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皮膚病(尋常性乾癬、アトピー)専門神戸寶元堂薬局ブログ

尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、アトピー治療専門の寶元堂薬局です。

夏バテと熱中症を防ぐ!「気」を補い、潤す漢方養生

2025-07-01 08:45:17 | 出張相談

夏バテと熱中症を防ぐ!「気」を補い、潤す漢方養生
〜生脈散と補中益気湯で整える、夏のからだ〜

梅雨が明け、いよいよ夏本番。日差しは強く、湿度も高く、心身にかかる負担は一気に増していきます。例年に比べても暑さが厳しくなる傾向が強まる昨今、7月は「夏バテ」や「熱中症」など、体調を大きく崩しやすい季節です。

このような時期こそ、「なんとなくの不調」を放置せず、未病(みびょう)のうちに手を打つことが肝心です。「疲れやすい」「汗をかきすぎてだるい」「食欲がない」「動悸や息切れがする」といった症状は、夏の「気」や「水」の乱れが原因かもしれません。そんなときに頼りになるのが、東洋医学の智慧を活かした漢方処方や薬膳の考え方です。

特にこの季節に重宝されるのが、「生脈散(しょうみゃくさん)」「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」というふたつの処方です。どちらも「気虚(ききょ)」や「陰虚(いんきょ)」といった夏に起こりやすい体内バランスの乱れを整えてくれるもので、多くの方の体調管理に役立っています。

今回はこのふたつの処方を軸に、夏の漢方的な体調管理法、熱中症や夏バテの防ぎ方、そして日々の薬膳の工夫についてじっくりとご紹介してまいります。

夏の暑さがもたらす「暑邪(しょじゃ)」と「気」の消耗

東洋医学では、夏の邪気を「暑邪(しょじゃ)」と呼びます。暑邪は非常に陽性が強く、体に熱をこもらせ、気や津液(しんえき:体内の水分)を激しく消耗させる性質があります。大量の汗とともに、体内の大切なエネルギーである「気」が失われ、だるさ、めまい、息切れ、動悸、疲労感といった症状が出やすくなります。

特に日本の夏は、高温多湿という特徴があり、単なる熱中症リスクだけでなく、「湿邪(しつじゃ)」によって消化器官が弱りやすいのも特徴です。湿度が高くなると、脾(ひ)=胃腸のはたらきが鈍くなり、食欲不振、下痢、胃もたれなどの症状が増えてきます。さらに、冷房による寒暖差、冷たい飲食の摂りすぎなども胃腸を冷やしてしまい、元気を支える「気」がさらに消耗してしまうという悪循環に陥りがちです。

これがいわゆる「夏バテ」の正体です。「夏バテ」は単なる疲れではなく、体の内側のエネルギーである「気」が不足し、水分バランスも崩れ、胃腸が弱った結果として起こっているのです。

生脈散:失った“気”と“潤い”を同時に補う、夏の三方補剤

「生脈散」は、古代中国の医師・李東垣によって創出されたとされる、夏の暑気対策の代表処方です。「麦門冬(ばくもんどう)」「人参(にんじん)」「五味子(ごみし)」の3つの生薬で構成されており、それぞれの生薬が「気を補う」「津液を養う」「汗を引き締める」役割を担っています。

麦門冬は、潤いをもたらしつつ、熱を冷ます効果があります。特に口の渇き、喉のイガイガ、乾いた咳があるようなときに体内の陰を補ってくれます。五味子は、汗のかきすぎによる体液の漏れを防ぎ、心肺を安定させてくれます。そして人参は、全身の「気」の回復を助け、疲労回復に大きく貢献します。

この三つの薬が協力し合うことで、夏に失われがちな「気」「陰(潤い)」「津液(体液)」を同時に補えるのが、生脈散の強みです。

たとえば、強い日差しのもとで外回りの仕事をしている方、暑い中で運動や作業をする方、エアコンと外気の温度差で体力を消耗している方などにぴったりです。また、高齢者で日中ぐったりしやすい方、汗をかいたあとに立ちくらみがする方など、夏に起こる“エネルギー切れ”の補給薬としても活躍します。

補中益気湯:胃腸を立て直し、気力と体力を取り戻す

夏バテの大きな要因のひとつは、「胃腸虚弱」です。暑さで食欲が落ち、冷たい飲み物やアイスなどを摂ることでさらに胃腸の機能が低下し、栄養を吸収する力が弱まってしまいます。その結果、体に必要な気や血が作られず、ますます疲れやすくなる……このような「悪循環」を断ち切ってくれるのが、「補中益気湯」です。

補中益気湯は、「中(=脾胃)」を補って「気」を益す処方。黄耆(おうぎ)、人参、白朮(びゃくじゅつ)、当帰(とうき)、陳皮(ちんぴ)、升麻(しょうま)、柴胡(さいこ)、甘草(かんぞう)などが配合されています。胃腸のはたらきを高めることで、自然と体力も気力も回復し、暑さに負けない体を作る手助けとなります。

特に、暑さにあてられて「朝から疲れている」「食べても力が入らない」「日中眠くて頭が回らない」という方には、この処方が非常に有効です。また、補中益気湯には気のめぐりを上向かせる作用もあるため、内臓下垂による胃もたれ、倦怠感、起立性低血圧といった症状にも効果を発揮します。

「暑さでやる気が出ない」「寝ても疲れが取れない」「集中力が続かない」という方は、一度補中益気湯を取り入れてみるのも良いでしょう。

夏に取り入れたい薬膳と生活の工夫

漢方薬と並んで重要なのが、日々の食生活です。夏は体の水分とエネルギーが失われやすい季節。口当たりのよい冷たいものに偏りがちですが、体を冷やしすぎないようにしながら、潤しつつも消化に優しい食事を意識することが大切です。

例えば、はと麦は利水効果がありながら胃腸の働きを整えてくれる夏の定番食材。とうもろこしのひげ茶は利尿作用があり、体の中にこもった熱や余分な水分を排出してくれます。山芋や長芋は気を補いながら消化吸収を助けてくれます。夏野菜では、ゴーヤやトマト、きゅうりなども体の熱を取ってくれますが、冷えがちな方はスープや炒め物で調理するとよいでしょう。

また、夏場でもシャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで汗腺の働きを整え、睡眠の質を高めることができます。冷房は体の芯を冷やしすぎないよう28度前後に設定し、足元が冷えないようにレッグウォーマーや腹巻きを活用するのもおすすめです。

「養生」とは、特別なことをするのではなく、日々の暮らしの中でちょっとした“バランスを意識する”こと。夏は「陽」が盛んな分、どうしても体が頑張りすぎてしまうので、「ほどほどに休む」ことも大切なセルフケアです。

体調の変化を見逃さず、早めのケアを

気候が厳しくなると、どうしても不調を我慢してしまいがちですが、漢方の視点では「ちょっとおかしい」と感じたその時点こそ、対応のチャンスです。疲れやすい、眠りが浅い、胃腸がすっきりしない…そんな未病の段階で漢方を取り入れることで、大きな不調を防ぐことができます。

