もしかしたら最もファンキーなMarc Copland。
メンバーによるところなのか、この時代が比較的キャッチーなのかわかりませんが、こんな路線もアリだったのねという印象。
まさかしっとりと「What's Goin' On」なのかと思いきや、原曲のイメージを踏襲。
ちょっとガッカリ、というかこの人のイメージがブレかかったのですが、
このノリの中で変わらず青白く揺らぐピアノの音に逆に驚愕。
本当、この音はどっから出てるんでしょうか。
声とかならわかるんですが誰もが弾いているピアノですよね。
やっぱすごいですわ、この人は。
しかしバラード系スタンダードは反動で気持ちが入っているのか、ベースソロの「Prelude」から入る「Young And Foolish」は言語での説明不能な美しさ。「音楽で一番ピアノトリオが好き」と乙女のようになってしまいます。
「In The Wee Small Hours Of The Morning」「Come Rain Or Come Shine」あたりも同様に素晴らしすぎて、やっぱり「What's Goin' On」等の明るさの中で我を貫くCoplandはおかしくて少し笑ってしまいます。
こういう自分の音をいつでもどこでも連れて行ってしまう人は、何の変哲もない選曲とフォーマットで演奏しても自分の音になる訳だから、難しいことしなくてもいのになぁと思うのは勝手ないちリスナーの希望です。いずれにしてもこの1993年の作品は近年のものよりまっすぐ自分に届きました。
Marc Copland・Dieter Ilg・Jeff Hirshfield / What's Goin on
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1. What's Goin' On
2. Prelude
3. Young And Foolish
4. Scrapple From The Apple
5. Bigfoot
6. In The Wee Small Hours Of The Morning
7. Come Rain Or Come Shine
8. Take It To The Bridge
9. Photograph
Marc Copland-piano
Dieter Ilg-bass
Jeff Hirshfield-drums
1993年録音