ひと日記

お気に入りのモノ・ヒト・コト・場所について超マイペースで綴ります。

Brown stripe suit

2010-10-14 04:00:00 | 白井さん


 秋の長雨に時折晴れ間が覗く空模様が続き、それに合わせて気温も上下する今日この頃。今回の撮影日も朝から静かな雨が降り続き最高気温はいよいよ20度を下回り始めました。今日の白井さんは落ち着いた色合いの茶の縞の背広姿。起毛系の服の出番が少しずつ増え始めてきました!

 『今日は何の話にする?』

 と、この日は早速にお尋ねくださった白井さん。ですが、粗忽者の私の頭の中はノープラン(汗)。慌てて思考回路をフル回転させ、過去に気になった白井さんの着こなしについてのあれこれの中から、この日私が選んだのが“ pocket kerchief”について・・・

 私、   『白井さん、いつも拝見していて思っていたのですが、チーフの挿し方は何か“白井さん的決め事”はあるのですか?』

 白井さん、『何も無いよ。無造作に“ひゅっと”入れちゃうだけ(笑)。』

 私、   『ええ~!“無造作”ですか??』

 白井さん、『そう“無造作”。』

 むむ~・・・“無造作”・・・。やはりポケットカチーフというあしらいには意図的に飾り立てたような“あざとさ”が見え隠れしてはいけないのでしょうね。ただ、そうは言ってもその境地に達するには何万回もの“無造作”を繰り返さなければならないような気もします。“無想剣”ならぬ“無造作絹”・・・まるで剣術の達人のお話のようです(汗)。

 白井さん、『あと、色はネクタイとは基本的にあまり合わせたくないよね。そういう風にすることも時と場合によってはあるけど。あの、ネクタイとセットになって売ってるやつあるでしょ?』

 私、   『あ、ありますね。共生地になってるやつですね?』

 白井さん、『そうそう、あれは嫌だよね(苦笑)。』

 因みに、この日のドットのチーフは。白井さんが学生時代に日本橋高島屋でお求めになられたものだそうです!!

     

 その後、信濃屋さんの今期お薦めツイード生地多数を見せていただきました。他ではなかなか見かけない色柄やゴリゴリとした厚めの生地群は、ツイードを着慣れた洒落者の諸兄に喜ばれそうなハイレヴェルなものばかり。ツイード初心者の私などは拝見するのもちょっとびびり気味だったのですが、

 『だめだめもっと見ないと。俺なんかいつまでも飽きずに見ちゃうよ。』

 と、すかさず白井さんの“教育的指導”が!そして、何をどう見ていいのか判らず自信なさげな様子の私に白井さんは、

 『自分の好みでいいんだよ。』

 と教えて下さいました。

 きっと白井さんは、矯めつ眇めつ生地を眺め、触り、と同時にご自分の好きな色柄の服で様々な着こなしを想像されるのでしょう。“本当に服が好きな人”というのはそういうものなのだそうです。