散歩日記XX

主に趣味の話を書いているブログです。

なぜか仙台(13)再バー

2022-06-18 23:58:54 | 飲み歩き・日本国内
一軒目の焼鳥店を出て、まだバーが開く時間には早いため、繁華街を散歩する。趣のある店を眺めたり、公園で彫刻作品を発見して撮影をしているうちに18時になった。

仙台の老舗バーとして、昨日行った店以外にもう一軒、候補を考えていたのだが、どうにも見つからない。それらしいビルに来ても店が無いようなので、ついに諦めて電話をかけてみた(私、電話が嫌いなのよ)。すると「この電話番号はもう使われていません」だよ…。

さらに次の店を探すのは断念し、結局昨日行ったバー「M」へ。今日は先客が1名おり、少し離れた、一番入り口側の席に座る。



まず1杯目はジンソニックにした。この時、トイレを拝借したので、何のジンを使ったのか見損ねたなあ…。



ここのマスターは特に話しかけない限り何も言わないようだ。私も「2日連続です」とか、余計なことを言わずに飲む。



2杯目は「ソーダで割って美味しいリキュールありますかね?」と相談した結果、シャルトリューズヴェールのソーダ割となった。少し甘く、ほろ苦い味である。



ここでマスターが「多賀城行きましたか」と話しかけてくれた。これ、珍しいんじゃない? 私も「はい、行きました。それから昨日いた人が教えてくれた島川美術館が予想以上に良かったです。もしあの人が来たら、感謝してたとお伝えください」とお願いした。

最後は何が良いかなと思ってバックバーを見ると、みたことのないタリスカー10年のボトルがあるので「それ珍しいですね」と聞いたら、ボトルデザインが変わっただけなのだそうだ。そりゃつまらん…。

で、締めの3杯目はミルトンダフ10年ゴードン&マクファイルを注文。スペイサイドだそうだが、それなりに刺激的な香りがした。



これで勘定をしてもらい、店のコースターを記念にいただいた。1949年創業のバー、私ごときがどうこう出来るものではないが「ありがとうございました。お店を長く続けて頂けるようお願いします」とマスターに頭を下げて店を出た。戸が閉まる時にちらりと振り返ると、マスターがこちらに深々と頭を下げているのが見えた。

ちょっと心残りな感じがして、街をわざとジグザグに歩いてからホテルに戻る。ホテルに戻ってきて、ふと大浴場(といっても、洗い場が3つしかないくらい小さい)を覗いてみると誰もいないようだったので、風呂で汗を流す。天然温泉とのことで、これは良かった。そして風呂を出て、サービスのジンジャーエールを飲む。ことの外美味いね。

そして、今日は少しセーブしていたせいもあって、昨日購入した焼酎をソーダで割って飲むのであった。



テレビは「世界サブカルチャー史」ということで、1970年代の映画が紹介されていた。

コメント

なぜか仙台(12)焼鳥

2022-06-18 17:40:52 | 飲み歩き・日本国内
相当歩いて疲れた。一旦、ホテルに戻って休憩し、島川美術館からホテルに戻ってくるときに見つけた焼鳥屋さん「TK」に行ってみることにした。焼鳥が食べたくなり、他にも候補があったのだが、どうも混雑する店は避けたい。通りすがりに見かけた店が落ち着いた佇まいだったのである。

開店16時半ということで、17時前に行けばよいかなと思っていったら、先客が3組もいる。これは意外な人気店だったか…。カウンターが2席ずつ区切ってある所に座れそうなので、そのまま入店。暑さと喉の渇きで酸っぱいものが欲しかったのでクエン酸サワーを注文する。

クエン酸サワーを飲みながら、通しは手羽大根。悪くない。



焼き物には時間がかかりそうだったので(先に来た客の注文ラッシュだった)、そう思って注文しておいた煮込み小がやってきた。



うむ、この煮込みはモツ臭さも全くなく、美味いね。札幌よりも仙台は煮込みレベルが高いような気がする。

そして焼物。最初は名物らしい、皮から。福岡の皮焼きほどではないが、みっしりと巻き付けられた皮はなかなか美味い。ちょっと先端が焦げ気味なのが惜しい。



続いて鶏もも。この味でこの店の水準がわかるような気がするね。せっかくそのままで美味い鶏なのだが、卓上にある辛み味噌も使ってみたくて少し付ける。おお、なかなか合うじゃない。ここでウーロンハイを注文。




