天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】パッセンジャー、ムーンライト【9~10作目】

2017年04月12日 | 映画感想
「パッセンジャー」

予告編をチラッと見て「お!コレ面白そう♪」って結構楽しみにしてた作品。それなのにもう少しでスルーしちゃうトコロだったわ。危ない危ない^^;
監督は『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』等を撮ったモルテン・ティルドゥム氏。
登場人物が極端に少なくて、基本は男1:女1なんだけど…それにあともう1人男性と1体の人型アンドロイドが加わって「3人+1体」という構成。

あらすじ…近未来、地球は人口増加と物価高騰、資源不足等の様々な理由から他の惑星に移住する事になり超豪華宇宙船「アヴァロン号」に
クルー250余名、乗客5,000人を乗せて地球を飛び立った。移住地まで120年掛かるので完全自動制御運転でクルーと乗客全員が「人工冬眠ポッド」に入って
いたのだが、何故か到着90年も前にジム(クリス・プラット)とオーロラ(ジェニファー・ローレンス)の2人だけが目が覚めてしまう…

☆☆☆CAUTION☆☆☆
ココから先、何を書いても本作のオチに関わるネタバレになってしまうので、本作未見の方 or オチを知りたくない方は読まない事をオススメします!


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さて、ではいきなりオチバレから書くので本当に要注意ね









まずさ、何に驚いたって…最初に目が覚めたのはジムだけだったのかよ!って事。てっきり「たまたま2人が同時に目が覚めた」とばっかり思っててさ。
だから映画冒頭からのジムが1人で色々試行錯誤してるシーン見ながら「いつオーロラは目が覚めるんだろ?更に事故が起こるって事かな?」位に
ハナホジ状態で見てて。だから個人的にはこのパターンは結構衝撃だったかも。
だって…劇中オーロラも絶叫してたけど、やった事は確かに「殺人と同義」だもんね。
コレ多分本作観た人はほぼ全員考えると思うんだけど…もし自分がジムと同じ状況に陥ったら自分だったらどうするか?
ある意味究極の選択だよなぁ~本作はラブファンタジーっぽく仕上げてあるけど実は結構エグいと思うんですよね、この問題は(苦笑)

まー後は優雅且つ豪華なオデッセイ観てるって感じでしょうかね(薄笑)
そもそもが「豪華客(宇宙)船」に乗ってる訳だから、飯から娯楽から何でもござれなのに変わりはない。
ま、結局は…故障するハズのないジムの冬眠ポッドがぶっ壊れたという事は他にも誰か同じ状況になるヤツいるんちゃうん?そもそも故障の原因て何だったん?
という核心部分に最終的にはネタが進む訳ですが、まあうーん…こんなもんなんですかね?^^;
話が段々失速して行く感は否めませんが、デートムービーとしては程良くまとまってるかな?ってトコロですか。
ラストの「オーロラの選択」も「ま、そーでしょうねぇ」という感じですか。



「ムーンライト」

今年のアカデミー賞作品賞受賞作。おめでとーございましたー!
…という訳で、一応作品賞だから押さえておくべきだろうとは思っていたものの、オスカー予想してる時にちょっと本作のあらましを調べていて
あんまり自分の得意分野ではない方向のお話っぽいな、という事は分かったので「正直如何なものか」と不安になりつつ鑑賞。

あらすじ
マイアミの貧困層地区に住むシャロン少年は痩せっぽっちで小さな男の子。学校でのあだ名は「リトル(チビ)」で同級生達からいつもいじめられている。
おまけに母親はドラッグジャンキーな上にネグレスト。そんなシャロンにとって心休まるのはたまたま学校帰りに苛められている所を助けてくれてから
何くれとなく気にかけてくれるようになった麻薬の売人のフアンとその恋人テレサ、そして唯一シャロンが気を許せる友人「ケヴィン」の存在だった。

んー。コレはねー、なかなか日本人には難しいんだなーテーマがなー。
「黒人ド底辺」「ドラッグ」「セクシャルマイノリティ」のトリプルコンボですがな。コレに「宗教ネタ」が加わったら「日本人苦手ネタフルコンプ」する所でしたw
話はシャロンの成長に合わせて「1.リトル(幼少期)」「2.シャロン(高校生)」「3.ブラック(青年期、成人後)」の3つに分かれていて
それぞれのパートでシャロンを演じる役者さんを変えています。まあそーだよね。
それにしても小さな小さな「リトル君」が成人したらいきなりゴリマッチョになっててドびっくらコイたわ(笑)
しかも歯が総金歯だぞ(被せモノだけどな)金のゴツイネックレスとか金ゴッテゴテ腕時計とか悪趣味過ぎて吹くわマジで^^;

まーなんちゅーかね、「環境が人を作る」って言うと何か感じのいい事言ってるみたいだけど要するに「ド底辺スパイラルからは結局人は抜け出せない」つーね。
ドラッグジャンキーだった母親を嫌っていたのに結局は自分も麻薬の売人になって行くというね。経済的にのし上がろうと思ったらド底辺の皆さんは
この手の事に手を染めないとやって行けない、という事なんでしょうなぁ。
それにしてもアメリカってそんなにドラッグが身近なの?もうココら辺の感覚が全く日本人とは違うんだよな。正直共感には程遠い環境と言うのかね。

それでなくても共感出来ない環境の話なのに、この映画の主題はこの「ド底辺スパイラル」部分よりもむしろ「セクシャルマイノリティ」の方に軸があるというね。
コレがまたなー。正直コッチも自分苦手なんだよなーもー(滝汗)
リトルが苛められてた原因の一つに「オカマ」呼ばわりされてた部分もあるんだけど。小さな頃はチビっこくて痩せてて歩き方もナヨナヨしてたから
からかわれてオカマ呼ばわりされてたんだろうけど、ある日気付いたら自分が本当に同性愛者だった事に行き当たったというね^^;
いや、割と早い段階で自分のマイノリティに気付いてて、幼少期(小学校低学年?8~10歳程度かと推察)の段階で既に仲良しのケヴィンに対して
ほんのり恋心抱いているのが見て取れますから、もう筋金入りのゲイなんですなー。
またケヴィンがカラリと明るくていいヤツなんだけど女も抱くけど男もイケるよ!みたいな感じで(薄笑)

結局ずーっと孤独だったシャロンが、ただ1人気持ちをぶつけられる相手がケヴィンだったんだなぁ、と思うとちょっと切ない。
成人してから久し振りにケヴィンと再会した時に、ケヴィンがシャロンに「相変わらずうつむくクセ直ってないんだな」みたいな事を言うんだけど
その時のシャロンの一瞬の表情に何か「キュゥーーーーン」と来ちゃったわ。見た目ゴリマッチョで総金歯だけど(←しつこいってかw)

正直…で?だから?みたいな、切ないだけでフワッとした感じで話は終わるんだけど…ごめんやっぱこの手のネタ苦手だから寄り添えないんだよー自分なー(滝汗)
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