生脈散と補中益気湯は、どちらも「気」を補う処方ではありますが、症状や体質によって使い分けることが大切です。汗が多く、喉が渇くようなタイプには生脈散を。胃腸が弱り、だるくて元気が出ないような方には補中益気湯を。それぞれの体質や状況に合わせて使い分けることで、より効果的に夏を乗り切ることができるでしょう。

夏は、自然の陽気に満ちあふれ、活動的になれる反面、体にとっては非常に負担の大きい季節でもあります。知らず知らずのうちに気を消耗し、水分バランスを崩し、胃腸を弱らせていることが多いのです。

そんな夏にこそ、漢方の力を活用してみませんか。生脈散と補中益気湯というふたつの処方は、まさに“夏の漢方の王道”。必要なタイミングでしっかりと補えば、夏バテや熱中症を未然に防ぎ、元気に毎日を過ごすことができるはずです。

暑さに負けない体づくり、そして、心も体も軽やかな夏をお過ごしください。フォームの終わり

夏バテ予防におすすめの薬膳食材とレシピ

  1. はと麦ととうもろこしの薬膳スープ

効能:利水・健脾・疲労回復

  • 材料:はと麦(大さじ2)、とうもろこし(1本分)、鶏ささみ、しょうが、塩
  • 作り方:はと麦は一晩水に浸けておき、鶏ささみとともに煮る。仕上げに塩で味付け。

🔸 はと麦は体の余分な湿気を取り除き、胃腸を整える作用があります。

🍚2. 枝豆とクコの実の薬膳ごはん

効能:気血を補い、夏のだるさを回復

  • 材料:白米1合、枝豆(むき身)、クコの実(大さじ1)
  • 作り方:炊飯時に枝豆とクコの実を入れて炊くだけ。

🔸 クコの実は目や肌にもよく、夏の疲れにぴったり。

 

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湿熱タイプの肌トラブルに注意!6月の漢方美容法

2025-06-29 06:06:56 | 出張相談

湿熱タイプの肌トラブルに注意!6月の漢方美容法

〜にきび・湿疹・かゆみは体内の“湿熱”が原因かも?〜

6月は梅雨の季節。じめじめとした湿気に加えて、気温が高くなり始めるこの時期は、肌トラブルが増えやすい時期でもあります。特に「にきびが悪化する」「湿疹が出やすい」「体や顔がかゆい」「肌がべたつく」といった悩みが増えるのがこの季節の特徴です。

東洋医学では、これらのトラブルの背景に「湿熱(しつねつ)」という体内バランスの乱れがあると考えます。今回は、湿熱タイプの肌トラブルについて、漢方的な見方とその対処法をご紹介します。


■ 「湿熱」とは?~肌に現れる“内側の熱と湿気”~

「湿熱」とは、読んで字のごとく「湿(しつ)=湿気」と「熱(ねつ)=炎症・過剰なエネルギー」が体の中にたまった状態を指します。特に梅雨の時期は、外から湿気が入ってきやすく、体の中に熱がこもりやすくなるため、湿熱の影響を受けやすくなります。

◎ 湿熱による肌トラブルのサイン

  • 赤みを帯びたにきび(とくに顎まわり・背中・胸など)

  • 化膿しやすい吹き出物

  • ジュクジュクした湿疹

  • かゆみを伴う皮膚炎

  • 肌がベタベタしやすく、あせもができやすい

  • 舌の苔が黄色くて厚い(舌診でチェック)

これらの症状は、単なる皮膚の表面トラブルではなく、体の内側=内熱と湿の過剰を映し出していると漢方では考えます。


■ なぜ梅雨に湿熱がたまりやすいの?

梅雨の環境は「湿気が高く、汗をかきにくい」「食欲が落ちて消化機能が低下する」「水分代謝がうまくいかない」といった条件がそろいやすく、湿邪が体内にとどまりがちです。

さらに、冷たい飲み物・脂っこいもの・甘いもの・アルコールなどをとりすぎると、胃腸の負担が増え、体内で“熱”が発生します。この熱と湿が合わさることで「湿熱」が生まれ、肌トラブルを引き起こします。


■ 湿熱をさばいて肌を整える!漢方薬3選

1. 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

【タイプ】熱がこもって赤く腫れるタイプのにきび・炎症に
【作用】体内の“実熱(じつねつ)”を取り去る代表的な処方。顔が赤い、イライラしやすい、にきびが化膿しやすいタイプに。

2. 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

【タイプ】湿熱が下焦(泌尿器・生殖器・皮膚)にたまるタイプ
【作用】体内の湿と熱を強力に取り除きます。赤くてジュクジュクした湿疹や、女性のホルモンバランスの乱れからくる肌荒れにも。

3. 五苓散(ごれいさん)

【タイプ】むくみ・水太り・代謝の悪さがベースにある肌荒れ
【作用】体内の“余分な水”を抜き、湿の滞りを解消します。汗をかきにくい、尿が少ない、頭が重いなどの症状がある場合に。


■ 食養生で湿熱を追い出す!おすすめの食材と控えたいもの

漢方的な美容法では、体質に合わせた食事(薬膳)も大切です。湿熱をためやすい人は、以下のような食材の選び方を意識してみましょう。

◎ 積極的にとりたい食材

  • 利湿・清熱作用のある食材
     はと麦、緑豆、冬瓜、苦瓜、きゅうり、セロリ、トマト、豆腐、蓮の葉茶

  • 肝の熱を冷ます食材(イライラ肌荒れに)
     しそ、春菊、ミント、菊花、クコの実、山査子(さんざし)

◎ 控えたい食べ物・飲み物

  • アイス・冷たいジュース・ビールなどの冷飲

  • チョコレート・ケーキなどの甘いもの

  • フライドフードや揚げ物などの油っこいもの

  • 辛すぎる・味の濃い料理

これらは湿熱を生みやすい「湿熱食」といわれ、肌荒れの元になるため、梅雨時にはできるだけ避けましょう。


■ 外からのケア+内側の巡りケアが美容の鍵

肌の不調は、「外からの刺激」だけでなく、「内側の状態=気血水の巡り」が影響します。特に湿熱タイプの肌トラブルは、皮膚表面だけでなく、内臓(とくに脾胃や肝)のケアがとても重要です。

  • 「脾」の働きを整え、湿をため込まない体に

  • 「肝」の熱を冷まし、イライラを防ぐ

  • 「気」の巡りをよくして、老廃物を排出する

梅雨時は無理をせず、体を整えることに意識を向けることで、肌の調子も自然と整ってきます。

梅雨時の肌トラブルは、体内にたまった「湿」と「熱」のせいかもしれません。肌のケアと同時に、体の中の状態を見直すことが大切です。

漢方薬(黄連解毒湯・竜胆瀉肝湯・五苓散など)や食養生を活用し、体のバランスを整えることで、肌は確実に応えてくれます。

「何を塗っても治らない…」と悩む前に、一度“体の内側からのケア”を試してみませんか?
季節に合った美容養生で、内から輝く健やかな肌を育てていきましょう。

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梅雨時の子どもの体調不良と漢方ケア

2025-06-26 08:49:31 | 出張相談

梅雨時の子どもの体調不良と漢方ケア

~やさしい漢方薬で梅雨バテや湿邪から守ろう~

じめじめとした梅雨の季節は、大人だけでなく子どもも体調を崩しやすい時期です。湿気による体のだるさや食欲不振、下痢や鼻水、咳などさまざまな不調が現れやすく、日々の生活にも影響が出ることがあります。

特に子どもは大人よりも体が繊細で、気候の変化に影響を受けやすいため、早めのケアが大切です。そこで今回は、梅雨時に起こりやすい子どもの体調不良の特徴と、小児にも使いやすいやさしい漢方薬、日常の注意点について詳しく解説します。


■ 梅雨時の子どもの体調不良とは?

