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皮膚病(尋常性乾癬、アトピー)専門神戸寶元堂薬局ブログ

尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、アトピー治療専門の寶元堂薬局です。

暑すぎて怒りっぽい…それ、“肝火上炎”かも?

2025-07-30 08:45:03 | 出張相談

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暑すぎて怒りっぽい…それ、“肝火上炎”かも?

梅雨が明け、夏本番。朝から太陽がギラギラと照りつけ、気温は連日35度超え。エアコンをかけても部屋の中がじんわりと暑く、外に出れば吹く風さえ熱をはらんでいます。

こんな酷暑の中、こんな気持ちになっていませんか?

  • ちょっとしたことでイライラする

  • 家族に八つ当たりしてしまう

  • 感情がうまくコントロールできず自己嫌悪に

  • 頭にカーッと血が上るような感覚になる

それ、もしかすると“気のせい”ではないかもしれません。
漢方の視点から見ると、それは「肝火上炎(かんかじょうえん)」という状態かもしれないのです。


「火」のエネルギーが頭に昇る ― 肝火上炎とは?

東洋医学では、人間の身体は「気(き)」「血(けつ)」「津液(しんえき)」のバランスによって健康が保たれていると考えられています。
なかでも「肝(かん)」という臓腑は、感情と密接な関係を持ち、特に「怒(いかり)」の感情をつかさどるとされます。

暑さやストレス、睡眠不足などが続くと、「肝」に熱がこもりやすくなります。この熱が“火”となって上半身に昇ってしまう状態が、「肝火上炎(かんかじょうえん)」です。

【肝火上炎の典型的な症状】

  • 怒りっぽい、短気になる

  • 顔が赤くなる、目が充血する

  • 頭痛やめまいがする

  • 耳鳴りや不眠、歯ぎしり

  • 口が苦く感じる

まさに「カーッと頭に血がのぼる」ような症状ですね。
このような状態では、自律神経も乱れやすく、心身ともに消耗しやすくなります。


猛暑×ストレス=肝火の暴走?

今年の夏は異常とも言える暑さ。気象庁の発表によると、全国の猛暑日(35度以上)は過去最多レベルとのこと。
この気温の高さ自体が、体内に「余分な熱=実熱(じつねつ)」を生み出しやすくします。

さらに、冷房の効いた部屋と炎天下の外を行き来する生活、職場や家庭での人間関係のストレス、寝苦しさによる睡眠不足なども重なると、まさに「肝火」が勢いを増す条件が揃ってしまうのです。


そんなあなたに漢方薬という選択

怒りっぽくなるのは「性格」ではありません。
体内のバランスが乱れている「体からのサイン」かもしれません。
ここでおすすめしたいのが、肝火を鎮める漢方薬です。

◼ 抑肝散(よくかんさん)

もともとは「子どもの夜泣きや癇癪」に用いられていた処方。
近年では大人のイライラ、怒りっぽさ、神経過敏にも広く使われています。

適応例:更年期のイライラ、介護ストレス、怒りの感情を抑えられないとき

◼ 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

体の中にこもった「余分な熱=実火」を取り去る作用に優れた処方です。
口の苦み、尿の異常、目の充血など「熱が上に昇ったサイン」があるときに。

適応例:顔が赤くなる、頭に血がのぼる、イライラして口が苦いとき

◼ 加味逍遙散(かみしょうようさん)

女性のための“気・血・肝”を整える処方。
ストレスによるイライラ、気分の落ち込み、月経前の情緒不安定に使われます。

適応例:情緒の波がある方、更年期、PMS、ストレス性の不調


肝火をしずめる夏の過ごし方

漢方薬とあわせて、日常の過ごし方でも“肝火”をやさしく鎮めていきましょう。

● 睡眠をしっかりとる

「肝」は夜の休息で回復します。とくに23時~3時は「肝の時間」とされるので、その時間にはしっかり眠っておきたいところ。

● 酸味をとり入れる

酢の物や梅干し、レモンなどの酸味は「肝」をやさしく養い、過剰な熱を冷ましてくれます。

● 冷やしすぎに注意

熱を冷ましたいからといって、キンキンの飲み物やエアコンの直風には要注意。体の外側だけ冷えて、内側の“熱”はこもりがちに。

● 緑のものを多くとる

「青」は五行で「肝」に対応する色。ほうれん草、小松菜、ピーマンなど、青菜系の野菜は「肝」の養生にぴったり。


まとめ:怒りっぽいのは、体の声かもしれない

気温が高いと、感情も乱れやすくなります。
でも、それは「性格が悪い」のではなく、「体のSOSサイン」。
そんな時こそ、漢方のやさしい処方で体の中から整えてみませんか?

「最近ちょっと怒りっぽいかも…」と思ったら、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの“心とからだ”に合った漢方をご提案いたします。

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漢方専門寶元堂薬局楽天市場店 開局致しました。 漢方薬1日分〜販売しております。お気軽にお買い求めいただけるようになっています。 まだまだ商品登録中ですが、 宜しかったら是非、覗いてみてください。

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住所:〒神戸市中央区籠池通4-1-6


雨の日に頭が痛い…それ、“湿邪”のせいかもしれません。漢方でひもとく「気圧」と「水毒」の関係とは?

2025-07-29 07:50:08 | 出張相談

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雨の日に頭が痛い…それ、“湿邪”のせいかもしれません。漢方でひもとく「気圧」と「水毒」の関係とは?

雨の日、なんとなく頭が重い、ズキズキと痛む、気分もすっきりしない――そんな体調不良を経験したことはありませんか?
低気圧のせい?季節の変わり目だから?気のせい?――いいえ、それ、実は漢方でいうところの「湿邪(しつじゃ)」が関係しているのかもしれません。

◆“湿邪”とは何か?

