音楽という食物

ジャズ系を中心に好きな音楽について

RIP SLYME

2015-02-10 00:27:03 | 邦楽


いつもの趣向と違いすぎるのですが、7年前くらいから聴いていてハマるとなかなか抜けられないRIP SLYMEです。

HIP HOPやRAPなど普段聴かないのですが、彼らの音楽はその辺の音楽ではあるものの、そういうくくりが難しいという典型です。
最近思ったのは、聴くときの楽しみ方がジャズを聴いているときととても近いということです。

テーマ以外は基本ワンコードで、その中でアウトしたり戻ってきたり。
4人のMCはそれぞれの声質とリズム、歌詞で自由を遊び、対比が生きるいわゆるソロ交換です。
通常の歌よりラップのほうがセンスがいると思われ、カラオケでこれを成立させること想像するとわかるとおり、相当難易度高いはずです。

そして一番のストロングポイントはDJ FUMIYAの作るバックトラックで、これはもう完全に天才だと思っています。
生ドラムのサンプリングのセンスしかり、
エレクトロニカの引き出しの多さしかり、
パロディーのセンスしかり、
各MCとのきめ細かな反応しかり、
この気持ちよさは説明が難しいのでもうYoutubeをベタベタ貼ってやめにしてしまいますが。

とどめはこのおバカな振る舞いで、格好つけや青臭さというこの手の音楽の最大の弱点を持っていないという点で、ほとんど隙のない音楽集団だと思っています。


おバカな振りして音楽的には最上級、それが自分のRIP SLYMEに対する評価です。
深いこと考えずに楽しんでいると、そのうち無数の仕掛けに驚き、ハマる羽目になります。



RIP SLYME - STEPPER'S DELIGHT


RIP SLYME - FUNKASTIC


RIP SLYME - JOINT


RIP SLYME - ブロウ


RIP SLYME - センス・オブ・ワンダー

Jakob Dinesen / P. S. I Love You

2015-02-07 23:07:37 | ジャズ


自分的にはテナーと言ったらこの系の音が好き。
ゲッツ系です。
ちょっと意図的なくらいにかすれるので少しだけアザトイ感じもあるのですが。

このジャケにこのタイトル、そしてストリングス入り。
失敗するための条件をすべて備えたこのアルバムは逆に要注意。
ジャケなどのせいで見逃す可能性が大だからです。

Jakob Dinesenは初めて聴くのですが、とても気に入りました。
音です。自分は音が良ければ何でもいい、というところがあるかもしれません。
フレージングも良いし、切れるところは切れるなど、少なくとも軟弱なプレーヤーではないです。

ピアノもいいしストリングスも甘すぎずで自分好み、悪いところは全く見当たりません。

あんまり気に入ったので過去盤も探して、Kurt Rosenwinkelとの共演盤なんかも同時に聴いてますが、本作ほどゲッツしていないですね。きっとそちらが素で、本作は少し聴きやすさと甘さに振ったのかもしれません。が、全然これでいいですよ。

ジャケで釣られて聴いた人、当たりだと思うでしょう。
ジャケで避けようとしたけど一応聴いてみるか、となった人、大当たりだと思うんじゃないでしょうか。



Jakob Dinesen / P. S. I Love You
●●●●● ●●●●○




1. That's All
2. Yasmin
3. Onlyest Way
4. P.S. I Love You
5. Lush Life
6. Between Two Moods
7. Tenderly
8. Bush Baby
9. The Band


Jakob Dinesen(ts)
Darin Pantoomkomol(p)
Anders AC Christensen(b)
Jakob Hoyer(ds)
Andrea Gyarfas,
Karen Johanne Pedersen,
Mette Brandt,
Samira Dayyani(strings)
Per Mollehoj(g)
Hugo Rasmussen(b)
Magnus Hjorth(string arrangements,p)
Nikolaj Torp Larsen(string arrangements)

2014年作品

Chilly Gonzales / Solo Piano II

2015-02-04 20:13:01 | ジャズ


非常に美しいソロピアノ。

以前に「Solo Piano」も聴いていて、とても好感を持っていました。
ただしあまり情報がなく(というかズボラなのであまりつっこんで調べない)、
素性が全く分からないまま、作品の内容だけが印象に残っているということで、
自分の中では先入観なしで評価していたことになります。

無理がない。シンプル。聴きやすい。
宅録のような音質で、調律もほどほど。
一番身近に知っているピアノの音と言えます。


Keithのような、Geroge Winstonのような。
レーベルのページに上から弾いている映像が何曲か出ているのですが、
こういうの見るとあらためてピアノってきれいな楽器だな、と思う。
そして頑張れば弾けそうな気もしてくる。
ピアノの魅力を再発見する人多いのではないでしょうか。

音はとても良く鳴っています。
肩書としては「エレクトロ・ヒップホッパー、ピアニスト、プロデューサー、ソングライター」
ということで、自分でもハッとしたのがFiestの「1234」なんかも手掛けていたということで、
この人の感覚はとても共感できます。結果的に知ったことでなおさら。

理想的なピアノの世界のひとつとして大事にしていきたい作品です。



Chilly Gonzales / Solo Piano II
●●●●● ●●●●●


01. White Keys
02. Kenaston
03. Minor Fantasy
04. Escher
05. Rideaux Lunaires
06. Nero’s Nocturne
07. Venitian Blinds
08. Evolving Doors
09. Epigram in E
10. Othello
11. Train of Thought
12. Wintermezzo
13. La Bulle
14. Papa Gavotte
15. White Litany



Chilly Gonzales-piano


2012年録音