梅雨の時期は空気中の湿度が高くなり、漢方でいう「湿邪(しつじゃ)」が体に入り込みやすくなります。湿邪は体の中の水分代謝を妨げ、さまざまな不調を引き起こします。

子どもに多い主な症状

  • 体が重だるく、元気が出ない

  • 食欲が落ちて、お腹の調子が悪い(下痢や便秘)

  • 鼻水や咳などの呼吸器症状

  • 手足が冷えて汗をかきやすい

  • 夜泣きや寝つきの悪さ

子どもはまだ体の免疫や自律神経が未発達で、湿邪の影響を受けやすいため、こうした不調が出やすいのです。


■ 小児に使いやすい漢方薬の紹介

子どもに漢方を使う際は、「やさしく体に働きかける処方」を選ぶことが重要です。以下は梅雨時の不調に特に適した小児漢方薬です。


1. 小建中湯(しょうけんちゅうとう)

特徴
胃腸の弱い子どもにおすすめ。体の冷えや胃腸の不調、腹痛、元気が出ないときに使います。胃腸の働きを助け、気の巡りを整えて体力を補う優しい処方です。

適応症状

  • 食欲不振や消化不良

  • 腹痛、腹鳴(お腹がゴロゴロ鳴る)

  • 体が冷えて汗をかきやすい子ども


2. 五苓散(ごれいさん)

特徴
余分な水分を排出し、むくみや下痢、嘔吐を改善します。湿邪による水の停滞を解消し、体内のバランスを整えます。

適応症状

  • むくみやお腹の張り

  • 下痢や嘔吐

  • 頭痛やめまいがあるとき


3. 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

特徴
鼻水や咳が出る風邪症状に用います。湿気による鼻づまりや痰の絡む咳をやわらげ、呼吸を楽にします。

適応症状

  • 鼻水や鼻づまり

  • 咳や痰が多い風邪

  • 喘息気味の症状


4. 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

特徴
体力が弱く、疲れやすい子どもに適します。気力を補い、体の元気を支える処方で、梅雨のだるさや食欲不振を改善します。

適応症状

  • 疲れやすく元気がない

  • 食欲不振

  • 下痢や軟便が続くとき


■ 漢方ケアのポイント

漢方薬は子どもの体質や症状に合わせて調整することが大切です。必ず専門家に相談し、正しい用法・用量を守りましょう。

また、漢方は「根本治療」を目指すため、日々の生活習慣の改善も合わせて行うと効果が高まります。


■ 日常生活でできる梅雨時の子どもケア

1. 体を冷やさない

湿気が多い季節でも、冷たい飲み物やアイスは控えめに。手足の冷えに注意し、薄手の長袖や靴下で調節しましょう。

2. 適度な運動をする

室内でもストレッチや軽い運動で血流を促進し、湿邪の停滞を防ぎます。

3. こまめな水分補給

汗をかくと脱水気味になるので、白湯や温かい麦茶などでこまめに水分補給をしましょう。

4. バランスの良い食事

消化に負担をかけない、温かくて栄養豊富な食事を心がけて。おかゆや野菜スープ、根菜類を取り入れるとよいでしょう。

5. 十分な睡眠と安静

体力を回復するために、早寝早起きを習慣にし、ストレスや疲労をためないようにします。

梅雨の時期は湿気や気候の変化で子どもの体調不良が増えますが、漢方薬は子どもの体にやさしく働きかけ、根本からの改善を助けます。

小建中湯や五苓散、小青竜湯、補中益気湯などは、小児に安全に使いやすく、湿邪や冷えによる不調に幅広く対応可能です。

ただし、漢方薬は体質や症状に合わせた処方が重要なので、専門家のアドバイスを受けて適切に利用しましょう。

 

日常生活でも冷え対策や運動、食事管理を心がけて、梅雨の子どもたちの健やかな毎日をサポートしてください。

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慢性疲労と梅雨の湿邪、漢方でどうケアする?

2025-06-25 07:53:49 | 出張相談

慢性疲労と梅雨の湿邪、漢方でどうケアする?

~疲れが取れない、朝がつらいあなたに補気・利湿の処方提案~

「寝ても疲れが抜けない」「朝がつらくて起きるのがしんどい」──そんな慢性的なだるさを感じていませんか? 特に梅雨の時期になると、体が重く、気分もすっきりしないと感じる人が増えてきます。

それはもしかすると、東洋医学でいう「湿邪(しつじゃ)」の影響かもしれません。今回は、梅雨時に悪化しやすい慢性疲労の漢方的な捉え方と、体を根本から整える補気・利湿のケア法をご紹介します。


■ 梅雨の「湿邪」が引き起こす体調不良とは?

梅雨は、気温と湿度が高くなる季節。漢方では、このような湿気の多い環境による体調不良を「湿邪」によるものと考えます。

湿邪の特徴:

  • 重く、粘る性質 → 体のだるさ・重さ

  • 停滞しやすい → むくみ、消化不良、気分の落ち込み

  • 陰性で冷やす → 冷えや胃腸機能の低下

湿邪は特に「脾(ひ)」=消化器系にダメージを与えやすく、食べたものをエネルギー(気)に変える力が落ちるため、結果として慢性的な疲労感や倦怠感、集中力低下を招きます。


■ 「慢性疲労」は“気虚”と“湿”が原因?