漢方では、自然界の気候や環境の変化が身体に影響を与えると考えられており、それを「外邪(がいじゃ)」と呼びます。湿度の高い時期に体調が悪くなる原因は、まさにこの「湿邪」。
湿邪は体に余分な“水分”として入り込み、気(エネルギー)や血(栄養)、水(体液)の巡りを悪くしてしまいます。

特に湿邪は重たく、粘り気があり、停滞する性質を持つため、体に留まると「むくみ」「だるさ」「関節痛」「頭重感」「めまい」などの症状を引き起こすことが多いのです。

◆「頭痛」と「湿邪」の関係

では、なぜ“雨の日の頭痛”に湿邪が関係しているのでしょうか。

湿邪が体に入り込むと、体の水の流れが滞りやすくなります。その結果、「水毒(すいどく)」と呼ばれる、余分な水分が体にたまった状態になり、特に頭部への巡りが悪くなると「頭痛」や「頭重感」が生じるのです。

また、低気圧によって副交感神経が優位になると、血管が拡張し、神経が刺激されて偏頭痛を起こしやすくなるというメカニズムもあります。漢方ではこれを「気(き)」の巡りが滞っているとも捉えます。

さらに、もともと「脾(ひ)」=消化器系が弱い人は湿邪の影響を受けやすく、体内に余分な水をため込みやすい傾向にあります。雨の日に頭が痛くなるという人は、脾の弱さも一因かもしれません。

◆体に溜まった“湿”を追い出すには?

では、湿邪を追い出し、頭痛を予防・改善するにはどうすればよいのでしょうか?
漢方的なアプローチを3つご紹介します。


1. 「利水(りすい)」の漢方薬を取り入れる

体にたまった余分な水分を排出する働きがある「利水薬」が有効です。たとえば:

  • 五苓散(ごれいさん):水の巡りをよくし、むくみや頭痛、めまいに効果がある漢方薬。特に雨の日の頭痛にぴったりです。

  • 猪苓湯(ちょれいとう):利尿作用が高く、体内の水分バランスを整えてくれます。

  • 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):水太りタイプの人や、だるさ・関節痛がある人におすすめです。

症状や体質によって適した漢方薬は異なるため、専門家のアドバイスを受けて選ぶのが理想です。


2. 食養生で“湿”をためない食生活を

梅雨時期や雨の日は、体に余分な水分がたまりやすいため、「湿」を溜めないような食生活を意識しましょう。

おすすめ食材:

  • ハトムギ:利尿作用があり、むくみ解消に効果的。

  • 小豆:水分代謝を高める。甘く煮るより、塩ゆでやスープで。

  • とうもろこしのひげ(南蛮毛):実は利尿作用があり、お茶としても使われます。

  • ショウガやネギ:体を温めて湿を追い出す作用があります。

逆に避けたいのは、冷たいもの、生もの、脂っこいものなど。これらは体を冷やし、水の巡りを悪くしてしまいます。


3. 日常のちょっとした工夫も大切に

  • 湿度管理:除湿機やエアコンのドライ機能を活用して、部屋の湿度を下げるだけでも、体調の安定につながります。

  • 足湯や温かい飲み物:特に朝起きたときや、外から帰ってきた後などに体を温めると、湿の停滞を防げます。

  • 適度な運動:ストレッチや軽いウォーキングで、体の水分代謝を促しましょう。

「雨の日に頭が痛い」は、決して気のせいではなく、体の中に余分な水が溜まり、巡りが悪くなっているサインかもしれません。

そんな時こそ、漢方の知恵が役立ちます。
「湿邪を追い出す」「脾を補う」「水をさばく」――これらの考え方を取り入れることで、梅雨時の不快な症状も、少しずつやわらいでいくはずです。

不調を感じたら、体からのサインを見逃さず、未病(みびょう=病気になる前の段階)をケアしていきましょう。
雨の日も、心と体が軽やかに過ごせますように。

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田んぼに生えるアレが薬になる?身近すぎる漢方の話

2025-07-28 06:40:14 | 出張相談

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田んぼに生えるアレが薬になる?身近すぎる漢方の話

「ただの雑草かと思っていたら、実は体にいい薬だった!」――そんな驚きの体験をしたことはありませんか?漢方の世界では、私たちのすぐそばにある自然の草花が、実は体を整える力を持った“薬”であることが珍しくありません。今回は、田んぼや道端、公園などで見かける“身近すぎる薬草”たちにスポットを当てて、その効能や使い方、現代の暮らしでの活かし方をご紹介します。

● 雑草じゃない!立派な薬「どくだみ」

独特の匂いと白い花が特徴の「どくだみ」は、夏になると家の裏や側溝の近くでよく見かけます。実はこのどくだみ、「十薬(じゅうやく)」という生薬名を持ち、漢方や民間療法で昔から重宝されてきました。

どくだみは“排毒力”に優れ、利尿・便通の改善・吹き出物やニキビへの効果があるとされています。体内にこもった余分な熱や湿を取り去る働きがあり、「毒をため込みがちな人」にぴったり。葉を乾燥させてお茶にした「どくだみ茶」は、クセはありますが、習慣的に飲むことで体質改善を感じる方も多いです。

●「よもぎ」はただの草もちの材料じゃない

春になると見かける「よもぎ」もまた、侮れない薬草の代表格。古くから“艾葉(がいよう)”という名で漢方に使われ、止血・温経・鎮痛作用を持ちます。生理痛や冷え性、下腹部の違和感などに良いとされ、女性に嬉しい効能が詰まっています。

また、もぐさ(艾)としてお灸の材料になるのもよもぎです。草もちやよもぎ団子として口にするだけでなく、お風呂に入れる「よもぎ湯」なども冷えや湿疹対策におすすめ。香りも爽やかで、気分のリフレッシュにもつながります。

● 美肌と利尿に「ハトムギ」

「美肌の味方」として知られる「ハトムギ」は、“薏苡仁(よくいにん)”という生薬名を持ちます。利尿作用に優れ、体の中の余分な水分や老廃物を排出してくれるため、むくみやニキビ、イボなどの改善に使われてきました。

夏場に起こりやすい“水滞”と呼ばれる水の巡りの悪さにも効果的。最近では、ハトムギ茶やハトムギパウダーなども市販されており、気軽に摂取できます。穀物としての栄養も豊富で、胃腸にもやさしいため、漢方の世界では「食べる薬」としても注目されています。

● なぜ昔の人は草を薬として使えたのか?

