天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】亜人@試写会【26作目】

2017年09月25日 | 映画感想
「亜人」@試写会

また試写会当たったった~♪
シネコンが会場だし、もし舞台挨拶とかあったら嬉しくて失神しちゃうかもー!って期待したけど誰も来なかった。うんそんなもんだよねw
という訳で…同名タイトルコミックの実写映画化。
主人公の「永井圭」を佐藤健くん、圭と同じ亜人の「テロリスト・佐藤」を綾野剛くんが演じています。監督は「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督
自分は原作コミック未読。本作は先にアニメ化もされているそうですがアニメの方も全く見た事がありません。全くニュートラルな状態で鑑賞

簡単なあらすじ…
難病の妹を助けたいと医師を目指し、研修医となった「永井圭」はある日トラックに撥ねられて即死してしまう…ものの、衆人環視の元で直ぐさま生き返り
圭は不死身の新人類「亜人」である事が発覚し、そのまま政府に保護されて亜人研究施設に移送された。
「政府に保護」とは表向きの事で、実際の亜人研究施設は監禁された上に24時間来る日も来る日も手足を切られ殺されて生物兵器開発の実験台等にされる日々だった。
そこへ圭と同じく亜人の「佐藤」が圭を救い出そうとやって来た。ところが佐藤は国家に恨みを持つテロリストで、自分と同じ亜人である圭に共に仲間になる事を要求。
圭がそれを拒否すると佐藤は圭を激しく敵視しつつ、政府に対して大規模テロを予告して来た。

「亜人」には色々ルールがあって
1.基本的に不死身
2.体を切断したり怪我をすれば痛みは当然ある。だが死ねば全ての怪我は治り(切断部位はちゃんと生えて来る)数秒で復活する
3.体が粉々に小さく粉砕された場合、ある程度の大きさの体の一部があればそこから復活が出来る(映画中では手首から先程度の大きさから復活が出来た)

上が基本ルールで、更に亜人は自分の体から煙のような?黒い粒子が固まったかのような?「分身」を出す事が出来て(IBMと呼ばれている)
そのIBMが時として亜人を守ったりサポートしたり、相手のIBMと闘ったりする事も出来る。更にIBMは亜人の目には見えるが普通の人間には見えない。
…この「亜人にしか見えないIBM」というのが本作の中でもキーになっている。
後は基本ルールの「死ねば復活」部分。逆に言えば死なない限り切断された四肢や怪我は治らないので亜人にとっては辛い状態が続く訳よ。
だから亜人をとっ捕まえようと思ったら瀕死の状態で「生け捕り」しないと人間に勝ち目はない。
佐藤達は自分が肉体的に劣勢になると自ら命を絶って完全体に復活しようとするから、人間側は亜人に死なれないように生け捕らなくちゃいけないというのがミソ。

という訳でー、映画始まったと思ったら怒涛のスピードで話がガンガン進む。圭が佐藤から救出されて→仲違いして施設から圭が逃げ出すまでが物凄いテンポのいい滑り出し。
あ、本作を観る上で1つ注意しなければいけないのは、元々スプラッタ系が苦手な人は少々ハードルの高い絵になっているという事です。
映画始まっていきなり手を切断したり足を切断したりグログロ映像てんこ盛り。その後も人は次から次へと死にまくるし、亜人は自分の手を切ったり
喉元ナイフで掻き切ったりやりたい放題の血しぶき上げたい放題w
自分も実はあんまり得意な分野じゃないのでところどころ「ウヘァ~↓↓↓」となるシーンもありましたね。佐藤健君好き好きー♪で観に行くととんでもない目に遭うかも^^;

後は基本「怒涛のバトルシーン連続技」みたいな感じで、体感的に映画上映時間の7割強位バトルだったような感覚。
実際はそこまでバトってる訳じゃーないんだけどね。でもそれくらいインパクトがあってバトルシーンの絵作りにはこだわりを感じたと言うのかな。
邦画もここまで派手で面白い絵が作れるようになったんだなぁ~って思ったよ。ま、「トランスフォーマー」とかに比べたらまだまだ規模小さいけどさ(苦笑)

一応ドラマっぽい部分が、圭が施設を脱走してから逃げ延びたある山間の農村で、吉行和子さんが演じる「田舎の気のいいおばちゃん」に保護されて
妹も病院から連れ出して身を隠している束の間のシーン。
でも本作って根本的に主人公が何考えてるのかイマイチ見えてこないっつーか、劇中でも妹に「お兄ちゃんが亜人と分かってちょっと納得した。だって元々冷たかったしね」
とか言われちゃってるんですが、圭が口数が少なくてあまり自分の感情を表に出さないタイプ…とでも言うんですかね?
まあ佐藤のテロ計画を阻止しようと動く訳ですから「いいもん」なんですけど、なんと言うか~観客が主人公に同調し難い・シンクロ出来ないキャラと言うのかしらね。
だから本作全般的にドラマ部分は弱かった感じがします。佐藤の方のキャラもどうやら赤ん坊の頃に死んで蘇えっちゃった事で生まれてから直ぐに施設に収監されて
以後20年間も人体実験に使われて来た、という過去を持っているらしく…劇中でも仲間から「佐藤さん何考えてるか分かんないんすよね~」って言われてるしw

まあ、だから見せ場は「亜人×亜人」のバトルの過激さ、これ1本!
元々佐藤健くんの身体能力の高さは「るろ剣」等でお墨付きなので、綾野剛くんとの肉弾戦は非常に見栄えがします。
何故つい最近まで地味な研修医だったハズの圭が亜人だと分かった途端に物凄い身体能力を発揮するのかはこの際考えるのは止めましょう(苦笑)

でも本作は佐藤健くんよりも綾野剛くんの怪演っぷりがとにかく目を惹いたなぁ~!
国を恨んで呪っている不気味なテロリスト、亜人である自分の能力を知り尽くしていて常に余裕綽々な態度なのが胸糞悪くて凄くイイ!←何だよコレw
圭の役は正直佐藤健君じゃなくても出来そうだけど、綾野剛くんを佐藤役にキャスティングしたのは全く持ってグッジョブだったとしか言いようがないな。
本作でウケちゃって、以後しばらく綾野剛くんには頭のイカレた不気味キャラのオファーばっかり来るようになったりしてねw

上映時間は1時間47分。最近2時間超作品が当たり前の中で実に潔い人間描写ほぼ取っ払いのバトル映画になってます。
いかにも続編作れそうな終わり方してますけど…綾野剛くん以上に不気味なキャラ演じられる役者さん探すの大変じゃない?次回作のヒール役は荷が重いわよきっとw
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