漢方では、慢性疲労の多くは「気虚(ききょ)」=気の不足が関わっているとされます。気とは、体を動かすエネルギー源のようなもので、日常生活に必要な活力や免疫力、内臓機能の働きを支えています。

梅雨の時期には、以下のような複合的な不調が見られやすくなります:

  • 起きるのがつらく、朝から疲れている

  • 動くとすぐ疲れる

  • 食欲がなく、胃がもたれる

  • むくみやすい

  • 集中力が続かない、頭がぼーっとする

これらは、「気虚」と「湿邪」が重なった典型的なサインです。


■ 漢方的アプローチ:「補気」と「利湿」がカギ

このような不調に対して、漢方では**気を補う「補気」**と、**体にたまった湿をさばく「利湿」**の処方が効果的です。以下におすすめの処方を紹介します。


1. 六君子湯(りっくんしとう)

胃腸を元気にする代表的な補気健脾薬

脾の働きを助けて、気を補い、同時に余分な水分をさばく処方。慢性的な疲労感や胃腸虚弱のある人にぴったりです。特に「食欲がない」「お腹が張る」「朝がつらい」というタイプに。

主な症状:

  • 慢性的な倦怠感

  • 食欲不振

  • 下痢や軟便

  • 胃のもたれ


2. 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

体の中心から元気を立て直す、補気の王道

体力低下や慢性疲労の代表的な処方で、免疫力アップにも使われます。「午後になるとだるくなる」「声に力がない」「風邪をひきやすい」などの症状に。

主な症状:

  • 朝がつらい、夕方になると疲れやすい

  • 食後に眠くなる

  • 胃腸の働きが落ちている

  • 軽い貧血


3. 香砂六君子湯(こうしゃれっくんしとう)

ストレスが絡む胃腸の弱りに対応

六君子湯に芳香性健胃薬(香附子、縮砂)を加えた処方で、気の巡りを整える作用が強化されています。「気滞」+「気虚」+「湿」が絡むタイプにおすすめです。

主な症状:

  • ストレスによる胃痛や食欲不振

  • むかむかする、吐き気がある

  • 気分の浮き沈みが激しい


■ 日常でできる「補気・利湿」ケア

漢方薬と並行して、日常の生活習慣にも気をつけることで回復が早まります。特に以下のポイントを意識してみてください。


◎ 1. 冷たい飲食物を控える

冷たいものは脾を冷やして機能を弱らせ、湿をため込む原因に。常温~温かい飲み物(白湯や温かいお茶)を意識しましょう。


◎ 2. 朝食をしっかり摂る

寝ている間に失われた気を補うためにも、朝食は非常に大切。温かいお粥や味噌汁など、消化に優しいもので胃腸を助けましょう。


◎ 3. 適度に体を動かす

だるくても軽いストレッチや散歩は効果的です。体内の「気」や「水(津液)」の巡りを促し、湿を停滞させないようにしましょう。


◎ 4. 睡眠をしっかりとる

気を養うには質の良い睡眠が欠かせません。遅くても23時までには就寝し、気の回復に努めましょう。

梅雨のだるさや疲労感は、単なる「季節のせい」ではなく、漢方的には“気虚”と“湿邪”のバランス崩壊によって起きる体からのサインです。

そんなときこそ、体の中から整える漢方薬の力が役立ちます。六君子湯、補中益気湯、香砂六君子湯などは、胃腸を元気にし、気を補いながら湿をはらってくれる心強い味方です。

そして、日常の食事や睡眠、運動といった生活習慣の見直しも合わせて行うことで、根本からの体質改善が可能になります。

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気圧の変化でイライラ・不安…漢方で整える自律神経

2025-06-24 07:45:37 | 出張相談

気圧の変化でイライラ・不安…漢方で整える自律神経

~メンタル不調に効く漢方薬とその活用法~

梅雨時期や台風の季節になると、気圧の変化に伴って体調や気分が不安定になる方が増えます。頭痛やめまい、だるさだけでなく、イライラや不安感、落ち込みなどメンタル面での不調も訴えられやすいのが特徴です。

現代医学では「気象病」や「自律神経失調症」と呼ばれていますが、漢方医学ではこのような状態を「肝の疏泄(そせつ)失調」や「心身の陰陽バランスの乱れ」と捉えます。

今回は、気圧の変化で起こるイライラ・不安などのメンタル不調に効く代表的な漢方薬を紹介し、その作用メカニズムや日常でのセルフケア法について詳しく解説します。


■ 気圧の変化が自律神経に与える影響

気圧の急激な変動は、体の調整をつかさどる自律神経系に大きなストレスを与えます。自律神経は交感神経と副交感神経のバランスによって、血管の収縮や拡張、内臓の働き、ホルモン分泌を調整しています。

気圧が低下すると、血管が拡張し、脳や内臓の血流に影響が出やすくなります。その結果、

  • 頭痛やめまい

  • 手足の冷えやほてり

  • 胃腸の不調

  • イライラや不安感

  • 不眠や疲労感

などが生じやすくなります。

これらの症状は、自律神経のバランスが乱れ、精神と身体の調和が崩れたことによるものです。漢方では主に「肝(かん)」という臓の機能が関係し、肝の「疏泄(そせつ)」という気や血の巡りの調整力が低下することで、感情の起伏や不安定が現れると考えます。


■ 漢方でのアプローチ:肝の疏泄を助ける処方

気圧変化に伴うイライラや不安には、「肝の気の巡りを良くすること」と「心身の陰陽バランスを整えること」が重要です。代表的な漢方薬をご紹介します。


1. 加味逍遥散(かみしょうようさん)

こんな方におすすめ

  • イライラしやすく、感情の波が激しい

  • 体がだるく、肩こりや頭痛もある

  • 生理不順や冷えが気になる女性

特徴と作用
加味逍遥散は、「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と呼ばれる肝の気の滞りを解消し、気血の巡りを良くします。気の巡りが整うことで精神も安定し、ストレスによるイライラや不安を和らげる効果が期待できます。

また、血のめぐりも良くするため、冷えや肩こり、生理不調など女性特有の症状にも広く用いられています。


2. 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

こんな方におすすめ

  • 不安感や緊張が強く、寝つきが悪い

  • 動悸や息苦しさを感じる

  • 神経過敏で疲れやすい男性・女性

特徴と作用
この処方は、肝の気の巡りを調整しつつ、心の安定に必要な陰陽のバランスを整えます。竜骨(りゅうこつ)や牡蛎(ぼれい)といった鉱物性の生薬が心を鎮め、不安や緊張を和らげる効果があります。

緊張感や不眠、動悸などがある方に特に適しており、ストレスや気圧変動による自律神経の乱れを緩和します。


3. 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

こんな方におすすめ

  • 気圧の変化で体が重く、だるい

  • 微熱や頭痛があり、感情も不安定

  • 風邪の初期症状や体調不良が起こりやすい

特徴と作用
柴胡桂枝湯は、気の巡りを整えながら体を温め、寒と湿による不調を改善します。体内の熱と冷えのアンバランスを調整し、気圧変動による頭痛やだるさ、精神の乱れに効果的です。