漢方薬の多くは、中国から伝わった理論に基づいていますが、日本の風土に合った“和薬(わやく)”としての草薬も数多く存在します。とくに江戸時代、庶民の間では医者にかかれない人も多かったため、身近な植物を薬として利用する「草根木皮(そうこんもくひ)」の知恵が根づいていました。

たとえば「センブリ(千振)」は苦味健胃薬として胃もたれに、「カキドオシ」は糖代謝を助ける茶として飲まれていたりと、草一本一本に生活と密接した用途がありました。

● 現代でも活用できる“雑草漢方”の楽しみ方

現代では、衛生面や毒性のリスクもあるため、野草を自分で採取して使う際には慎重さが求められます。まずは市販の乾燥ハーブやお茶、入浴剤などで試すのが安心です。

おすすめの活用法は以下のとおり:

  • どくだみ茶・よもぎ茶をブレンドして飲む:体内の湿熱を追い出し、肌荒れやむくみの予防に。

  • ハトムギごはんにして美肌ごはん:精白米に混ぜて炊くだけで、手軽に薬膳メニューに。

  • 薬草風呂で癒しと温活:乾燥よもぎやどくだみをガーゼで包んで湯船に浮かべるだけでOK。

  • 自然とともに生きる漢方的視点

私たちの身のまわりには、実は宝の山が広がっています。見過ごしていた草花が、漢方の視点で見ると、体と心を支えてくれる大切な存在だと気づかされます。

便利な時代だからこそ、昔の人々のように自然の力を見直してみるのも、心と体の調和を保つ第一歩。次に田んぼ道や野原を歩くときは、ちょっと立ち止まって草花を眺めてみてください。あなたの健康を支える“薬草”が、案外足元に生えているかもしれません。

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「冷たいものがやめられない!」は“脾虚”のサインかも?

2025-07-27 07:37:09 | 出張相談

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「冷たいものがやめられない!」は“脾虚”のサインかも?

~アイス・氷入りドリンクが手放せないあなたへ、漢方からのアドバイス~

夏になると、つい冷たいアイスや氷たっぷりのドリンクを選んでしまう人、少なくないのではないでしょうか?「暑いから当然でしょ」と思うかもしれませんが、実はそれ、“脾(ひ)”の弱り、すなわち“脾虚(ひきょ)”のサインかもしれません。

東洋医学では、私たちの体と心の不調を「気(き)・血(けつ)・水(すい)」や「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」という概念で捉え、体質や症状の背景を読み解いていきます。その中でも「脾」は、現代で言うところの“消化吸収”や“栄養を全身に巡らせる力”を担う重要な存在です。

“脾虚”ってなに? ~東洋医学的「胃腸の弱り」~

“脾虚”とは、簡単に言えば「脾(=胃腸の働き)が弱っている状態」のこと。脾が弱ると、食べたものから十分にエネルギー(気)を作れなくなり、だるさ、疲れやすさ、食欲不振、軟便・下痢、むくみなど、さまざまな不調につながります。

特に夏は、冷たいものを摂りすぎたり、冷房で体を冷やしたりすることで、脾の働きがさらにダメージを受けやすくなります。脾は「湿(しつ)」や「冷え」を嫌うため、冷たいものの摂りすぎはまさに天敵。すると、ますます胃腸が弱り、悪循環に陥るのです。

冷たいものを欲するのは“脾虚”の証拠?

「暑いんだから冷たいものを欲するのは当たり前」と思われがちですが、“脾虚”タイプの人は、実は季節に関係なく「冷たいものがやめられない」傾向があります。

・氷を入れないと飲み物をおいしく感じない
・真冬でもアイスが食べたくなる
・冷たいものを摂るとお腹が張る、下す、だるくなる

これらに心当たりがあれば、脾虚体質の可能性大。冷たいものを摂ることで、一時的に胃の熱っぽさが収まってスッキリ感じるため“やめられない”のですが、根本的には脾の力が弱まって冷えやすくなっている状態と捉えます。

漢方でケアするなら「健脾(けんぴ)」がポイント

脾虚を改善するには、「健脾=脾の働きを健やかにする」漢方薬や養生が大切です。

代表的な処方には以下のようなものがあります:

  • 六君子湯(りっくんしとう)
     脾胃の働きが弱く、胃もたれ・食欲不振・疲れやすさを感じる人に。脾を元気にし、胃腸の“気”を補う処方。

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
     慢性的な疲れ、倦怠感、胃腸の虚弱がある人に。“中焦(ちゅうしょう)”=胃腸の中心部を補い、エネルギーを底上げします。

  • 参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)
     下痢しやすい、食が細い、体がむくみやすい方に向く漢方薬。脾を養いながら余分な水分(湿)も排出します。

日常でできる「脾をいたわる」養生法

漢方薬に加えて、日常生活でも脾をいたわる食事・習慣が大切です。

■温かいものを意識的に摂る

・常温または温かい飲み物を選ぶ
・夏でも汁物を添える(味噌汁・スープ)
・冷たいスイーツはほどほどに

■脾を助ける食材を選ぶ

・はと麦、小豆、とうもろこし、かぼちゃ、山芋などの“健脾食材”を取り入れる
・生姜やシナモンなど、体を温めるスパイスも◎

■よく噛んで食べる

噛むことで胃腸の負担が減り、消化吸収がスムーズに。特に脾虚タイプは「早食い・冷たいもの・食べすぎ」のトリプルパンチが胃腸にダメージを与えます。

冷たいもの=敵、ではなく“適度”に

とはいえ、冷たいものを一切禁止!と無理をするのもストレスになります。体質に合わせて、“必要以上に冷やさない意識”を持つだけでも十分効果的。
たとえば、冷たいアイスを食べた後には温かいお茶を添えるなど、冷やしっぱなしにしないバランスが大切です。

夏の脾虚は秋冬の体調にも影響する

夏に脾が弱ると、そのダメージは秋冬にまで持ち越され、風邪をひきやすくなったり、疲れが取れにくくなったりします。
「冷たいものがやめられない…」と思ったら、それは体からのSOS。
漢方的に見ることで、自分の体質を理解し、日常の小さな工夫で健康への道を整えていくことができます。

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エアコンなしでどう乗り切った?