→一口飲んだので減ってます。

3本目はつくねだ。ボリューム感のある捏にネギが乗っており、そのまま食べてよし、さっきの味噌をつけても良しだ。



少し時間がかかっての4本目は希少部位と書いてあったはつしも。姿を見ると、つなぎという部位かもな。これは少し先端部分の焦げが強かった。



全体的に料理自慢でもあり(海鮮も豊富だった)、焼き鳥のポテンシャルも高く美味しい店だったが、少し焦げが強いような気がするなあ。その辺を注意してくれると、文句なしになるような気がする。店の若い男性衆は少し愛想がなかったが、一人いるお姉さんの接客が大変良かったと思う。




→ね、落ち着いた店構えなんだけどなあ。
コメント

なぜか仙台(11)島川

2022-06-18 15:11:05 | 旅日記
続いて、昨日バーで知り合った人に教えてもらった美術館に行ってみる。

■島川美術館「花・華の展覧会」。入場料が一般1200円だから、それなりに期待して入る。すると、何とビルの2階から5階まで展示室だというではないか。最上階から見るのが順路だそうだ。





岸田劉生「椿花図」:鮮やかな赤で椿を描いた作品。
小島善三郎「百合とポンポンダリア」:少し花の形を抽象化して、ユーモラスに見える。
林武「薔薇」:林らしく、絵の具グリグリという感じ。

小磯良平「花」:最小限のタッチで、ところどころガクガクした線が見えるが、それでもきちんと花に見える。小磯マジックである。
キスリング「ポピー」:赤い花と緑の花瓶が対比的。キスリングの中でもいい方の作品に思える。
田中一村「蓮上観音像」:随分と生々しい花の上に観音が立っている。

ここから先は、常設展示かな?

ビュッフェ「ディナン港と陸橋」:緑やオレンジなど、ふんだんに色彩を使った大きな良い作品。
安井曾太郎「立像」:正面から見るとあれれという感じなのだが、横から見ると実にスタイルの良い女性に見える、不思議な描き方をした作品。
青木繁「海」:結構普通に描いた作品で、点描がモネっぽくもある。

高橋由一「江ノ島図」:上手い。
佐伯祐三「白い道」:何とも言えない暗さと建物の歪みが怖い。
加山又造「不二」:金色に輝く鮮やかな富士山。

田中一村「海の幸」:イセエビやクエ? をドーンと描き、青木の「海の幸」とは大違いだ。
田中一村「黄昏」:沈みゆく太陽の光が絶妙に描かれて、これまた良い作品だ。
速水御舟「芙蓉」:写実的でわかりやすい作品。

平山郁夫「黄河夕日」:左端にちょこっとだけ陸地が見え、後は河である。平山がこういう大胆な構図を取るとは思わなかった。
中島千波「紅牡丹」「白牡丹」:遠くから見て相当な迫力のある傑作。
川端竜子「夕凪」:ターナー張りに空気を描いた作品。

横山大観「霊峰不二」:かなりの巨大作品だが、そこを破綻させないのが大観の技であろう。

作品の撮影は基本的に不可だが、最後にあった東山魁夷のリトグラフは撮影可能であった。



ロビー階に降りるところにステンドグラスがある。



ロビーにはE.Barrias「モーツァルト」が展示されていた。



美術館全体の印象は、小樽芸術村の似鳥美術館を少し小規模にしたような感じかな。なかなかいい作品を持っているので、一度は見ても後悔しない美術館だと言えるだろう。
コメント

なぜか仙台(10)東北学院大

2022-06-18 14:20:19 | 美術・アート
次は昼食の場所から歩いてちょっとの所にあるはずの東北学院大学博物館へ。かなり歴史のある大学らしく、建物に趣がある。

東北学院大学本館。設計J.H.モルガンで1926年竣工である。



次も設計J.H.モルガン、1932年竣工のラーハウザー記念東北学院礼拝堂。



それから、ここは北海学園大学と関係があるのかな。ちょうど対抗戦が行われているようだ。道にかなり迷いつつ、博物館へ。



■東北学院大学博物館「企画展 EMAMITE」。かなりマニアックな絵馬の展示である。
岩手県遠野市「絵馬」:そりゃ絵馬だから、馬が描かれるよね。



福島県相馬市「絵馬(夕顔観音)」:絵馬なのに瓢箪。



展示されている中で一番古そうだったのは、明治十三年の絵馬だ。



山形県鶴岡市「絵馬(火防神牛)」:絵馬なのに牛。



宮城県角田市「ムカデ絵馬」:さらには絵馬なのにムカデ。ムカデは毘沙門天の使いという話と、ムカデが蚕を食べてしまうネズミの天敵という話があり、そこから絵馬に用いられているのではないかということだった。