■ 漢方薬の服用時の注意点

  • 漢方薬は症状や体質に合わせて処方されるため、自己判断せず専門家に相談しましょう。

  • 体調や季節により処方の変更が必要になることもあります。

  • 継続的な服用が効果を高めますが、副作用や体調変化に注意しながら利用してください。


■ 日常生活でできる自律神経のセルフケア

漢方薬と合わせて、生活習慣の見直しも重要です。気圧の変化に負けない心身を作るためのポイントを紹介します。

1. 規則正しい生活リズムを保つ

睡眠時間や食事の時間を一定にし、自律神経を安定させる。

2. 適度な運動を習慣化する

ウォーキングやストレッチで血流を良くし、ストレスを軽減。

3. リラックス法を取り入れる

深呼吸、瞑想、ヨガなどで副交感神経を優位にし、心を落ち着かせる。

4. バランスの良い食事を心がける

ビタミンB群、マグネシウム、オメガ3脂肪酸など神経をサポートする栄養素を摂取。

5. 気圧変動の前後は無理をしない

体調に敏感に気づき、疲れたら休息をしっかり取ることが大切。

気圧の変化によるイライラや不安は、多くの方が経験する身近な自律神経の乱れです。漢方では「肝の疏泄失調」や「心身の陰陽不調」として捉え、肝の気を巡らせ心を安定させる加味逍遥散や柴胡加竜骨牡蛎湯などが効果的です。

これらの漢方薬は、症状の種類や体質に応じて使い分けることが大切。日常のセルフケアと組み合わせ、気圧変動に強い健やかな心身を目指しましょう。

もし気圧変動での体調不良やメンタルの不調が続く場合は、漢方の専門家や医師に相談することをおすすめします。

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「体が冷えて重だるい」湿寒タイプの対処法

2025-06-23 06:42:53 | 出張相談

「体が冷えて重だるい」湿寒タイプの対処法

~冷えと湿のダブルパンチに負けない体づくり~

「朝起きると体が重くてだるい」「手足が冷えて気分まで沈みがち」…
こうした症状に悩む方は多いのではないでしょうか?特に梅雨や秋口の湿気が多い季節は、「湿寒(しつかん)」という漢方でいう体内の「湿」と「寒」が結びついた状態が悪化しやすい時期です。

湿寒タイプは、体の中に冷えと余分な水分(湿邪)が溜まることで、血液や気の巡りが滞り、重だるさや冷え、むくみなどが起こります。今回はそんな「湿寒タイプ」の特徴と、漢方的な対処法、そして日常生活でできる入浴や食養生について詳しく解説します。


■ 「湿寒タイプ」とは?症状の特徴

湿寒タイプは、漢方医学の「湿邪」と「寒邪」が体内に入り込んで滞っている状態です。

主な症状

  • 体が重く、動くのがおっくうになる

  • 手足が冷たく、温まっても冷えが取れにくい

  • むくみやすく、体がだるい

  • 関節や筋肉がこわばる感じがある

  • 食欲不振や胃腸の不調があることも

舌や脈の特徴

  • 舌苔は厚くて白い、湿り気がある

  • 脈は沈んで遅い、あるいは重く感じられる

湿邪は「重くて粘り気があり動きにくい」、寒邪は「冷えて滞らせる」という性質があるため、両方が合わさると体の巡りが著しく悪くなり、様々な不調が現れます。


■ 漢方での対処法:湿寒タイプに合う処方

湿寒タイプの体には、体を温めて湿を取り除く処方が基本になります。代表的な漢方薬を3つご紹介します。

1. 真武湯(しんぶとう)

特徴:冷えを改善しながら余分な水分を排出する代表的な処方

真武湯は、冷えによって水分代謝が悪化し、むくみやだるさが現れる湿寒体質に特に適しています。附子(ぶし)という強力な温め成分が体を芯から温め、茯苓(ぶくりょう)や白朮(びゃくじゅつ)が余分な水分を排出します。

2. 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

特徴:気の巡りを改善しながら湿寒を除く処方

体が冷えやすく、疲れやすい方におすすめ。桂皮(けいひ)という温め成分で血行を促進し、気の流れを改善。苓(りょう)、朮(じゅつ)、甘草(かんぞう)が湿を取り、体の調子を整えます。

3. 八味地黄丸(はちみじおうがん)

特徴:腎の温めと水の代謝を助ける処方

冷えからくる腰痛やむくみ、頻尿などに有効。温補腎陽(じんよう=腎の温める力を補う)作用があり、体を根本から温めながら水分のバランスを整えます。


■ 日常生活でできる入浴法と食養生

漢方薬の服用に加え、生活習慣の工夫で湿寒の症状を和らげ、根本的な体質改善を目指しましょう。

◎ 入浴法

  • ぬるめのお湯(38~40度)にゆっくり浸かる
    あまり熱いお湯は血管を収縮させるため逆効果。ぬるま湯でリラックスしながらじんわり温めるのがポイントです。

  • 生姜湯や薬草湯を利用
    生姜の成分は体を温め巡りを良くするので、入浴前に生姜湯を飲むのも効果的。入浴剤に漢方薬局で扱う生薬の粉末を使うのもおすすめです。

  • 足浴を取り入れる
    体全体を温めるのが難しい時は、足だけでも温めると血行促進に役立ちます。


◎ 食養生のポイント

湿寒タイプの体を温め、湿を排出する食材を積極的に摂りましょう。

1. 温める食材

  • 生姜、シナモン、にんにく、ネギ、唐辛子(適量)

  • 肉類(鶏肉、羊肉)、黒豆、栗

これらは体を内側から温め、血行を良くしてくれます。

2. 利湿作用のある食材

  • はと麦、冬瓜、玉ねぎ、とうもろこし、そら豆、たけのこ

体の余分な水分を排出しやすくし、むくみやだるさの軽減を助けます。

3. 避けたい食べ物

  • 冷たい飲み物や生もの(生野菜、冷やした果物など)

  • 脂っこいものや甘いもの(湿が増えやすくなるため)

  • 塩分過多の加工食品


■ その他の湿寒対策

  • 適度な運動を習慣化
    ウォーキングやヨガで筋肉を動かし血流やリンパの流れを促進しましょう。

  • ストレスをためない
    精神的な緊張も気血の滞りを招き、湿寒の悪化につながります。深呼吸や瞑想でリラックスを。

  • 睡眠をしっかり取る
    体を休めることで気血の巡りを整え、冷えや湿の改善を助けます。

「体が冷えて重だるい湿寒タイプ」は、冷えと湿が合わさり体内の気血や水の流れが滞った状態。漢方では温めて湿を除く処方が基本となります。

代表的な漢方薬として、真武湯、苓桂朮甘湯、八味地黄丸が挙げられ、それぞれの症状や体質に合わせて選択されます。
また、日常の入浴法や食事を見直し、冷えを防ぎ湿を溜めない生活を心がけることが、症状改善の鍵です。

湿寒の体質は季節の変わり目に特に悪化しやすいので、早めのケアで快適な毎日を取り戻しましょう。

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「むくみ体質」の改善に効く漢方薬3選

2025-06-22 08:40:13 | 出張相談

「むくみ体質」の改善に効く漢方薬3選

~湿がたまりやすい体質をスッキリさせる漢方と生活習慣~

体がいつも重く感じたり、朝起きると顔や手足がパンパンにむくんでいたり…。こうした「むくみ体質」に悩んでいる方は多いでしょう。特に日本の梅雨時期や夏の湿気が強い季節は、水分代謝が乱れやすく、むくみが悪化しやすいものです。