2025-07-26 07:33:04 | 出張相談

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エアコンなしでどう乗り切った?

江戸の人々の“夏バテ回避術”を漢方でひもとく

現代の夏は過酷です。地球温暖化の影響か、気温35度を超える日も珍しくなくなり、熱中症や夏バテに悩まされる人が増えています。そんなとき、ふと考えるのが「昔の人はどうやってこの暑さを乗り切っていたのか?」という疑問です。
特に江戸時代。エアコンも冷蔵庫もない時代に、どうやって夏の不快感や体調不良を防いでいたのか―。そこには、漢方的な知恵と自然との調和がありました。

甘酒は「夏」の飲み物だった?

今では冬の温かい飲み物のイメージが強い甘酒ですが、実は江戸時代、夏の風物詩のひとつでした。俳句の季語でも「夏」の甘酒。
米麹から作られる甘酒には、ブドウ糖やビタミンB群、アミノ酸などが豊富に含まれ、「飲む点滴」とも呼ばれています。

江戸の人々は、夏の暑さで食欲が落ちたり、体がだるくなったときに、この甘酒を飲んで滋養を補い、体力を回復していました。
まさに「気を補う」=補気(ほき)という漢方的な視点で見ると、夏バテ対策に非常に理にかなった飲み物だったのです。

現代でいうところの「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」のような、胃腸を元気づける役割を果たしていたのかもしれません。

「うち水」に秘められた体感温度のコントロール術

江戸の町では、朝夕になるとうち水をする風景が日常でした。これは単なるマナーや涼しげな演出ではなく、物理的に気温を下げる工夫でもありました。
地面に打ち水をすることで、蒸発する際の気化熱によって周囲の温度が下がり、体感温度が2~3℃下がるとも言われています。

また、漢方では「暑邪(しょじゃ)」という季節の邪気が存在し、これは熱や湿気が原因で体に悪影響を与えるものとされています。
うち水には、単に涼を取るだけでなく、体を「暑邪」から守る環境づくりとしても機能していたと考えられるのです。

薬草茶は“身近な漢方”

薬屋や町の茶屋では、よもぎ茶、どくだみ茶、はと麦茶、はぶ茶などの薬草茶が売られていました。特に、体の熱を冷ましながら水分代謝を促すお茶は、夏場のむくみや熱中症予防に役立っていたと言われています。

たとえば「どくだみ茶」には利尿作用があり、体にこもった余分な水分や熱を取り除く働きがあります。また、「はと麦茶」は胃腸の調子を整えながらむくみもケアしてくれる、まさに夏にぴったりの薬草茶です。

これらはすべて、漢方でいう「清熱利水」や「健脾利湿」の考えに沿った生活習慣であり、現代にも通じる先人の知恵といえるでしょう。

着る物・住まいも“自然と調和”

衣類も、江戸時代の夏の快適さの鍵でした。通気性がよく、吸湿性の高い「麻」や「木綿」が主流で、ゆったりとした着物は風通しも良く、汗をかいても蒸れにくいのが特徴です。

また、家屋も工夫されていました。風の通りを考えて作られた間取りや、すだれ・よしず・簾(すだれ)などを使って直射日光を遮る仕組みは、まさに“自然のエアコン”。
漢方で言う「陰陽バランス」でいうと、“陽”に傾きすぎた環境を“陰”で整える、そんな感覚が根付いていたのかもしれません。

「未病を防ぐ」という思想が根底にあった

江戸時代の人々は、症状が出てから治療するのではなく、「調子が崩れる前に整える」ことを重視していました。
漢方でいう「未病(みびょう)」の状態―つまり、まだ病気とはいえないけれど、なんとなく調子が悪いという時点で、養生や食事、薬草で整えていたのです。

現代でも、エアコンや冷たい飲み物に頼りすぎると、逆に体調を崩すことがあります。江戸の人々が実践していた“自然との共存”こそが、本当の意味での夏バテ予防だったのかもしれません。エアコンに頼る前に、先人の知恵を見直そう

江戸時代の夏の過ごし方をひもといてみると、漢方の「気・血・水」や「陰陽」「五行」などの理論と深くリンクしていることに気づきます。
体の調子を崩す前に甘酒や薬草茶で整え、自然と調和する生活を送りながら、暑さに負けない身体をつくる。

エアコンの風で体が冷えすぎたり、冷たいものの摂りすぎで胃腸が弱っている現代人こそ、江戸の知恵に学ぶべき時かもしれません。
“昔ながら”の方法には、今こそ必要なヒントが詰まっているのです。

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【漢方薬の名前にはヒミツがある!?】

2025-07-25 07:46:36 | 出張相談

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【漢方薬の名前にはヒミツがある!?】

「補中益気湯」「八味地黄丸」「柴胡加竜骨牡蛎湯」…難読だけど意味を知ると面白い!

