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羅臼 熊の湯のゴロツキ

2017年08月24日 20時08分35秒 | バイク・旅の話題
 羅臼にある熊の湯は旅人の憧れの秘湯ではなかろうか。知床の地に沸く野趣あふれる温泉と、観光案内などにかならず紹介されるから、ワイルドで明るいイメージを持っている人が多いと思う。

 しかし、ここで不快な思いをした者は多い。現在は改善されたのかもしれないが、私がここをたずねた2001年前後は誠に評判が悪いのである。

 2001年の北海道ツーリング。夕刻に熊の湯に行くと、若い男が5・6人湯船のまわりにぐるりと座っていた。地元の人間だ。そこに観光客の男性がひとりだけ含まれていた。地元の男達は含み笑いをしながら低い声で話し合っていて、観光客は居心地が悪そうだ。妙なことに誰も湯に入っていない。なんだか嫌な雰囲気である。服を脱ぎながら男達の会話を聞いてみると、湯が熱くて入れないらしい。熊の湯の源泉はとても熱い。だから水で埋めないと入浴できないのだ。その水のホースを男達が握っていて、わざと湯の温度を上げて、湯に入れない観光客が困っているのを見て面白がっているのだった。

 なんというマイナス思考だろう。こんなに情けないことはする人間をはじめて見たし、これほど下劣なことは恥ずかしくてできないと思うが、その感性が彼らには欠けているのだった。観光客は熱い湯に無理につかってみたが、すぐに飛び出していってしまった。それを見てゴロツキどもは大喜びだ。

 私もせっかく知床まで来ているので、ゴロツキどもの間に座り、湯に手を入れてみた。とてつもなく熱い。こんな湯には誰も入れない。私が湯に手をつけて引っ込めたのを見て、ゴロツキどもが笑いながら話しだす。
誰だよ、こんなに湯を熱くしたのは
悪い奴だな
入れたくないのさ、余所者を
余所者が困るのが楽しくてしかたがねぇ

 熊の湯につからずに帰るのは嫌なので湯に入ってみた。先に帰った観光客の男性も同じ気持ちだったと思う。しかし瞬間的に飛び出した。そしてゴロツキどもは大笑いである。

 こんなことが何度も何年も続いていたようだが、羅臼の人はそれを知っているのだろうか。こんな体験をしたのは、全国でも、羅臼、だけである。こんなに幼稚でひどい人間に会ったのも、羅臼、だけである。

 羅臼野営場が無料だった頃の話だ。

 HPより転載。2001年の北海道ツーリングでの出来事。該当日の変人とゴロツキもどうぞ。

 

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