定期検査の日。心電図やレントゲン検査のあと、
「異常なしだね。」
主治医からそう告げられて、すごく明るい気分で帰宅した。
しかし、なんだか台所にいる妻と娘の雰囲気が異様に暗い。
本能が警戒警報を発令する。ここでは、下手な声がけをするべからず。逆鱗に触れれば尾を引くことになりそうだ。
仕事のことと健診の結果とをさらっと話して、シェルターに逃げ込む。明日が山菜採りの予定日なので、携行品の確認や機器の点検を行っていると、妻がやって来た。
「今夜の夕食、お願いしてもいい?」
おうっと、そう来ましたか。何があったのか知らないけれど、そういうリクエストなら任せなさい!
「春巻きの皮はあるんだけど、・・・。」
どうしたんだ。この重苦しさは。
これは、旨いものですね。びっくりするような旨い物を作って、みんなの明るさを取り戻しましょう!
で、春巻きは決まっているのね。だったら具材で勝負だ。
ポクポクポクポク チ~ン
≪ネマガリタケたっぷりの揚げない春巻き≫
揚げないというのは、終盤戦で時間が足りなくなってしまった結果試した調理法です。つまり、結果オーライのレシピでもあります。
下ごしらえの部
・瓶詰めにしてあったタケノコを細めの乱切りにしてみました
ああ、ついに開封の日が来ました
いいタケノコです
・細めの乱切りにして、ニンジンの千切りと合流
・ショウガ1片を千切りに
・豚コマと牛コマを70gぐらいずつ細かく切る
・ニラ1/2束は寸切り
・春雨40g茹でて冷まして待機
調理の部
・中華鍋に油を引き、ショウガ⇒肉⇒タケノコとニンジン⇒ニラ⇒春雨の順に加えながら炒めていく
既にご馳走の雰囲気
・ゴマ油、鶏ガラスープの素、酒、みりん、オイスターソース、醤油、砂糖を野生の勘で加えて味付け
※実は、在庫がなくなりかけてるものがいろいろあったので、分量不詳
※それぞれ、多くても大さじ1です
・水溶き片栗粉を加えてとろみを付けたらボールに移し、少々冷まして
ここで、賭に出ます。家族の皆さんに声を掛けて、協力要請。
妻は、主に皮の準備を、娘は主に具の包み込みを担当。美味しい香りに包まれながらの作業は、心を和やかにしてくれるのでしょう。表情が緩んできました。
ホッ、これで『ハルマゲドン』は回避できたようです。さて、レシピの続きだけど・・・
・フライパンに春巻きの結び目??を下にして5本並べて結構多めのサラダ油(大さじ3)を回しかけて熱します。
※要するに「揚げない春巻き」です
・2~3分で裏返して、もう1~2分焼くと出来上がり
※揚げ時間がもったいないので初挑戦しました
美味しそうでしょう。でも、実は・・・
1回目に焼いたときの焼き目
料理本には、「中火で4~5分」って書いてあったものだから、信じて4分焼いたらこうなってしまいました。多分、料理本を書いた先生に言わせると、「あなたのは強火。」ということになってしまうのだろうね。あらためて思うに、中火という表現は、非常に曖昧だということ。弱火でなくて強火でもなければ、その間は中火なんだけど・・・。どこからどこまでが中火なのか、正直なところ、線引きできません。
ま、こういう時はですねえ。忍法『見なかったふり』
旨そうです
ほらね、悪くないでしょう。一部の方は、焦げ部分を外して食べてましたけど、それはそれでいいのよ。どっちにしても美味しい今日の夕食。
「残りのタケノコ(瓶詰め)使って、別な料理作ってみようかな。」
おおっ、前向き提案が発せられました。滅亡の危機は、完全に回避されたようです。
愛は地球を救うかもしれないけど、そんな壮大なものでなくていい。料理は家族を救うのですね。
めでたしめでたし。
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