暑すぎて怒りっぽい…それ、“肝火上炎”かも?
梅雨が明け、夏本番。朝から太陽がギラギラと照りつけ、気温は連日35度超え。エアコンをかけても部屋の中がじんわりと暑く、外に出れば吹く風さえ熱をはらんでいます。
こんな酷暑の中、こんな気持ちになっていませんか?
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ちょっとしたことでイライラする
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家族に八つ当たりしてしまう
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感情がうまくコントロールできず自己嫌悪に
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頭にカーッと血が上るような感覚になる
それ、もしかすると“気のせい”ではないかもしれません。
漢方の視点から見ると、それは「肝火上炎(かんかじょうえん)」という状態かもしれないのです。
「火」のエネルギーが頭に昇る ― 肝火上炎とは?
東洋医学では、人間の身体は「気(き)」「血(けつ)」「津液(しんえき)」のバランスによって健康が保たれていると考えられています。
なかでも「肝(かん)」という臓腑は、感情と密接な関係を持ち、特に「怒(いかり)」の感情をつかさどるとされます。
暑さやストレス、睡眠不足などが続くと、「肝」に熱がこもりやすくなります。この熱が“火”となって上半身に昇ってしまう状態が、「肝火上炎(かんかじょうえん)」です。
【肝火上炎の典型的な症状】
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怒りっぽい、短気になる
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顔が赤くなる、目が充血する
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頭痛やめまいがする
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耳鳴りや不眠、歯ぎしり
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口が苦く感じる
まさに「カーッと頭に血がのぼる」ような症状ですね。
このような状態では、自律神経も乱れやすく、心身ともに消耗しやすくなります。
猛暑×ストレス=肝火の暴走?
今年の夏は異常とも言える暑さ。気象庁の発表によると、全国の猛暑日(35度以上)は過去最多レベルとのこと。
この気温の高さ自体が、体内に「余分な熱=実熱(じつねつ)」を生み出しやすくします。
さらに、冷房の効いた部屋と炎天下の外を行き来する生活、職場や家庭での人間関係のストレス、寝苦しさによる睡眠不足なども重なると、まさに「肝火」が勢いを増す条件が揃ってしまうのです。
そんなあなたに漢方薬という選択
怒りっぽくなるのは「性格」ではありません。
体内のバランスが乱れている「体からのサイン」かもしれません。
ここでおすすめしたいのが、肝火を鎮める漢方薬です。
◼ 抑肝散(よくかんさん)
もともとは「子どもの夜泣きや癇癪」に用いられていた処方。
近年では大人のイライラ、怒りっぽさ、神経過敏にも広く使われています。
→ 適応例:更年期のイライラ、介護ストレス、怒りの感情を抑えられないとき
◼ 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
体の中にこもった「余分な熱=実火」を取り去る作用に優れた処方です。
口の苦み、尿の異常、目の充血など「熱が上に昇ったサイン」があるときに。
→ 適応例:顔が赤くなる、頭に血がのぼる、イライラして口が苦いとき
◼ 加味逍遙散(かみしょうようさん)
女性のための“気・血・肝”を整える処方。
ストレスによるイライラ、気分の落ち込み、月経前の情緒不安定に使われます。
→ 適応例:情緒の波がある方、更年期、PMS、ストレス性の不調
肝火をしずめる夏の過ごし方
漢方薬とあわせて、日常の過ごし方でも“肝火”をやさしく鎮めていきましょう。
● 睡眠をしっかりとる
「肝」は夜の休息で回復します。とくに23時~3時は「肝の時間」とされるので、その時間にはしっかり眠っておきたいところ。
● 酸味をとり入れる
酢の物や梅干し、レモンなどの酸味は「肝」をやさしく養い、過剰な熱を冷ましてくれます。
● 冷やしすぎに注意
熱を冷ましたいからといって、キンキンの飲み物やエアコンの直風には要注意。体の外側だけ冷えて、内側の“熱”はこもりがちに。
● 緑のものを多くとる
「青」は五行で「肝」に対応する色。ほうれん草、小松菜、ピーマンなど、青菜系の野菜は「肝」の養生にぴったり。
まとめ:怒りっぽいのは、体の声かもしれない
気温が高いと、感情も乱れやすくなります。
でも、それは「性格が悪い」のではなく、「体のSOSサイン」。
そんな時こそ、漢方のやさしい処方で体の中から整えてみませんか?
「最近ちょっと怒りっぽいかも…」と思ったら、ぜひ一度ご相談ください。
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