上田龍公式サイトRyo's Baseball Cafe Americain  「店主日記」

ベースボール・コントリビューター(ライター・野球史研究者)上田龍の公式サイト「別館」

サイト開設1周年で感じた「好きこそ物の上手……」

2006年01月23日 | Baseball/MLB

(誰よりも激しく全力でプレーしたからこそ、ゲーリッグの2130試合連続出場記録の高い価値がある)

今日で公式サイト「Ryo's Baseball Cafe Americain」(オープン当初は「Ryo's Cafe Americain」)を開設してちょうど1周年になった。
「ホームページビルダー」を駆使して、何とか開設にこぎつけたものの、最初の内容たるやとても「公式サイト」なんて名乗れるようなものではなく、アクセスも家族やごくごく親しい友人・知人ばかりで、田舎の選挙に立候補した泡沫候補といったありさまだった(笑)。
4月2日から日記と掲示板をBlogに移行し、10月からはlivedoorに引越し、と思ったらハプニングでつい数日前からgooブログとの「二刀流」を強いられることになったが、おかげさまでその都度アクセス数が増えており、大晦日に2400ちょうどだったサイトのカウンターも、もしかすると今月中に3000の大台(どこが=笑)に達しそうな勢いだし、blogにはもっと多くの訪問者においでいただいている。

以前にも書いたのだが、とにかく子供のころから典型的な三日坊主で、とくに「日記」と名のつくものは10日続けばいいほうだった私が、1年間ほとんど休むことなく、海外に行ったときにまで続けていたのは、自分でも信じられない。
ただ、最近気づいたのだが、大学卒業後、1年の就職浪人を経て、編集プロダクション、出版社にそれぞれ7年前後勤務したあと、現在のフリーランスベースボールライター(Baseball Contributor)になって、今年の春でもう8年になり、これまででもっとも長い職歴になった。おそらく、これは生涯の仕事になることだろう。
結局は「好きこそ物の上手なれ」ということなのだろう。
ベースボールの世界に限ったことではないが、「超一流」と呼ばれる選手ほど、試合をめったに休まないものだ。松井秀喜イチローはその代表格だし、日本のプロ野球なら王貞治長嶋茂雄山本浩二衣笠祥雄がそうだったし、メジャーでは何と言ってもカル・リプケンJr.、そしてルー・ゲーリッグがその典型だった。

よく日本の野球は「playball」でなく、「workball」だとも言われている。私が追及を続けている「体育会系体質」の悪しき影響なのだろうが、とにかく親や指導者に「やらされていた」スポーツを、プロになっても引きずっているような選手が少なくない。
しかし、毎日グラウンドに立ち、すばらしいパフォーマンスを披露してくれる一流のプレーヤーというのは、プレーする「権利」を満喫しているのだろう。松井秀喜はヤンキースに移ってから、その喜びを一層強く感じているに違いない。

昨年の7月4日、私はヤンキースタジアムのグラウンドに立っていた。さかのぼること67年前の同じ日、同じ場所で、不治の病ALS(筋萎縮性側索硬化症)に犯されていたゲーリッグは、引退のセレモニーに臨み、「いま、私はこの地球上でもっとも幸運な男です」の名スピーチを行なって、現役生活に別れを告げた。
ゲーリッグに対する野球ファンの一般的な印象は、おそらく「紳士」だろう。もちろん素顔の彼は紳士そのものだったが、いざユニフォームに袖を通してグラウンドに立つと、ヤンキースの主将を務めた男らしく、勝利のために全力でプレーするファイターに変身した。タイ・カッブばりの激しいスライディングをしている写真も残されており、また審判の微妙な判定に噛み付き、退場になったことも一度や二度ではない。そうしたフィールドでの激しいプレーでチームを引っ張るキャプテン像は、その後のサーマン・マンソン、そして現在のデレク・ジーターにも受け継がれている。

カル・リプケンにインタビューしたとき、彼は「グラウンドで激しく、全力でプレーした結果としての連続試合出場だったからこそ、自分の記録を誇ることができる」と語っていた。ゲーリッグの、リプケンの、そして松井秀喜の「ザ・ストリーク(連続試合出場記録)」は、決してただの「皆勤賞」ではない。いささか遅い再スタートではあったが、自分も全力で打ち込める仕事にめぐり合ったからこそ、生涯をかける決意でいる。そうした仕事ぶりの一端でも見てもらえるよう、できるだけこのサイトとブログをより充実させていきたいと思っている。

これからもよろしくお願いいたします。

Baseball Contributor
上田 龍



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2 コメント

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Unknown (Kikuta)
2006-02-01 21:23:01
遅くなりましたが、サイト開設1周年おめでとうございます。

自分もかなり遠回りをしてきましたが、今後は遥か後方から上田さんの後を追いかけていきますので、よろしくお願い致します。

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Unknown (上田 龍)
2006-02-01 21:24:02
いつもご愛読いただき、また貴重なアドバイスも頂戴して感謝しております。

今後もどうか「暴走」に歯止めをかけていただけますよう(笑)お願い申し上げます。

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