他には「墨書人面土器」。お祓いに用いる道具だったのではないかとのこと。



右「板碑 ア(胎蔵界大日如来)/キリーク(阿弥陀如来)」、左「板碑 キリーク(阿弥陀如来)」。供養のために作られ、なぜか壊されて海に捨てられることが多いのだそうだ。



なんだか不思議なものを見た気がする。博物館は学芸員の研修施設を兼ねているそうで、受付の方々が説明する気満々だったのだが、少し疲れてきた私はお断りしてしまった。なんだか申し訳ない気もするが、ちょっと無理だったのだよ。



ここから地下鉄に乗り勾当台公園へ。昨日バーであった人に教わった美術館に行くのだが、その前に県庁・市役所あたりを見ておくことにした。得てして、こういう所には彫刻が展示されていることが多いのだが、予想通りに結構な彫刻作品をゲットしてから、当初の目的地へと向かう。

街中の彫刻は別の記事で紹介したい。
コメント

なぜか仙台(9)牛タン

2022-06-18 12:36:02 | 食べ歩き
国府多賀城付近にはあまり飲食店がなく、ちょうど昼頃に仙台駅に戻ってきた。次の博物館へ行きがてら、ちょっと南に移動して軽く食事を取ろう。何軒かの飲食店が連なる所で、土日は昼からやっている牛タン料理の「TZ」の立ち飲み部へ。開店すぐなので、先客はなし。

喉が渇いたのでジムビームハイボール、牛タン焼き、たんすじ煮込みを注文(食券制なので自販機で購入し、店の人に渡す)。



店内には宮城県内の日本酒銘柄がそろっているが、昨日の反省からハイボールにしておいた。



そのジムビームで喉を潤し、まずは牛タン焼きが到着。それにしても、牛タンは高くなったよね。大体味も予想通りで、ま、それなりである。



それよりも、たんすじ煮込みが美味い。思った以上に牛タンも入っているし、煮込みとして根本的に美味しい気がする。



ここにくる人には、お店には申し訳ないけれども、牛タン焼きより大幅に値段が安い煮込みをお薦めしたい。



酒も1杯にとどめて、次へ。
コメント

なぜか仙台(8)東北とは

2022-06-18 11:37:14 | 美術・アート
東北歴史博物館、こんどは常設展である。昔の人が食料にしていた魚の骨。



東北と言えば遮光器土偶がある。



中央上にある「ヒスイ製大珠」は重要文化財。



「軽武装の男」「盾を持つ人」。大きな埴輪もある。



「多賀城」の由来を書いた石碑。



多賀城第II期の政庁模型。多賀城は単なる地名ではなく、国の役所があったのだ。



そして「金色堂内陣柱」(複製)が展示されている。宮城県仙台は東北6県の代表でもあるのだろう。



重要文化財「一切経の一巻」。



秋田県横手市の「厄神様」。米作があったせいか、藁人形が多く伝わっている。



福島県田村市「お人形様」。



ナマハゲの仲間であろうか「アマハゲ」。



そして「ヤマハゲ」。東北地方に共通する風習は多いのかも。



大町通り東側より仙台城大手門を望む模型。やはり北海道とは歴史が違うよね。



「間引きをいましめた絵馬」。しかしながら、冷害で酷いことも沢山あっただろう。



一通り見終わって明るい外に出ると、宮城県指定有形文化財「今野家住宅」が設置されていた。ホンヤ(本屋?)は1769年に石巻市に建てられたもので、それを移築したのだそうだ。





いや、見ごたえのある博物館だった。



再び国府多賀城駅に戻ると、駅の前に多賀城? の再現模型(チャチに見えるが)があった。



扇畑忠雄先生歌碑「多賀城に立ちて落日に向ひけむ家持をおもふまぼろしの如」。



さあ、仙台駅に戻ろう。

コメント

なぜか仙台(7)東洋文庫

2022-06-18 10:30:12 | 美術・アート
仙台駅から15分程度で国府多賀城駅到着。駅の裏すぐに相当立派な東北歴史博物館がある。





おお、何も知らないで常設展でも見るかと思って来たら、こんな特別展がやっているとは!



