天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「蜜蜂と遠雷」試写会@42作目

2019年09月30日 | 映画感想
「蜜蜂と遠雷」試写会

恩田陸氏著の同名タイトル小説の実写映画化。
原作は史上初の「直木賞」と「本屋大賞」のダブル受賞したという鳴り物入りの作品だそうで…試写会前に本当は原作読んでおきたかったんだけどなー、の未読です(苦笑)

あらすじ
優勝者が後に有名なコンクールで優勝するというジンクスで注目される芳ヶ江国際ピアノコンクールに挑む栄伝亜夜(松岡茉優)、高島明石(松坂桃李)、マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)、風間塵(鈴鹿央士)。
長年ピアノから遠さがっていた亜夜、年齢制限ギリギリの明石、優勝候補のマサル、謎めいた少年・塵は、それぞれの思いを胸にステージに上がる。
(Yahoo!Movieから丸パクしました)

あるピアノコンクールに出場した4人の若きピアニスト達にフィーチャーしてそれぞれの事情や様子、更には主催者側の様子等も交えてコンクールの行方を見せています。
4名の中でも松岡茉優さん演じた「栄伝亜夜」に一番スポットが当てられていて、まあ彼女が本作の主人公と考えていいでしょう。
それで4人は最初はそれぞれバラバラなんだけど、少しずつお互いが関わり合いになっていく形を取っています。

基本は「芳ヶ江国際ピアノコンクール」の大会の様子を見せていて、まあ勿論その大会本番に向かうまでのそれぞれの出場者の苦悩だったり主催者側の思惑だったりを見せているんですが、主人公の「亜夜」が7年前に母親をどういういきさつでだかは分からないけど亡くした事がきっかけで何故かピアノが弾けなくなってしまった…という設定なんですが。
この「何故かピアノが弾けなくなった」部分は掘り下げられないモノなんでしょうかね?原作小説でもピアノが弾けなくなった理由に関して特に描かれていないのかな?
「母親の死がショックでピアノが弾けなくなった」って、なんか理由として成立してないような?例えばだけど母親の死に亜夜が何か関わっていて、自責の念からピアノを前にすると母親の最期の姿がフラッシュバックしてしまいどうしても弾けないのだ…みたいなトラウマがある、とかさ。その方が見ていて納得出来るんですが^^;
少なくとも亜夜が思い出す「生前の母親像」が常に笑顔で優しく自分に語りかけてくる、楽しくピアノを連弾している姿なんですよね。それでトラウマ???
なんだか彼女のトラウマ部分がしっくり来ないと言うか納得いかないと言うか。

それから先頃亡くなったばかりの世界的ピアニストからの直筆紹介状により今コンクールに参加した、という謎の天才少年「風間塵」
父親が養蜂家でヨーロッパ一円を養蜂業を営みながら移動生活をしていたという設定なんだけど、幼い頃にどうやらその世界的ピアニストに才能をを見出された風間少年はピアニストから何故か音の出ない木製鍵盤を与えられて、その木製鍵盤を独りマンションのベランダで弾き続けている…なんでやねん!(滝汗)
フツーにピアノ買ったらあかんのか?それこそ孤児でお金がなくてピアノを買って自宅で練習する事も叶わず…みたいな境遇だったならまだ分からなくもないよ。
おとん養蜂家なんやろ?ヨーロッパ周遊しとったんやろ?しかも世界的ピアニストにピアノ習えるような境遇だったんちゃうんか!?意味がわかんねーよっ!!