漢方薬の名前って、なんだか呪文みたいだと思いませんか?
「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」「八味地黄丸(はちみじおうがん)」「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」…正直、覚えるのもひと苦労ですよね。

でも実はこの“難しい名前”、ただの記号ではありません。
漢方薬の名前には、その効能や使われている生薬、そして「どこを補い、どう整えるか」といったヒントがぎゅっと詰まっているんです。

今回は、そんな名前に込められた意味をひもときながら、代表的な漢方薬をいくつか紹介してみましょう。


「補中益気湯」〜中を補い、気を益す〜

まずは、夏バテや胃腸虚弱、疲労回復でおなじみの補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

この名前、分解してみると実にわかりやすいんです。

  • 補中…「中」は「中焦(ちゅうしょう)」と呼ばれる消化器系、つまり胃腸のこと。それを「補う」=元気にする。

  • 益気…「気」を「益す」、つまり“気力・エネルギー”を回復させる。

この漢方は、胃腸が弱ってエネルギーが作れない人に対し、「気を補う」代表的な処方。黄耆(おうぎ)や人参(にんじん)、白朮(びゃくじゅつ)など、いわば“元気の素”が詰まった一杯です。


「八味地黄丸」〜8つの薬味+地黄=アンチエイジングの王道〜

次にご紹介するのは、八味地黄丸(はちみじおうがん)
“なんか渋い名前…”と思うかもしれませんが、実はこれ、老化に伴う悩み全般に効く処方なんです。

  • 八味…8種類の生薬が使われているという意味。

  • 地黄丸…「地黄(じおう)」をメインにした丸薬(粉を丸めたもの)。

この処方には、地黄・山茱萸(さんしゅゆ)・山薬(さんやく)などの“腎を補う”生薬が中心に入っており、さらに附子(ぶし)や桂皮(けいひ)といった“陽気を温める”成分もプラス。

つまり、「体が冷えてトイレが近い」「足腰が弱い」「疲れが取れない」…そんな**“老化サイン”をケアする総合処方**なんです。

ちなみに、「地黄丸」にはバリエーションも多く、六味地黄丸、知柏地黄丸など、名前から効能の違いを見極めることもできます。


「柴胡加竜骨牡蛎湯」〜“気の高ぶり”をしずめる複合処方〜

一見いちばん長くてややこしい名前、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
でも、漢字に注目すると、実はそのまんまの意味が隠れています。

  • 柴胡…ストレスで高ぶった「肝気(かんき)」を鎮める。

  • …「〜を加えた」という意味。

  • 竜骨・牡蛎…どちらも「鎮静作用」がある鉱物由来の生薬。

つまりこの薬は、「イライラ」「不眠」「動悸」「驚きやすい」などの“気の乱れ”を落ち着ける処方
名前の通り、柴胡が中心になって、そこに“鎮める薬”である竜骨や牡蛎が加わっている、ということです。

ちなみに、これも「加○○湯」シリーズのひとつ。他にも「柴胡加竜骨牡蛎湯」や「柴胡加芍薬湯」など、加わる生薬で効能が変わります。


難しいけど面白い。「名前=効能」な世界

いかがでしたか?

漢方薬の名前には、

  • どんな体の状態に使うか

  • どの臓腑(ぞうふ)に働きかけるか

  • どんな生薬が含まれているか

…といったヒントが、実はちゃんと含まれているんです。

たとえば「清肺湯」は“肺を清める=熱や咳を取る薬”。
「健胃顆粒」は“胃を健やかにする=胃もたれに使う”。
名前を知ることで、少しずつ“漢方の世界”が見えてくるようになります。

名前の向こうにある「体への優しさ」

現代医学では薬名にアルファベットの略号が多く、何に効くのか分かりづらいこともあります。でも漢方薬は、名前自体が体へのアプローチを表現しているという、実に人間らしいシステムです。

もし今、手元に漢方薬があるなら、その名前をじっくり眺めてみてください。
そこには、数千年の叡智と、「からだを整える」ためのやさしいメッセージが込められているかもしれません。

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夏の不調は「胃腸の弱り」から? 胃腸が弱い人が夏に気をつけたいこと

2025-07-24 07:27:17 | 出張相談

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夏の不調は「胃腸の弱り」から? 胃腸が弱い人が夏に気をつけたいこと

暑さが本格化する夏。汗をかくことで体力を消耗しやすく、食欲が落ちる、冷たいものを飲みすぎてお腹がゆるくなる、下痢が続く……そんな不調に悩まされる人も少なくありません。とくに、もともと「胃腸が弱い」と感じている人にとって、夏は体調を崩しやすい要注意の季節です。

漢方の視点では、胃腸(=脾胃)の働きが全身の“気”を生み出し、健康を支える基盤とされています。つまり、胃腸の調子が崩れると、元気が出ない、疲れやすい、体がだるいなど、さまざまな不調の引き金になるのです。今回は、胃腸が弱い人が夏を元気に乗り切るための養生法と注意点をご紹介します。


■ 胃腸は“冷え”にとても敏感

夏といえば、冷たい飲み物やアイスクリーム、冷やし中華やそうめんなど、冷たい食事が中心になりがちです。しかし、胃腸の働きには「適度な温かさ」が必要不可欠。冷たいものを摂りすぎると、胃腸が冷えて血流が悪くなり、消化吸収の力が落ちてしまいます。

漢方では、冷たい飲食を「寒邪(かんじゃ)」ととらえ、体の中に入ることで「脾胃(胃腸)」の陽気を損なうと考えます。とくに、もともと“胃腸虚弱タイプ”の人は、以下のような症状が出やすくなるので注意が必要です。

  • 食欲不振

  • 軟便・下痢

  • 胃の張り

  • 吐き気

  • 倦怠感や疲れやすさ

胃腸が冷えると、せっかく食べた栄養がうまく吸収されず、エネルギー(気)も血も作り出せなくなり、体はどんどん弱っていきます。


■ 暑さによる“水分過多”にも注意

一方、夏は大量に汗をかくため、こまめな水分補給が大切です。しかし、過剰に水分をとることで、胃腸が「水浸し」状態になり、逆に不調を招くことも。とくに、運動や作業で汗をかいた直後に、一気に冷えた飲み物を流し込むと、胃腸がびっくりして動きが止まってしまいます。