漢方では、むくみは「湿邪(しつじゃ)」という体にたまる余分な水分の滞りによると考えます。今回は、そんな湿がたまりやすい「むくみ体質」の改善に役立つ漢方薬3つと、日常生活でできる対策をご紹介します。


■ むくみはなぜ起こる?漢方の視点

漢方医学でむくみは「水の代謝異常」に着目します。
体内の水分がうまく巡らず、必要以上に体にとどまってしまう状態を「湿邪」と呼びます。

湿邪は次のような特徴があります。

  • 重くて停滞しやすい(動きにくい)

  • 体の表面や内臓にたまりやすい

  • 気や血の流れを妨げて不調を招く

湿がたまる原因はさまざまですが、代表的なものは次の通りです。

  • 脾(胃腸)の機能低下で水分代謝が悪くなる

  • 腎の力が弱まり、水分の排泄がうまくいかない

  • 過度な冷えや疲労による気血の滞り


■ 漢方薬3選:むくみ体質におすすめの処方

1. 五苓散(ごれいさん)

特徴:水の巡りを促し、むくみ・頭痛・尿量減少に効果的

五苓散は、漢方の中でも代表的な利水剤(余分な水を排出させる薬)です。体の中の余分な水分を外に出し、特に顔や手足のむくみや水滞による頭痛、吐き気にも使われます。

こんな人におすすめ:

  • むくみが急に出た

  • 尿の出が悪い、体が重い

  • 頭が重い、吐き気や悪心が伴うこともある

処方のポイント:

  • 猪苓(ちょれい)、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)など、水を排出しやすくする生薬が配合

  • 体内の水のバランスを調整し、循環を促進


2. 真武湯(しんぶとう)

特徴:冷えや疲れで腎陽(腎の温める力)が不足したむくみに有効

真武湯は、冷えや疲労で水分代謝が悪くなり、体が重くてだるいむくみの改善に向いています。特に下半身のむくみや冷えが強い方におすすめです。

こんな人におすすめ:

  • 手足が冷たく、体がだるい

  • 尿量が少なく、足がむくみやすい

  • 顔色が悪く、疲れやすい

処方のポイント:

  • 附子(ぶし)で体を温め、茯苓や白朮(びゃくじゅつ)で水分代謝を改善

  • 冷えからくるむくみやだるさに効果的


3. 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

特徴:気の巡りと水のバランスを同時に整える処方

この漢方薬は、むくみのほか、動悸や息切れ、めまいを伴う方に適しています。特に「気虚(水分代謝が悪く気の力も弱い)」と「水滞」が重なったタイプに向いています。

こんな人におすすめ:

  • むくみがあり、息苦しさや動悸を感じる

  • 疲れやすく、気分が沈みがち

  • 頭が重く、ふらつくことがある

処方のポイント:

  • 茯苓で水の巡りを良くし、桂皮で温めて気血を巡らせる

  • 甘草で体の調和を図り、全身のバランスを整える


■ 漢方薬だけではなく、生活での改善も大切

むくみは漢方薬の力だけでなく、日々の生活習慣が大きく影響します。湿邪を溜めない体づくりには、以下のようなポイントを意識しましょう。

1. 食生活の工夫

  • 塩分や糖分の過剰摂取を控える

  • 冷たい飲み物や生ものを控え、温かい食事を心がける

  • はと麦、冬瓜、とうもろこしなど利水作用のある食材を積極的に摂る

2. 適度な運動

  • 軽いウォーキングやストレッチで血流とリンパの流れを促進

  • 下半身の筋肉を動かすことで、むくみの解消を助ける

3. 体を冷やさない

  • 足元や腰を冷やさない服装を心がける

  • 入浴で体を芯から温める

4. 生活リズムの安定

  • 十分な睡眠を確保し、疲労回復を促す

  • ストレス管理やリラックスを意識し、自律神経のバランスを整える

むくみは体内の「湿邪」と「気血の巡りの滞り」が関係する複合的な症状です。
今回紹介した五苓散、真武湯、苓桂朮甘湯は、それぞれタイプの異なるむくみに対応し、体質改善を目指す漢方薬です。

ただし、漢方は体質や症状に合わせて選ぶことが重要。むくみが長引いたり、体重増加や痛み、呼吸困難などがある場合は、早めに専門家に相談しましょう。

梅雨や夏の湿気が多い時期は、特に体内の水分バランスが崩れやすいので、漢方薬と生活の両方でスッキリとした毎日を目指しましょう。

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天気痛・気象病…漢方ならどう捉える?

2025-06-21 08:34:22 | 出張相談

天気痛・気象病…漢方ならどう捉える?

~気圧変化による不調を漢方的に読み解く~

「雨が近づくと頭が痛くなる」「曇りの日はやたらと体が重い」「台風が近づくと古傷がうずく」――。
こうした症状は、現代医学では「気象病(気象過敏症)」や「天気痛」として知られています。最近ではテレビや雑誌などでも取り上げられ、天候と体調の関係に注目が集まっています。

では、漢方ではこのような症状をどう捉え、どのように対処するのでしょうか?
今回は、気圧変化による不調を漢方的に解釈し、体質に応じた処方やセルフケアの方法をご紹介します。


■ 気象病とは?天候が体に与える影響

気象病とは、気圧・気温・湿度などの急激な変化によって引き起こされる体調不良のこと。
主な症状には以下のようなものがあります。

  • 頭痛・偏頭痛

  • めまい・耳鳴り

  • 関節痛・古傷の痛み

  • 首や肩のこり

  • 気分の落ち込み・不安感

  • 全身のだるさ・疲れやすさ

こうした症状が、「雨が降る前」や「台風が近づくとき」「気温が急変したとき」などに悪化する人は、気象の影響を受けやすい体質と言えるでしょう。


■ 漢方で考える「気象病」の原因とは?

漢方では、自然界の変化はそのまま人間の体にも影響を与えると考えます。気象病は、以下のような**外邪(がいじゃ)**の影響によって引き起こされると捉えられます。

◎ 「風」「湿」「寒」などの外邪の侵入

  • 風邪(ふうじゃ):急激な変化。症状の出入りが激しく、移動性の痛みがある。

  • 湿邪(しつじゃ):重だるさやめまいを引き起こす。関節痛や浮腫みの原因にも。

  • 寒邪(かんじゃ):血流を滞らせ、痛みや冷えを助長する。

気象変化によってこれらの邪気が体に入り込むと、気血や水の巡りが乱れ、不調が現れやすくなるのです。


■ 漢方的に見た「気象病」タイプ別の原因と症状

気虚(ききょ)タイプ:エネルギー不足で気象の変化に耐えられない

  • 主な症状:疲れやすい、だるい、気圧の変化で頭痛や眠気

  • 舌:淡く、苔が薄い

  • 処方例:補中益気湯(ほちゅうえっきとう)人参養栄湯(にんじんようえいとう)

