

昭和8年発行の『勝地讃岐と其産業陣営』より
井筒屋醤油は歴史を元禄に発し、以来同地一帯引田醤油の名声を担って江戸積とは称し、遠く関東地方に移出して一躍引田醤油の声価を謳われた程である。
いまも引田には幾多の錚々たる醸造家あり、引田醤油の面目は燦然として輝くものがある。佐野(新平)氏が祖業醤油醸造業に就いたのは、明治30年頃で以来誇る伝統の声価を把持し、更に営業の積極化を図って大阪・徳島等に支店を設置するなど異常の活躍を続けた。
(中略)井筒屋醤油は千年の祖業として精進しつつあり。特に同醤油の特異として誇るべきは独特の風味にして、その醸法に於ても諸味を必ず二年乃至三年間貯蔵し、完熟後に非らざれば倉出ししない此の伝統を厳守する事に、その最上一番生揚醤油は品質の特性を謳われて居るのである。
斯くの如く引田醤油は、何れも品質を以って古銘を刻んで居るが、就中佐野氏の井筒屋醤油の如き時代を超越した確なる存在である。
平成25年3月撮影。
→讃州笠屋邸など【東かがわ市引田】
←讃州井筒屋敷(旧佐野家)1【東かがわ市引田】
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