このように、外は暑いのに体の中が冷えて湿っている――このアンバランスが、「夏バテ」や「だるさ」、「むくみ」の原因となるのです。漢方ではこのような状態を「湿邪が脾に停滞している」と捉えます。


■ 胃腸虚弱タイプにおすすめの漢方薬と薬膳

漢方薬では、夏の胃腸虚弱に対して以下の処方がよく用いられます。

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
     気力や食欲が落ちて元気が出ないときに。胃腸の働きを支えて、全身の気を補う処方です。

  • 六君子湯(りっくんしとう)
     食が細く、胃のもたれや吐き気がある方に。脾胃の虚弱と“痰湿(たんしつ)”を改善します。

  • 平胃散(へいいさん)
     食べ過ぎ・飲みすぎ、胃の重さや吐き気など、“湿”が停滞しているときに適します。

食事では、以下のような“健脾(けんぴ)”作用のある食材を日常に取り入れるとよいでしょう。

  • はと麦(胃腸の湿を取り、むくみを防ぐ)

  • 山芋(消化吸収を助け、気を補う)

  • 大豆・豆腐(胃に優しく、たんぱく質補給にも)

  • しょうが・ねぎ(体を温めて胃腸を活性化)

  • とうもろこし・小豆(利尿作用があり、湿気を追い出す)

また、冷たいものばかりではなく、温かいスープやお粥を取り入れることも大切です。とくに、朝の冷えたお腹には、温かい汁物が最適。スパイスの効いたカレーや香味野菜を使った料理も、食欲増進と胃腸の活性化に役立ちます。


■ 夏の胃腸を守る“ちょっとした工夫”

  1. 飲み物は常温〜温かいものを中心に
     氷入りの飲み物はなるべく控えましょう。常温の麦茶や白湯、薄い生姜湯がおすすめ。

  2. 冷房で体を冷やしすぎない
     室温を下げすぎない、腹巻きやひざ掛けでお腹を守る、などの工夫を。

  3. よく噛んでゆっくり食べる
     急いで食べると胃に負担がかかります。消化を助けるために“よく噛む”ことを心がけて。

  4. 疲れを感じたら、無理せず休む
     胃腸はストレスや疲労にも敏感です。休息こそが最高の養生です。


夏は気温の高さだけでなく、食事や生活習慣の変化によって、胃腸がダメージを受けやすい季節です。とくに胃腸が弱いと感じている人は、「冷やしすぎない」「湿気をためない」「気を補う」という3つのポイントを意識して、日々の過ごし方を見直してみましょう。

漢方的な養生や薬膳、必要に応じて漢方薬の助けを借りながら、胃腸を労わることで、夏バテ知らずの快適な毎日を手に入れることができます。

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『気・血・水』で見る体質チェック!あなたは何タイプ?

2025-07-23 06:23:41 | 出張相談

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『気・血・水』で見る体質チェック!あなたは何タイプ?

「最近なんだか調子が出ない」「病院に行くほどではないけれど、いつもどこかが不調」——そんな“なんとなくの体調不良”に悩んでいませんか?

漢方の世界では、私たちの体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という3つの要素によって支えられていると考えられています。これらのバランスが整っている状態が“健康”、一方でどれか一つでも不足したり滞ったりすると、さまざまな不調が現れるのです。

今回は、この「気・血・水」の視点から、あなたの体質タイプをチェックし、それぞれに合った対策をご紹介します。まずは自分の体の“クセ”を知ることが、元気への第一歩です。


◆ 「気・血・水」って何?

漢方では、体の中を巡るエネルギーや栄養を「気・血・水」に分類して考えます。

  • 気(き):生命エネルギー。体を温め、動かし、守る力。

  • 血(けつ):血液を中心とした栄養と潤いを届けるもの。

  • 水(すい):リンパ液や体液など、体内の水分全般。

これらがそれぞれ「足りているか」「巡っているか」が健康のカギ。
では早速、あなたはどのタイプにあてはまるのか、体質チェックをしてみましょう。


◆ あなたはどのタイプ?体質セルフチェック

以下の項目で、当てはまる数が多いところが、今のあなたの体質の傾向です。

【A】気虚(ききょ)タイプ:エネルギー不足

  • 朝起きるのがつらい、日中も眠い

  • 食後すぐにだるくなる

  • 声が小さくなりがち

  • 風邪をひきやすく、治りにくい

  • やる気が出ない・気分が沈みやすい

  • 汗をかきやすく、疲れやすい

当てはまる数が多いあなたは…「気」が不足しているかも。


【B】血虚(けっきょ)タイプ:栄養・潤い不足

  • 顔色が青白い、艶がない

  • 立ちくらみやめまいが多い

  • 髪がパサつき、抜け毛が増えた

  • 目が疲れやすい・乾きやすい

  • 手足が冷えやすい

  • 生理が遅れがち・量が少ない

当てはまる数が多いあなたは…「血」が不足しているかも。


【C】水滞(すいたい)タイプ:水の巡りが悪い

  • 体が重だるい

  • むくみやすい

  • 胃がもたれやすい

  • 頭がぼんやりすることが多い

  • 天気が悪いと体調が崩れる

  • めまい、耳鳴りがある

当てはまる数が多いあなたは…「水」の巡りが悪いかも。


◆ タイプ別:養生のポイント

【気虚タイプ】

元気が湧かない…エネルギーが不足中!