今日は何かイベントがあるらしく、子どもたちが大勢集まっている。弓で動物の的を射るアトラクションコーナーもあった。



開場少し前についてしまったので、9時半まで待って入館する。先に特別展から見ていこう。

■東北歴史博物館「知の大冒険 東洋文庫名品の煌めき」。
「万世師表図」:孔子とその弟子たちの名前を列挙し、教えが広く行き渡っていることを示す図。
司馬遷「史記」:もちろん司馬遷の時代のものではなく、1525年に刊行されたものだが、さすがに「オオッ」とうめいてしまうね。
郭璞傳「山海経」:無首で胴体に目と口がある野蛮人風の怪物が描かれている。

王義之書「蘭亭序」:楷書、行書、草書を広めた王義之の行書。なんだかもうスゴイ。
解縉ほか編「永楽大典」:本文22877巻の百科事典で、正本は焼失。副本の内63巻34冊を東洋文庫で持っているというのだ。
郭麟趾等編「高麗史」:こういう他国の歴史書も貴重なものであっただろう。勝海舟所蔵だったらしい。

「越南婚葬行列図」:「人生七十古来希」というのぼりが描かれている。
トーマス・ラッフルズ「ジャワ誌」:素晴らしい挿絵が見どころだ。
エドワード・ドノヴァン「インド昆虫記」:青と黒の蝶がエッチングと手彩色で見事に表現されている。

ヘルマン、ロベルト編「高地アジア科学調査」:描かれた図には5000m以上の土地も多いそうだ。貴重なものだろう。
「相承図」:アダム、ノア、アブラハム、モーセ、ダヴィデ、イエス、ムハンマドの名前が列挙されているが、なんか違う人が混じっているな。
マルコ・ポーロ口述、ルスティケッロ著「東方見聞録」:これまた驚きを隠せない。

シャップ「シベリア旅行記」:天体観測のためシベリアを旅行し、ロシアのことを「自由のない遅れた国」と書いてエカチェリーナ2世を激怒させたという逸話が紹介されていた。
「イエズス会士書簡集」:マリー・アントワネット所有とされている。
ジョゼフ・ドゥ・ギーニュ編「ナポレオン事典」:なんと漢字辞典なのだが、部首と総画数から文字を読めなくても探すことができる画期的な辞典なのだそうだ。

陳寿撰、斐松之注「二十一史 三国志 魏志 烏丸鮮卑東夷伝」:いわゆる「魏志倭人伝」である。卑弥呼って書いてあるぞ。
何晏編「論語集解」:1315年に書写された、重要文化財。
「文選集注」:「文選」という6世紀前半の詩文集(過去千年の作品が載っている)の代表的な注釈を集めて再編集したもの。それが国宝。

大伴家持ほか編「万葉集」:もうすごい資料連発で、驚かなくなってきたかも。
グイド・ガルチェリ「天正遣欧使節記」;天正遣欧使節団がローマに到着し、法王に謁見し、リスボンへと出発するまでの記録。
仮名垣魯文「安政箇労痢流行記」:コレラが流行し、火葬が間に合わずに棺桶がゴロゴロと置かれている図がある。

モンクヌス「ミヤコ図」:想像で京都を描いたため、やたらと高層建築が多いというもの。
大槻玄沢「環海異聞」:仙台藩の若宮丸という船がロシアに漂流し、そのまま世界一周した人たちの話を記録したもの。

なんだかもう、驚きの展示であった。文章は光に弱いため、撮影はもちろんできない。出口のところにこんな感じの展示があり、これだけ撮影できた。



疲れてきたが、常設展に行こう。
コメント (2)

なぜか仙台(6)朝食から駅まで

2022-06-18 09:00:52 | 食べ歩き
昨日は少々やり過ぎたが、早く寝たせいか6時起床。二日酔い感はあるものの、一応朝食を食べる。サラダ、鳥煮物、玉子焼き、ハム、枝豆クリームスープ、ずんだ餅、パン、オレンジジュース、コーヒー。枝豆クリームスープが体に染みる。



8時過ぎにホテルを出発し、商店街をぶらぶら歩きながらJR仙台駅へ。今日も天気がよさそうだ、というより暑そうだ。







仙台駅で見つけた、齋藤玄昌實の雄石絵「漂泊の旅人…芭蕉」。石巻市雄勝町産の玄昌石にアクリル絵の具で絵を描き、東日本大震災からの復興を祈念するものらしい。


→写真写りが悪くて申し訳ない。

9:02の小牛田行きに乗り、国府多賀城へ。



席は空いているかなと思ったら、1人置きに座るくらいの人が乗ってきた。

コメント