日中戦争から太平洋戦争へと続いた「15年戦争」で、輝かしい未来や可能性を絶たれた野球人は、先日紹介した石丸進一だけではない。日本の近代化とともにアメリカから伝えられ、国民的娯楽(ナショナル・パスタイム)へと普及・発展したベースボールそのものも、1945年8月15日の終戦まで、国家権力や戦争に翻弄され続けてきた歴史を持つ。
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石丸進一の名前は、比較的若い野球ファンでもご存じの方が多いのではないだろうか。佐賀商卒業後、先にプロ入りしていた兄・藤吉を追うように、1941年、名古屋軍(現中日ドラゴンズ)に入団し、1年目は内野手を務めたあと、兄の復帰に伴い投手に転向して、1942年17勝、43年には20勝をマークし、同年10月には戦前の職業野球で最後となるノーヒットノーランを達成している。
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