代背景はどんなものだったんだろうとか、いろいろ頭で考えてしまうくらい、とにかく不思議な音楽といった印書です。

というわけで買うのは迷ったんですが、家にあるアンソロジーの中の音源を久々に聴いたらちょっと印象が変わっていました。あまりにも見事に時代の空気感がパッケージされていたし、その堂々たるB級サウンドっぷりに今までとは違ったインパクトを受けました。しかも「この音を今やっているの?」。

結果ですが、かっこいいですね(笑)。ゴチャゴチャ考えずに普通に楽しめました。残念ながら家で流すと妻には不評なので(客観的にはやっぱり強烈なんですね)、車で一人爆音で聴いてトリップしています。そう、トリップ。自分の中では一番遠くに行った感じのする音楽には違いないです。MIDIMOOGはやっぱ強烈ですが、当時にしか出来なかった宝の表現です。その時代にやったもの勝ちですね。

今まで聴いたことが無かったLenny Whiteのドラムは、一音一音タメと弾力が聴いていてずっと気持ちが良いです。Chick Corea Elektric Bandのようにカチッとしていないところで泳ぐchickのピアノも新鮮です。

というわけで楽しみにしていたFive Peace Band等と時期が被りましたが、8割型RTFを手に取っている自分がいます。自分にとっては「エグ良い」という新ジャンルです。


お好み度:●●●●● ●●○○○


Return To Forever/Returns

DISK1
1. Opening Prayer
2. Hymn of the Seventh Galaxy
3. Vulcan Worlds
4. Sorceress
5. Song to the Pharaoh Kings
6. Al's Solo: Children's Song #3/Passion Grace & Fire/Mediterranean Sundan
7. No Mystery

DISK2
1. Chick's Solo: Friendship/Solar
2. Romantic Warrior
3. Stanley's Solo: El Bayo de Negro
4. Lenny's Solo: Lineage
5. Romantic Warrior [Continued]
6. Duel of the Jester and the Tyrant
7. 500 Miles High
8. BBC Lifetime Achievement Award to RTF

Chick Corea on keyboards
Stanley Clarke on bass
Al Di Meola on guitar
Lenny White on drums

2008年/live


Lars Jansson/Worship Of Self

2009-04-19 23:28:35 | ジャズ
この作品はですね、買ってからほぼ毎日寝る前に聴いてます。もう3ヶ月は続いている。

Lars Janssonは私の中では結構な巨匠扱いです。初めて聴いたときは特に目立つ特徴もなかったのでしばらく忘れていたのですが、どうもいくつかの歌い回しを無意識のうちに頭の中に残されてしまって、改めて聴いた時に「はい、参りました」という具合です。

最近思うのですが、ピアノのスタイルとか個性というのはあんまり重要じゃないのでは、というより最重要な要素ではないと思い始めています。心を捉えるのは音に込められた「強い意志」や考えても解らない心の揺らぎに訴える「リズム」や「生命感」、楽器を「鳴らす」耳の良さ、これらが揃えばビバップだろうとモーダルだろうと関係ないように思います。少なくともジャズに関しては。商業音楽でもプロデュースの軸に「強い意志」が感じられるものは面白いなぁ、と感じます。

話は逸れましたが、この作品は彼のピアノ・トリオに4名のストリングスと5名の木管楽器を加えた構成になっています。まずは単純に曲やアンサンブルが美しいです。密度や温度感が好みです。そしてその中でピアノが埋もれること無く、浮いてしまうこと無く、しっかり潤いを持って歌っています。この人のピアノはとにかく生きていると感じます。タメ、ツマリ、ハネ。人を引きつける魅力的な会話をする人のようなものでしょうかね。

変わったコード進行やフレーズはありませんが、そういうものはあくまでオプションなのかなと思わされるLars Janssonのピアノ。今作は親しみやすい彼の音楽性とアンサンブルの構成がピッタリとハマっていて、最新作にして最高傑作かなとか感じています(全部は持っていないので大変いい加減な話なのですが、、、)。


お好み度:●●●●● ●●●●○


Lars Jansson/Worship Of Self

1. Savasan
2. Schooldance
3. Where is the blues 2
4. Awakening
5. River Falls
6. The wounded healer can heal
7. Hippocampus
8. Pinot Noir
9. Where is the blues 1
10. Giving Receiving
11. Where is the blues 3
12. What is tomorrow
13. Worship of Self

Lars Jansson <piano>
Christian Spering <bass>
Anders Kjellberg <drums>
Ensemble MidtVest

2008年作品



Enrico Pieranunzi/Dream Dance

2009-04-18 12:40:56 | ジャズ
安心ブランドのenrico pieranunzi。

相変わらず永久氷河を削り出したものから何か飲み物を作ってくれる感じ。音が隅々まで美味い。人間離れして美味い。一緒に働くいつもの二人もその辺よくわかっている。

この人の作品を選ぶ時気にかけるのは今回どの位辛めなんだと。そこだけ注意しますが今回はベストバランス。

始めの2曲は「さぁ、まずは氷をそのまま味わってみよ!」と来るからちょっと腰が凝りますが、あとから甘辛の良い振れ具合が続いて、あれよあれよという間に今時珍しく40分台で終わってしまいます。

嫌気のイの字もささずに終わられて、「イヤーマジっすか」とか独り言を言いながらまた聴き返してしまう、本当に良い作品、、、作品というか今回も相変わらずこの人良いな、という方が近いかも。クオリティーはいつも通り高いです。



お好み度:●●●●● ●●●○○



Enrico Pieranunzi/Dream Dance

1.End Of Diversions
2.No-Nonsense
3.As Never Before
4.Castle Of Solitude
5.Peu De Chose
6.Nippono Ya-Oke
7.Pseudoscope
8.Dream Dance
9.Five Plus Five

Enrico Pieranunzi(p)
Marc Johnson(b)
Joey Baron(ds)

2004年12月ドイツ-Ludwigsburg録音