…と、多分原作小説ではここら辺りの境遇やバックボーンに関して事細かに描写があるのだろうと推察しますが、映画ではなーんも説明がないので謎過ぎて着いて行けない(滝汗)

ピアノの演奏シーンが本作の山場中の山場なんだけど、コレに関しては本当に満足度の高い仕上がりになっていると思います。
当然ですが4人それぞれにプロのピアニストさんがあてがわれて吹替演奏している訳ですが、それにしてもそれぞれの役者さんもピアノ演奏シーンはかなり苦労されたんじゃなかろうかと…それぞれ本当に演奏している風に見せていて、役者さんって本当に凄いなーと思いましたね。
演奏シーンでの特に見ドコロだと思ったのはコンクール2次予選のカデンツァ(自分でイメージを膨らませて作曲または即興演奏する)を演奏するところですかね。
4人それぞれのキャラクターやこのコンクールに対する思い入れ、ピアノに対する持論…のようなモノを楽曲に乗せていてそれぞれ個性的だった。
小説ではこの楽曲を文章だけで表現しているのかと思うと、やっぱり原作小説を先に読んでおきたかったなーと改めて思いましたね^^;

4人それぞれの心の成長(まあ、主に亜夜の心理葛藤ですね)を見せる…体ではあるものの、ここらの心理描写は正直少しモノ足らない感じがありました。
暗い驟雨の中を黒馬が駆けていくシーンが何度か挿入されますが、それが亜夜の心のどの気持ちに当て込んでいるのかイマイチわかんねー(滝汗)
セリフで説明せずにイメージ映像で表現する、というのはとても難しいと思います。よく考えられた映像だとは思うもののどうしても説明不足な感は否めない。
そもそも論になっちゃいますが本作のタイトル「蜜蜂と遠雷」の意味するモノすらよく理解出来なかった。単に自分が阿呆なだけか。そっかorz

世界的ピアニストさんの紹介状の真の意味は映画最後に種明かしがあります。なるほどね…でもだったら彼自身の身の振りは?とも思いますが(苦笑)
そんなこんなでー、4人の中で最後に音楽の神様に愛されて選ばれるのは誰なのか、は是非劇場のスクリーンで楽しんで下さいなーっと♪^^

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2 コメント

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Unknown (三谷眞紀)
2019-10-03 21:47:31
たまには連投で……この話、中学生に超人気で、図書室でいつも借りられてる。
生徒から強烈に勧められて、実は原作を読んだ!
つ、つまらない!(アキャー
コンクールだから演奏シーンがいっぱいなんだけど、その描写が長くてくどくて飽きる。
「また演奏か。あーあ」ってなっちゃうの。
でもその演奏の描写がすばらしいってことみたいだから、心の汚い大人(私)には無理だったのかなあ。
映画の役者さんのイメージは、少し違ってたなあ。私は原作の真ん中辺まで、主役は風間塵だと思ってた。
でもこいつ(風間)が不思議ちゃんキャラで「これが主役か参ったな」と思ってたら、松岡さんの役が主役になってきてほっとしたわ。
恩田陸って初めて読んだけど、うーん。ほかの作品は面白いのかしら?なんか映画と離れたコメントでごめんね!
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連投あざす (管理人)
2019-10-04 12:47:01
>眞紀さん
原作…つまらないのか(ふぅ)
直木賞は全くアテにしてないけど本屋大賞取ってたから「もしかして今度こそ面白いのかな?」ってちょっと期待してたのに!><
個人的に本屋大賞と山本周五郎賞の2つだけは信頼してるんだけどなぁ。

実はさー、恩田陸氏の作品が私も苦手なんですよ。この人の作品の何がいいのかサッパリ分からない。
結構前だけどこの人の「夜のピクニック」という作品が映画化されてね、それ観たんだけど全く面白くなくて(苦笑)
余りにも面白くないから(コラコラ)「映画化した事が間違いで原作小説はもしかしたら物凄く面白い!ていうパターンか」と思って後から原作読んだんだ。
そしたら原作も全くさっぱり面白くなくて爆死しそうになったというね(苦笑)
単純にこの人の作風が自分と相性が悪いんだなーと思ってそれ以降避けて来たんだけどネ^^;
…ま、でも本作の原作小説買おうと思ってたけど読むのやーめたw

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