上田龍公式サイトRyo's Baseball Cafe Americain  「店主日記」

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続「マニーの方舟」

2006年02月05日 | Baseball/MLB
(「エース候補」のエルヴィン・サンタナをラミレスの交換要員に差し出すのは、エンゼルスにとって大冒険だ)

一時は今季もレッドソックスでプレー続行と思われたマニー・ラミレスだが、どうやら本人の「出たい」、球団の「出したい」の思惑は一致しているようだ。
ロサンゼルス・タイムズは、レッドソックスがエンゼルスに交換トレードを打診していると伝えている。実現すればラミレス、ギャレット・アンダーソン、ブラディミール・ゲレーロという、とんでもない外野トリオが実現するわけで、怖いもの見たさ(「打力の怖さ」と外野守備の「コワさ」の二重の意味で。二人に挟まれたアンダーソンの苦労が目に見えるようだ=笑)でアナハイムに足を運びたくなるが、問題はエンゼルス側の交換要員である
まあ、当然これぐらいの選手を出さなければ釣り合わないのだが、昨年デビューして12勝をマークし、ヤンキースとのディビジョンシリーズでの「緊急登板」で快投を見せたエルヴィン・サンタナと、ユーティリティプレーヤーで昨年の盗塁王チョーン・フィギンス+若手選手をボストンが要求しているという。
守備位置の関係でフィギンスの放出は仕方がないかもしれないが、サンタナはとても出せないだろう。1月10日に23歳になったばかり。昨年、クリーブランドでのデビュー戦をスカパー!MLBライブで担当する幸運に恵まれていたが、150km台の速球に、現在エンゼルス投手陣のなかで最高と言われるスライダーを武器に、メジャー2試合目では早くも完封で初勝利をマークした逸材である。エースのコロンがディビジョンシリーズでの故障から回復できるかがまだ微妙なだけに、今季のピッチングスタッフからサンタナを外すのは戦力面ではやはりマイナスだし、サラリーもまだメジャー最低年俸に近い彼を放出して、体重も契約もドーンと重いラミレスを抱え込むのは、財政面でもフロントは難しい決断を強いられるだろう。
ヤンキースがちょっかいを出してくることも考えられるが、さすがにデイモンに次いで主力選手をボストンから強奪するようなマネは……やりかねないんだよな、「キング・ジョージ」は!(笑)。だいたい1920年代も、ベーブ・ルースばかりか、エースのハーブ・ペノック、ウェイト・ホイト、さらには監督のエド・バーロウまでGMとしてレッドソックスから強奪して(彼らはいずれも殿堂入り)黄金時代を築いた「前科」があるわけですから。
まあ、キャンプの集合日にマニーがフロリダに行くのか、それともアリゾナ行きの飛行機に乗り込むのか、今から大変注目ですな。


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