前回は謝りっぱなしで散々な更新となってしまいました(汗)。皆様申し訳ありませんでした。さて、白井さんからも、これは常日頃から教えていただいていることなのですが、
『個々の細かい点よりも“全体の組み合わせ”や“着こなし”についてもっと触れないとね。』
と重ねてアドヴァイスをいただきました。本当に有り難いことです。これからも掲載内容には細心の注意を払いつつ、白井さんの着こなしについて少しでも多く触れられるように心掛けて参りたいと思います。
今回は~“Pale shark skin suit”
『え!?ライトグレーじゃないの??』
と思われた方が多いと思います。でも、Pale・・・つまりブルーなんです!(笑)
私も最初拝見した時はグレーかな?と思ったのですが、よく見るとなんとなく服地に青白い光沢感があり、
『あれ?白井さんもしかして今日のスーツはブルーなんですか?』
とお伺いしたところ、
『そうだよ。』
とのお答え。色を言葉で表現するのは極めて難しい作業ながら、とりあえず今回は“Pale(青白い)”という言葉を選びました。ご異存ありやなきや(笑)。
今日のスーツはイザイア(伊)のス・ミズーラ、かなり明るめの青いシャークスキンのダブルブレストです。
ブルーのスーツに濃茶の靴を合わせるのが“白井流”。もちろん他の選択もあったのでしょうが、
『やはりこの色(の靴)を合わせたくてね。』(白井さん談)
とのこと。私などは服の明るさに合せて靴も明るいものを最初に選んでしまうでしょうが、なるほど、こういう合わせ方もあるのかと目から鱗が落ちる思いです。
ソックスは瑠璃色のソッツィ(伊)。
『靴下は着こなしでは重要なポイント。結構神経使ってるんだよ。』(白井さん談)
そうなんです。最近はついつい触れていませんでしたが、これは決して忘れてはならない“白井流の鉄則”です!
グレンチェックのネクタイは信濃屋オリジナル。白井さんはこの日の朝、最初は茶系のネクタイを選ばれたそうなのですが、いざそのタイを締めてみると、幅の広さや重たそうな印象がお気に召さず、このグレンチェックのタイに変えたそうです。
『そうやって“やりかえす”こともあるよ。』
と仰っていた白井さん。着こなしに安易な妥協は差し挟みません。ただ、私が気になったのは“やりかえす”という独特なフレーズ。“ネクタイをやりかえす”・・・う~んなんだかちょっとカッコいい言い回しです!洒落者は着こなしのみにて作られるに非ず。
シャツはミラノ郊外にあるというドレスシャツ専門のシャツ屋さん・チチェリ(伊)の、襟型が“フィノッロ”というモデル。ちょっと写真が暗くてわかりにくいかもしれませんが襟の外側の線が途中で角度がクッと変っているのがポイントです。因みに現在信濃屋さんで扱われている襞胸・プリーテッドブザム(pleated bosom)もチチェリだそうで、細かい襞がちょっと他所では見られないという逸品です。近々タキシードを着る予定のある方は是非(笑)。
厳しい残暑が続いていますが、今日の白井さんの着こなしには“一服の清涼感”、そして“大人のゆとり”が感じられました。
次第に夏も終わりつつあります。白井さんの夏の着こなしを拝見できるのもあと僅かかもしれませんね。