音楽という食物

ジャズ系を中心に好きな音楽について

Paolo Fresu & Daniele di Bonaventura at イタリア文化会館

2016-09-28 11:38:20 | ジャズ



音楽狂様ブログにてこのライブのことを知り、仕事の予定でしたがとっさに予約したら取れたので行ってきました。
このライブは無料ということで、その理由などは今に至るまでよく知らないのですが、ちょっと行かないわけにはいかないですよね。

Paolo FresuはRalph Townerとのデュオ盤で丁度聴いているところで個人的には旬でした。
Daniele di Bonaventuraは聴いたことはありませんが、ECMでの構成のライブはおそらく初めて行くので楽しみ半分、不安半分。

不安とは、基本的に表向きな音は静を魅力とする音楽が多く、ライブでの熱気が足りず魔法が生まれないのでは、若しくは逆に熱気が原作の魅力をスポイルすることがあるんじゃないかという、そんな類の不安。

ホールはほぼ満席(370席)となり、想像以上の観客数のなかでライブはスタート。
結果、初めこそ重厚で静粛な音楽が展開されましたが、だんだん二人の温かい人柄やユーモラスさ、観客の受けの良さなどで会場の熱気はじわじわと高まって、
技術の先のまさに会話のような自由な演奏にプロフェッショナルの真の技術を見せつけられた、という感じの素敵なライブとなりました。

どういう音楽のどの場面に痺れた、というという記憶よりも、暖かくて楽しくなんだか幸せだった!という後味の良さ。


それから会場のオーディエンスはとても品の良いご年配のご夫婦が多く、また3割くらいの方がおそらくイタリア人のように思われ、
また3割くらいの方が文庫本を開いて開演を待っているという、私個人的には少し驚きの光景であり、また、とても居心地が良い空間でした。

自分に心地よい、趣向の近い人たちの集まりの中に、もしかしたら初めて身を置いたのではないかという気がしまして、
案外そのことがいつまでもうれしい尾を引いているという、そんなうれしいライブでした。


自分の好きな世界を少し思い出したような安堵する感覚。もっと積極的に出向いて行きたいと思っています。





Paolo Fresu - trumpet, flugelhorn
Daniele di Bonaventura - bandoneon

2016.09.10 イタリア文化会館アニェッリホール