
(敗戦の直後、その人間性の素晴らしさを垣間見せてくれたジョニー・デイモン)
今年のニューヨーク・ヤンキースが2000年以来のワールドシリーズ制覇を果たせるかは、もちろん開幕前の段階で断言などできない。ただ、少なくともペナントレースでもポストシーズンにおいても、去年よりはずっと内容の濃い試合やプレーをファンの前で披露することができるだろう。なぜから、彼らはジョニー・デイモンという素晴らしい選手をそのラインナップに加えたからだ。
今日のWBC第2ラウンド、メキシコ対アメリカ戦。1点のリードを許して迎えた9回表、1死一、二塁の場面でバーノン・ウェルズがショートゴロ併殺打に倒れてアメリカの敗退(そして日本の準決勝進出)が決まった瞬間、必死のスライディングでダブルプレーを阻止しようとしたが実らなかった代走の一塁走者デイモンは、勝敗が決したのを見届けると立ち上がり、二塁手のホルヘ・カントゥを抱擁して彼らの勝利を祝福した。それは、数々の問題と疑惑にゆれたこの大会において、キューバの決勝進出と並んで心休まる、そして美しい光景であった。
タレントの井手らっきょさんは、当ブログへトラックバックしてくれたご自身の日本対韓国戦の観戦記で、「僕は益々、野球が好きになった。これからも野球を応援していきたいと思う」と記されていたが、私もこのデイモンの姿を見て、まったく同じ気持ちになった。
ボストン・レッドソックスでは長髪にヒゲのスタイルで、「原始人」とあだ名され、独立愚連隊軍団として2004年の世界一となったレッドソックスの象徴となったが、実際の彼が思いやりにあふれた人物であることは、2003年のプレーオフで打球を追って内野手と激突し、担架で球場から運び出されたとき、朦朧とする意識の中で、心配する観客たちを安心させようと、静かに片手をあげて退場していった瞬間を見たとき、十分に理解することができた。逆境にあっても周囲への気配りを見せ、悔しくてたまらない敗戦の直後にも、まず相手の勝利と健闘を称えることのできる人間性は、野球選手としてだけでなく、社会人としても尊敬に値するものだ。
こういう選手はもちろんプレーにおいても、広い視野でゲームに臨み、チームの勝利に数多く貢献することができる。もちろん、シーズン中にヤンキースが何度か直面するであろう危機の際にも、必ず救世主的な役割を果たしてくれるだろう。
ヤンキースのオーナー、「キング・ジョージ」・スタインブレナーは、WBCの開催にも、自チームの選手派遣にも一貫して拒絶反応を示してきたが、彼はデイモンがWBCの舞台で素晴らしいロールモデル(社会的規範)としての役割を果たして、ヤンキースの名誉を高めてくれたことに、心から感謝すべきだろう。
大会主催者、そしてアメリカ政府に逆に足を引っ張られ続けたチームアメリカだが、彼らが素晴らしいプレーヤーの集団であったことは何の疑いもない。さあ、明日からはそれぞれのキャンプ地に戻り、来るべきシーズンに備えて、また今年も偉大なプレーをわれわれの前に見せてほしい。そして、今日の先発投手ロジャー・クレメンスが、今年も引き続きユニフォームを着て、戦後初となる通算350勝を達成してくれることを、心より祈るばかりである。
デイモンのハグは当方も見ました。
最後のダブルプレーを見逃した直後、この映像が飛
び込んできて、一瞬何が起こったのか?と思ってた
のですが...状況把握に気をとられてこの余韻を
楽しむことができませんでした。もったいないこと
をしました。
当方のヘナチョコBLOGにはまだちゃんと書いて
ませんが、明日の便で準決勝2試合だけを見に
1泊3日でサンディエゴに行って参ります。
ここまでいろいろあったWBCですが、とりあえず
ナマで見てみないことには始まらん、と思い、手配
をすすめてました。ゴジラ松井ほどではありません
が、いろいろ悶絶の末、昨日の午前中に最終的に腹
を決めました。(本命はピンストライプじゃない
ジーター見たさだったのですが...)
※当方と同時期に宮崎にいらっしゃった節丸サンの
おっかけではアリマセン、念のため。(笑)
明朝のスカパーも、楽しみにしております。
失礼致しました。
これをフェアプレーのスポーツ精神というのでしょう。
日本のプロ野球には、観衆も含めて感動の触れ合いがまだまだ少ないですね。
勝ち負け以前の、こんなシーンが数多く見られることを期待しています。
J SPORTSの解説を仰せつかって解説させていただきましたが、実は今日のデイモンもいい光景でしたが、前日のプエルトリコ・キューバ戦オンエアーされませんでしたが、現地の映像でE・ペレスが最初に、その後次々とプエルトリコのナインがキューバベンチに向かって健闘を讃えあった姿に感動しました。
ちなみにパッジはキューバ選手にうながされて記念撮影をしていました。カリブ海諸国の結束の強さを見たい思いです。本当はコラムでも書きたかったのですが、上田さんにそれを伝えたくてメールしました。
まずは、12球団が一致協力して最強メンバーを選出するには、どうしたらいいかという話し合いさえ無いうえ、そういう考えさえ
元々無い、もっと言えば、12球団が一致協力する体制にさえなっていません。
読売偏重、自球団の経営さえ良ければ球界全体なんてどうでも良い。
こんな偏った企業エゴ集団で意見もまとまらない上40年かけて固められた人気格差を背景にした(崩壊寸前ですが)、既得権擁護の保守的志向、観客無視の意思決定でバラバラのエゴの集まりのどこに、最強日の丸軍団を
作ろうとする基盤があるのでしょうか?
日曜日の韓国戦が楽しみですね。
日本では、韓国戦に負けた後のイチローの「僕の野球人生で最も屈辱的な日」という発言がやたらといい方に取り上げられているのに正直びっくりしています。「屈辱的」というのは相手を認めていないからこそ出てくる言葉であり、きわめて失礼なものの言い方だと思うからです。別の言葉を使うとか、あえてそれは表に出さないとか、それなりの心配りをする余裕がイチローにはなかったのでしょうか。マリナーズでは期待できない緊張感のある試合に本人が興奮しているのは分かりますが、どうにもすんなり受け入れられません。やはり環境が人を作るのでしょうか。
次回の韓国戦、勝っても負けても対戦相手に対する敬意を表すような発言を聞いてみたいものです。
挑発的な言動をするからといって、すなわちその選手が一番燃えているというわけではありません。「イチローイチロー」と少々偏った報道が成されていますが、他の選手、以前から日本代表だった選手、そういう選手の声をもっと聞きたいと思っています。
酔っ払いが、絡むがごときの発言や、本題から逸脱したコメントはこういう公共の場にふさわしくないと思っています。
当方の投稿に関して、不愉快な思いをなさっているのでしたら申し訳ありません。削除の判断をなさることになんら異存はございません。お手数をおかけしますが、ご判断にお任せします。
私は、現地でこの米国対メキシコの試合を観戦していたにもかかわらず、このような感動的シーンを見逃してしまいました。。。つくづく残念です。
そういえば、ジョニー・デイモンは、この試合の直前、バックネット裏で、ファンからのサイン攻めに気軽に応じていました。
帰国したら、このシーンを録画で堪能したいと思います。ありがとうございました。