体を動かす「気」が不足していると、いつも疲れていて、何をするにも億劫になります。特に胃腸が弱って気が作れない状態が多く見られます。

おすすめ漢方: 補中益気湯、六君子湯
食材例: もち米、山芋、大豆、かぼちゃ、鶏肉、うなぎ
生活養生: 睡眠をしっかりとり、食事は規則正しく。冷たいものを避けて、体を温めましょう。


【血虚タイプ】

ふらつき・冷え・集中力の低下は「血」が足りないサイン

血が不足すると、顔色が悪くなり、肌や髪にも潤いが届かなくなります。生理不順や不眠、情緒不安定なども出やすい傾向があります。

おすすめ漢方: 四物湯、当帰芍薬散、帰脾湯
食材例: 黒ごま、ほうれん草、レバー、プルーン、なつめ、卵、豚肉
生活養生: 夜更かしを避け、目の使いすぎに注意。ストレスを溜めないように意識して。


【水滞タイプ】

体が重い・むくむ・頭がすっきりしない…それは「湿」の仕業

体の水はけが悪く、老廃物や余分な水分が溜まった状態です。梅雨時やエアコンによる冷えで悪化しやすく、天候にも敏感になります。

おすすめ漢方: 五苓散、防已黄耆湯、苓桂朮甘湯
食材例: はと麦、小豆、とうもろこしのひげ、冬瓜、生姜、みょうが
生活養生: 湿気の多い日は無理せず、汗をかく軽い運動で巡りをよく。飲みすぎや水分の摂りすぎにも注意。


◆ バランスが大事。体は変わっていくもの

「私は気虚タイプだからずっとそうなんだ」と決めつける必要はありません。気候、環境、生活習慣、年齢によって、体質は変化します。
今日の体に耳を傾け、今の自分に合ったケアをする。それが漢方の基本です。

たとえば、気虚+水滞が重なれば「だるくて、むくむ」という不調になりますし、血虚と気虚が合わされば「疲れて、眠れない」という状態になることも。


◆ 体質を知ることは、自分を大切にすること

「なんとなく不調…」と思ったとき、
それは体からの小さなサインかもしれません。

“気・血・水”のバランスを知ることで、自分の体質に気づき、自然と無理をしない生き方が見えてきます。

今日からちょっとだけ、食べ物や休み方を変えてみる。
それが、未来の健康をつくる第一歩になるかもしれません。

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漢方薬の名前に隠された意味 ——『補中益気湯』って何?——

2025-07-22 07:19:29 | 出張相談

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漢方薬の名前に隠された意味

——『補中益気湯』って何?——

「漢方薬って、名前が長くて覚えにくい…」
「“湯”って付くけど、お風呂じゃないの?」
そんな声をよく耳にします。確かに、漢方薬の名前は独特で、一見すると難しく感じるかもしれません。しかし、その一つひとつには、処方の目的や働き、体へのアプローチ方法がしっかりと反映されているのです。

今回は、疲労回復や虚弱体質の改善によく使われる『補中益気湯(ほちゅうえっきとう)』という処方を例に、漢方薬の名前に込められた意味をひもといてみましょう。


『補中益気湯』の名前を分解してみる

漢方薬の名前には、以下のような「構造」が隠されています。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)=補 + 中 + 益 + 気 + 湯

それぞれの文字に、処方の目的や役割が込められています。


【補】=「補う」

まず最初の「補」。これは“足りないものを補う”という意味です。漢方では、体のエネルギー源である「気(き)」や、血液の「血(けつ)」、体を潤す「津液(しんえき)」などが不足すると、さまざまな不調が現れると考えます。

『補中益気湯』は特に“気”の不足=「気虚(ききょ)」に着目した処方。つまり、この「補」は、“消耗した体のエネルギーを補う”という意味を持っています。


【中】=「中焦(ちゅうしょう)」=胃腸

次の「中」は、“中焦”を表しています。漢方では、人体を「上焦(肺や心)・中焦(脾胃=胃腸)・下焦(腎や膀胱)」の3つのエリアに分けて考えます。

中焦とは、消化吸収の中心である「脾(ひ)」と「胃(い)」の機能を指し、「補中」は“胃腸の働きを補う”ことを意味します。

つまり『補中益気湯』は、「胃腸の働きを補って、体の基礎を立て直す」処方であることが、この二文字だけでも伝わってきます。


【益気】=「気を増す・高める」

「益」は“増やす・利益を与える”の意。「益気」とは、“気を増やす・元気をつける”という意味になります。

「気」とは、漢方でいう生命活動のエネルギー。体を温め、動かし、外敵から守る力です。気が不足すると、疲れやすく、免疫力が下がり、風邪をひきやすくなります。

つまり「益気」とは、体の根本的な元気=“生命力”を底上げする働きを表現しています。


【湯】=煎じ薬・温めて飲む

最後の「湯」は、漢方薬でよく見られる語尾で、「煎じて温かく飲む薬」を意味します。
『補中益気湯』も、本来は9種類の生薬を煎じて飲む処方ですが、現在ではエキス顆粒として手軽に服用できる製剤も広く使われています。


『補中益気湯』はどんなときに使うの?

ここまで読み解くと、『補中益気湯』という薬は「胃腸を補い、気を増やして体力を回復させる温かい薬」であることが見えてきます。では、実際にはどのような症状に使われるのでしょうか?

以下のような場面でよく用いられます:

  • 食後に疲れて眠くなる

  • 胃腸が弱く、少し食べるとすぐもたれる

  • 慢性的な倦怠感・疲労感がある

  • 風邪をひきやすく、回復に時間がかかる

  • 声に力がなく、話すのも疲れる

  • 産後や術後など、体力が落ちているとき

また、医療現場では、自律神経の乱れによる倦怠感や、夏バテ、起立性調節障害、慢性疲労症候群などにも応用されることがあります。


含まれる代表的な生薬

『補中益気湯』には、以下のような生薬が配合されています:

  • 黄耆(おうぎ)・人参(にんじん):気を補い、元気をつける

  • 白朮(びゃくじゅつ)・甘草(かんぞう):脾胃を補って消化吸収力を高める

  • 当帰(とうき)・陳皮(ちんぴ):血を補い、気血の巡りを助ける

  • 升麻(しょうま)・柴胡(さいこ):気を上に持ち上げる(「内臓下垂」や「脱肛」などに応用)

特に「気を持ち上げる」力があるのがこの処方の特徴で、体が重くてだるいときや、精神的な“落ち込み”にも働きかけます。


漢方薬の名前を知ると、もっと身近になる

『補中益気湯』という名前は、一見難しそうですが、その意味をひもといてみると、
「胃腸を元気にして、体力を回復させる薬」
という、とても実用的な処方であることがわかります。

漢方薬の名前には、使う目的や効能がそのまま込められているものが多く、「意味」を理解することで、あなたに合った薬が見つけやすくなるかもしれません。

疲れが取れない、元気が出ないと感じたら——
“補中益気”の力を借りて、内側から元気を立て直してみてはいかがでしょうか?