気象の変化に順応できる「体力」が不足しているタイプ。気(エネルギー)を補うことで、天候の変化に負けない体をつくります。


水滞(すいたい)タイプ:体に“余分な水分”が溜まって不調に

  • 主な症状:むくみ、めまい、頭が重い、関節の痛み

  • 舌:腫れぼったく、白く湿っている

  • 処方例:五苓散(ごれいさん)苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

水分の代謝がうまくいかず、気圧の変化によってさらに水が偏在すると、内耳や脳内の圧が不安定になり、めまいや頭重感が出やすくなります。


瘀血(おけつ)タイプ:血の巡りが悪く、痛みやしびれが出やすい

  • 主な症状:慢性的な頭痛や関節痛、古傷がうずく

  • 舌:紫色がかり、舌の裏に怒張が見られる

  • 処方例:桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)疎経活血湯(そけいかっけつとう)

寒さや湿気により血流が滞り、慢性的な痛みやしびれが悪化しやすくなります。特に女性の冷え症やPMSに伴う気象反応もこのタイプが多く見られます。


肝気鬱結(かんきうっけつ)タイプ:自律神経の乱れによる気分変調

  • 主な症状:イライラ、不眠、気分の落ち込み、緊張感、頭痛

  • 舌:やや紅、苔が薄く白い

  • 処方例:加味逍遥散(かみしょうようさん)柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

気圧の急変が交感神経を刺激し、自律神経のバランスを崩すことで気分が不安定になりやすいタイプです。精神的な不調を伴う気象病に対応します。


■ 対応処方まとめ(タイプ別)

タイプ 主な処方 主な症状
気虚タイプ 補中益気湯、人参養栄湯 疲労、倦怠、だるさ
水滞タイプ 五苓散、苓桂朮甘湯 めまい、頭重、むくみ
瘀血タイプ 桂枝茯苓丸、疎経活血湯 関節痛、古傷の痛み
肝気鬱結タイプ 加味逍遥散、柴胡加竜骨牡蛎湯 気分の不安定、不眠、緊張

■ 日常でできるセルフケア・養生法

天候は変えられませんが、日々の生活で“外邪”に負けない体づくりを心がけることで、不調の予防につながります。

◎ 温める・巡らせる

  • 温かい飲み物やお風呂で「気血の巡り」を促進

  • 首・腰・足元の冷え対策を意識

  • 軽い運動やストレッチで気分もスッキリ

◎ 気圧変化に備えるリズムづくり

  • 規則正しい生活リズム

  • 睡眠をしっかりとって自律神経を整える

  • 日記や気象アプリで不調の傾向を把握し予防に役立てる


■ 気象病は“気・血・水”の乱れのサイン

天候による体調不良は、単なる気のせいではありません。
漢方では、自然の変化はそのまま体に現れると考え、「風」「湿」「寒」などの外邪による影響にどう対応するかを重視します。

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梅雨の胃腸トラブルに!六君子湯と平胃散の違いとは?

2025-06-20 09:30:02 | 出張相談

梅雨の胃腸トラブルに!六君子湯と平胃散の違いとは?

~もたれ・下痢・食欲不振…“湿”が引き起こす消化器不調と漢方薬の使い分け~

ジメジメと湿気が多く、気圧の変化も激しい梅雨の時期。
「なんとなく食欲がない」「胃が重たい」「下痢しやすい」など、消化器のトラブルが多くなる季節です。

これらの不調は、漢方でいう「湿邪(しつじゃ)」の影響であることが多く、体内の水分代謝や消化機能の低下が背景にあります。今回は、そんな梅雨時の胃腸トラブルに役立つ漢方薬「六君子湯(りっくんしとう)」と「平胃散(へいいさん)」の違いと使い方をご紹介します。


■ 梅雨の体調不良、その原因は「湿邪」

漢方では、外部から侵入して体に影響を与えるものを「外邪(がいじゃ)」と呼び、梅雨に特に強まるのが「湿邪」です。

湿邪の特徴は:

  • 重たく、停滞しやすい

  • 水分代謝を妨げる

  • 胃腸(脾)を弱らせる

そのため、湿邪が体内に侵入すると、「胃腸のはたらき=脾胃の運化機能」が低下しやすくなります。これが、梅雨に特有の「もたれ」「下痢」「食欲不振」などを引き起こすのです。


■ 梅雨に多い胃腸症状

● 胃の重だるさ・張り

胃が水っぽくむくみ、消化が停滞。食後に重くなりやすい。

● 下痢・軟便

余分な水分で腸が冷やされ、消化吸収がうまくいかず便がゆるくなる。

● 食欲不振

胃腸の働きが落ちて、食欲が自然と湧かない。食べた後に膨満感を感じやすい。

こうした症状があると、栄養が吸収されにくくなり、倦怠感や気分の落ち込み、集中力の低下にもつながります。


■ こうした症状に効く漢方薬2選

◎ 六君子湯(りっくんしとう)

→ 胃腸の虚弱+食欲不振・胃もたれに

六君子湯は、体質的に胃腸が弱い人、疲れやすい人に向いた処方です。消化を助けるだけでなく、体力や気を補ってくれるのが大きな特徴です。

▼ 主な症状:

  • 食欲がない、胃がつかえる

  • 疲れやすい、顔色が悪い

  • 食後に眠くなる、軽いめまいがある

  • 舌の苔が白く湿っている

▼ 体質のイメージ:

  • 胃腸がもともと弱く、長く続く不調

  • 食べる量が少なく、元気が出ない

  • 神経性胃炎や加齢による胃の衰えにも適応

▼ 処方の特徴:

  • 「四君子湯(人参・白朮・茯苓・甘草)」で気を補い

  • 「半夏・陳皮」で胃内の水分・気の滞りをさばく

▶ 六君子湯は、**“弱った胃を補う”**イメージ。体力が低下している方の胃もたれ・消化不良に◎。


◎ 平胃散(へいいさん)

→ 飲食の不摂生や一時的な胃の停滞に

平胃散は、「飲みすぎ食べすぎ」「湿気の多い日の胃の不快感」など、一時的に“胃がもたれた”状態に向いています。

▼ 主な症状:

  • 胃の張りやゲップが出る

  • 食べた後に膨らんだような感じ

  • 胃がゴロゴロ鳴る、便がゆるい

  • 舌の苔が厚く、べたついている

▼ 体質のイメージ:

  • 食べ過ぎや脂っこいものが多い

  • 一時的な湿邪の侵入

  • 胃に“水”や“食べ物”がたまって重くなっている

▼ 処方の特徴:

  • 蒼朮・厚朴・陳皮・生姜などで“湿”を取り去る

  • 消化を促進して、胃の膨満感や停滞を解消

▶ 平胃散は、**“たまった湿をさばいて胃腸をスッキリさせる”**イメージ。梅雨時の急性トラブルに適しています。


■ 六君子湯と平胃散、どう使い分ける?

