
2018米沢・福島ツーリングの帰りにデコンプ・ワイヤーが切れてしまった。デコンプとは、デ・コンプレッションの略で減圧という意味である。大口径・単気筒エンジンのDRは圧縮がたかく、デコンプで減圧しないとキックがふめないのだ。このときはエンジンが暖まっていたので、デコンプ無しでキックして始動でき、辛くも帰ることができた。しかし冷関時にはデコンプ無しでエンジンはかけられないから、ワイヤーを交換して修理をした。

ストック・パーツを点検すると、デコンプ・ワイヤーは2本あった。以前このワイヤーが切れたのはDRを買ったばかりの25年前だ。始動のコツがつかめずに、何度もデコンプ・レバーを握ったり離したりして、キックを繰り返していると、ワイヤーが切れてしまった。そのときも予備のワイヤーを持っていたのでそれと交換し、また切れたときに備えてワイヤーを1本買っておいた。それを忘れて2・3年前にアクセル・ワイヤーやスピード・メーター・ケーブルを購入した際に、いっしょにもう1本買ったのである。今回は古いワイヤーをつかうことにした。

デコンプ・ワイヤーはクラッチ・レバーの上にあるデコンプ・レバーとエンジンの上部に接続されている。切れたワイヤーをはずしてみると、下のエンジンにつながる部分の太鼓がちぎれていた。

切れたワイヤーの全体像。ワイヤーを保護するカバーがレバー側にあるが、交換パーツにはなかった。

新しいワイヤーは下側、エンジン・サイドの太鼓からとりつける。そしてアウターをステーにのせるのだ。

デコンプはシリンダーの上にある。

この後でデコンプ・レバーにワイヤの太鼓を取り付けようとするが、長さが足りなくて、どうしてもつながらない。いろいろと試行錯誤をくりかえしたが、まずアウターをレバーにさしこみ、ワイヤをひきだして、レバーの切り込みにそってひっぱり、太鼓を押し込むと、やっと接続することができた。25年前はこんなに苦労した記憶はなかったのだが、大汗をかいてしまった。

ワイヤーのカバーは取り外すことができた。あらためて取り付けようとしたが、ワイヤーの長さがギリギリなので、はずすことができず、予備パーツに装着して次回につかうことにしたが、それはまた25年後だろうか。
因みにクラッチ・ワイヤーは2回は切れている。アクセル・ワイヤーは切れたことがないので、買ったときのものをそのまま使用している。スズキのバイクの信頼性は、非常にたかい。走行距離ほぼ10万キロ。