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“なんとなくだるい”を放置しない

2025-07-21 06:10:16 | 出張相談

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“なんとなくだるい”を放置しない

——漢方で読み解く「未病(みびょう)」のサイン——

「最近なんとなくだるい」「朝スッキリ起きられない」「疲れが取れにくい」——病院に行くほどではないけれど、日常のパフォーマンスが落ちている。そんな“未病”の状態に心当たりはありませんか?

西洋医学では“検査数値に異常がない”とされても、漢方ではそうした体の「なんとなく不調」こそが重要なサインと考えます。放っておけばやがて本格的な病気に繋がるかもしれない「未病」。漢方的に読み解くと、体はすでにあなたに信号を送っているのかもしれません。

この記事では、「なんとなくだるい」状態に焦点を当て、漢方の視点からその原因と対処法をわかりやすくご紹介します。


「未病」とは何か?——“健康”と“病気”の間にあるグレーゾーン

「未病(みびょう)」という言葉は、古代中国の医書『黄帝内経』にも登場する概念で、「まだ病には至っていないけれど、病気へ向かいつつある状態」と定義されています。

つまり、未病とは「症状はあるけれど、病名はつかない」「検査では異常が出ないが、つらい不調がある」といったグレーゾーンです。
この段階でケアすることで、重い病気を未然に防ぐことができる——それが漢方の基本的な考え方です。


“なんとなくだるい”は、体のバランスが崩れているサイン

漢方では、体の状態を「気・血・水(き・けつ・すい)」の3要素でとらえます。この3つがバランスよく巡っている状態が健康ですが、どれか一つでも滞ったり不足したりすると、不調が現れます。

“なんとなくだるい”と感じるときに多い未病タイプは、以下の3つです:


① 「気虚(ききょ)」タイプ——元気の不足

体を動かすエネルギー源である「気」が足りていない状態です。疲れやすく、朝がつらい、やる気が出ない、食後に眠くなるといった症状が多く見られます。

よくあるサイン:

  • 朝の寝起きが悪い

  • 食後にすぐ眠くなる

  • 立ちくらみしやすい

  • 声が小さくなる

  • 冷房がつらい

対処法:
補気作用のある「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」「六君子湯(りっくんしとう)」などがおすすめです。朝ごはんをしっかり摂り、無理のない範囲で体を動かして気を巡らせましょう。


② 「血虚(けっきょ)」タイプ——体を養う栄養不足

血は体に栄養と潤いを届ける存在。これが不足すると、肌や髪の艶がなくなり、集中力や気力も落ちます。女性に多いタイプで、めまいや動悸、目の疲れが目立つことも。

よくあるサイン:

  • 顔色が青白い

  • めまいや立ちくらみ

  • 不眠や夢が多い

  • 髪が抜けやすい

  • 生理が遅れがち・量が少ない

対処法:
養血効果のある「四物湯(しもつとう)」「帰脾湯(きひとう)」などが適しています。鉄分・たんぱく質を意識した食事(黒ごま・レバー・プルーンなど)も大切です。


③ 「水滞(すいたい)」タイプ——水の巡りが悪い

体内に不要な「水分」が溜まりやすくなるタイプ。むくみや重だるさ、頭のぼんやり感、天気痛などを訴える人が多く、梅雨や夏場に悪化しやすい傾向があります。

よくあるサイン:

  • 体が重く感じる

  • 手足がむくみやすい

  • 頭がすっきりしない

  • 天気が悪いと不調になる

  • 胃もたれしやすい

対処法:
体の余分な水を排出する「五苓散(ごれいさん)」「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」などが使われます。はと麦、小豆、とうもろこしのひげなどを使った薬膳茶もおすすめです。


「未病」の段階だからこそ、できることがある

「なんとなく不調」な時期にこそ、体をいたわるチャンスです。多くの人が「まだ病院に行くほどじゃない」とそのままやり過ごしてしまいがちですが、未病を放置すれば、次第に慢性症状や重大な病気へと進行してしまう可能性があります。

漢方の魅力は、こうしたグレーゾーンの不調に対しても丁寧にアプローチできる点です。「気・血・水」のバランスを整えることを日々意識することで、病気に“なりにくい体”を育てていくのが漢方の目的です。


あなたの「なんとなく」を、言葉にしてみよう

「ただ疲れてるだけかも」「年齢のせい」と決めつけてしまわず、自分の体に問いかけてみてください。
・いつから感じるようになった?
・どの時間帯がつらい?
・季節や天候と関係ある?
・食欲や睡眠に変化は?

このような気づきが、体調改善への第一歩です。体の声に耳を傾け、今の自分に合った養生法を見つけていきましょう。


「だるい」は我慢しないでいいサイン

毎日を頑張っているあなたにこそ、「なんとなくだるい」は見逃してほしくないサインです。病気になる前の段階でケアを始めることが、心と体を守る最善の方法です。

漢方や薬膳、生活習慣の見直しを通じて、少しずつ体を整えていきませんか?「未病のうちに整える」——それは、健やかな未来の自分への最高の贈り物かもしれません。

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