比較項目 六君子湯 平胃散
タイプ 胃腸虚弱・体力低下 湿・食滞による一時的な胃の不快感
主な目的 胃腸を補う(補気) 胃内の湿を除く(化湿)
適応体質 慢性的に胃が弱い人 一時的に胃が重い人
症状 食欲不振、胃もたれ、疲れ 胃の張り、ゲップ、軟便
使うシーン 長期的な体質改善 急性の不調や食べ過ぎ

✅ ポイント:

  • 胃腸そのものが弱っている人 → 六君子湯

  • 湿や食べ過ぎが原因の胃もたれ → 平胃散

体質・症状に応じて、正しく使い分けることが大切です。


■ 生活でできる湿対策の養生法

漢方薬とともに、日常生活でも“胃腸をいたわる”ことが重要です。

● 食事の工夫

  • 冷たいものを避け、温かいスープやお粥を中心に

  • 山芋・しょうが・はと麦など、脾胃を助ける食材を取り入れる

  • 甘いもの・脂っこいものを控えめに

● 湿を逃がす生活習慣

  • 室内の除湿・換気を心がける

  • 朝の軽いストレッチや散歩で気血を巡らせる

  • 湯船に浸かって体を内側から温める


■ まとめ:梅雨の不調は“胃腸から”整える

梅雨の「食欲不振」「胃もたれ」「下痢」などの不調は、単なる天候のせいだけではありません。体内にたまった“湿邪”が、消化機能を乱しているサインです。

六君子湯は“弱った胃腸を支える”、平胃散は“一時的な停滞をスッキリさせる”。
それぞれの特徴を理解し、自分の体調に合った漢方薬を選びましょう。

不調が続く場合は、体質や症状を専門家に相談して、より適した処方を選ぶことが大切です。梅雨の湿気に負けず、胃腸を整えて元気に乗り切りましょう。

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雨の日のだるさ・やる気のなさに…漢方的アプローチとは?

2025-06-19 09:18:52 | 出張相談

雨の日のだるさ・やる気のなさに…漢方的アプローチとは?

~気滞・湿邪による“無気力感”を整えるヒント~

梅雨や雨の日が続くと、「何もしたくない」「気分が沈む」「朝起きてもだるい」などの“無気力感”を感じることはありませんか?

天気のせいにしたくなるけれど、単なる気の持ちようではなく、実は身体の中のバランスが乱れているサインかもしれません。

漢方では、このような梅雨特有のだるさや無気力状態を、「湿邪(しつじゃ)」や「気滞(きたい)」といった概念でとらえます。
今回は、そんな“雨の日ブルー”に対する漢方的な考え方と、心と体を軽くするケア方法をご紹介します。


■ なぜ雨の日は「やる気が出ない」の?

「雨の日はなぜか気分が重くなる」「体が鉛のようにだるい」――そんな声が多くなるのが梅雨どき。漢方では、これを主に2つの視点から考えます。

① 湿邪(しつじゃ):体内に“湿”がたまる

梅雨や雨の日は、外の湿度が高くなるだけでなく、体の中にも“湿気”が入り込みやすくなります。
この「湿邪」は、重くて粘っこく、停滞しやすいという特徴があり、気血水の巡りを妨げて体に不調をもたらします。

主な症状:

  • 身体の重だるさ

  • 頭がぼんやりする

  • 胃腸がもたれる

  • むくみ、倦怠感

  • 眠っても疲れが取れない

特に「脾(ひ)」という消化吸収を担う臓腑が湿邪に弱く、脾がダメージを受けると気を十分に生み出せなくなり、無気力感へとつながります。

② 気滞(きたい):気の流れが滞る

もう一つの原因が、「気(き)の巡り」の停滞です。

湿邪がたまることで、気がスムーズに体内を巡らなくなり、イライラや落ち込み、集中力の低下、無気力など、心の不調として現れることがあります。

主な症状:

  • 気分がふさぐ・やる気が出ない

  • 胸がつかえるような感じ

  • 食欲がない・げっぷが多い

  • PMS(月経前症候群)の悪化

まさに「気持ちが滞る」という状態が、気滞のサインです。


■ 雨の日の無気力に効く!漢方的アプローチ

では、こうした気滞・湿邪が引き起こす「やる気のなさ」に、どのようにアプローチすればよいのでしょうか?
漢方では、体質と症状に応じて、“巡らせる”“発散させる”“湿をさばく”という方法でケアしていきます。


◎ 気を巡らせる「理気(りき)」の漢方薬

気の流れが滞っているときは、「理気薬(りきやく)」で巡りを整えることが大切です。

● 香蘇散(こうそさん)

→ 気滞を改善し、軽い抑うつやストレス性の不調に
適応:気分の落ち込み、冷え、軽い風邪、胃のつかえなど

● 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

→ 喉の詰まり感や息苦しさ、不安感に◎
適応:喉の違和感、緊張、胸苦しさ、神経性の不調

● 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

→ 情緒不安定やストレス性の不眠、動悸があるときに
適応:イライラ、不眠、ストレス、怒りっぽさ


◎ 湿邪をさばく「利湿(りしつ)」の漢方薬

体に湿がたまっていると感じるときには、水分代謝を助けて湿を外に出す処方を選びます。

● 五苓散(ごれいさん)

→ 体の余分な水を抜き、頭重感・むくみを改善
適応:雨の日の頭痛、めまい、むくみ、だるさ

● 平胃散(へいいさん)

→ 胃腸にたまった湿を取り除く
適応:胃もたれ、食欲不振、舌がねばつく、軟便


■ 食生活で“気”と“湿”を整える

漢方の基本は「食養生」。日常の食事でも、気を巡らせ湿をさばく工夫ができます。

● 気を巡らせる香りの食材

  • しそ、みょうが、三つ葉、柑橘類(皮ごと)、バジルなど
    → 料理に香りをプラスして、気の巡りUP!

● 湿をさばく利水食材

  • はと麦、とうもろこしのひげ茶、冬瓜、きゅうり、もやし
    → 蒸し暑い日におすすめ。体の水はけを助けます。

● 脾を補う温性の食品

  • かぼちゃ、にんじん、米、さつまいも、しょうが
    → 消化力を高めて湿に負けない体づくりを。


■ ライフスタイルでも“巡り”を意識して

心と体のバランスは、日常のちょっとした工夫でも整えることができます。

● 朝、軽くストレッチや深呼吸

→ 気の巡りを促進。やる気のスイッチON!

● 湿気対策に除湿・換気を

→ 空気がこもると体もこもります。通気のよい空間を。

● 香りを楽しむアロマやお香

→ 柑橘系・ミント系の香りは気を巡らせ、脳のリフレッシュにも。


■ 漢方で“やる気”と“軽やかさ”を取り戻す

雨の日のだるさややる気のなさ――それは心だけでなく、体の中の「気」や「水」の巡りが滞っているサインかもしれません。

漢方では、体全体のバランスを整えることで、無理なく自然に元気を取り戻す方法を提案しています。薬だけでなく、食事や生活の工夫も大切なケアのひとつ。

じめじめした梅雨の季節こそ、自分の心と体の声に耳を傾け、優しく整えてみませんか?

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